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イチゴの化け物!?

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イチゴの化け物!?

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「はやく、魔方陣を見つけないとみなさんが先にやられてしまいますね」
 蒼天の書 マビノギオン(そうてんのしょ・まびのぎおん)は、芦原 郁乃(あはら・いくの)と共に果樹園の周りを走りながら言った。
 二人は、魔方陣をなんとかしようと駆け回っていた。
「うう、雅羅達にも手伝ってもらいたかったんだけど」
「みなさんはモンスターとぶつかってもらってるので仕方がないです」
 泣き言をつぶやいている郁乃に、マビノギオンは、はき出すように言った。
「あ、あれじゃないでしょうか、魔方陣の管理をしてる小屋」
 マビノギオンがそう言って指さす方には小さな小屋があった。
 だが、二人はそれを見ると足をぱたりと止めた。
「……なんかいるよね」
 大量のイチゴモンスター達が小屋の周りを、まるで番犬のようにうろうろしていた。
「どうしようこれ……」
「お助け参上にきたよ〜」
 困っている郁乃の元に現れたのは、七瀬 雫(ななせ・しずく)ズズ・トラーター(ずず・とらーたー)リリア・アクイーア(りりあ・あくいーあ)だった。
「私たちが、道を空けるから先に魔方陣をお願いね」
 雫がそういうと、ズズとリリアが小屋までイチゴモンスターを倒していく。
「ありがとうございます。主もここで雫さん達と一緒にこの小屋の周りを守ってください! その間に私は魔方陣を止めますから」
「りょーかいだよ」
 郁乃も雫と共に闘うことになる。
「にしても……なんか強くなってるよねこいつら」
「えっ、そうなの? というより、前にも闘ったことがあるの?」
 ぽつりとつぶやいた雫の言葉に郁乃は驚いた。
「まあね、演習で何回もね。最初は、簡単に倒れてたのに、今だと何度倒しても起き上がって向かってくるよ」
 そう言うと雫も戦いに入る。
「ズズ、左をお願いよ!」
 リリアはズズをサポートしながら、小屋にモンスターを近づけないように闘っていた。
「お待たせ―」
 雫は特製のハンドガンをイチゴモンスターに構え乱射する。
 何匹かは倒れるが、果樹園の方から補充するかのように沸いてくる。
「魔方陣の解析はどれだけかかりそう?」
「たぶん、あと20分はかかるかと思います」
 マビノギオンは魔方陣を調べながら、雫の質問にはっきりと答えた。
「なんとしても、守りきらないと行けないだろ」
 チーターの姿をしたズズは、普通に男性の声で雫に聞いた。
「しゃ、しゃべるの!?」
 郁乃は刀を振り回しながら驚きの声を上げた。
「獣が人語話しておかしいか?」
「そんなことないよ! むしろびっくりしただけ」
 ズズはそれを聞き届けると、走り回り出した。
 イチゴモンスターを一度に数匹倒していく。
「魔方陣の解析が終わるまで、20分……どうにか持たせないとね」
 郁乃は小屋を守ることに、心を燃やした。