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Let’s鍋パーティ!

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Let’s鍋パーティ!

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 木の根元に座っている冬蔦 日奈々(ふゆつた・ひなな)

「どうして食材争奪なんかするんですかぁ……はぁ」

 深いため息をつく日奈々。そこへ紅鵡のスポンジ弾が日奈々の顔の横の木に当たる。

「な、なんですか……あなたたち」

 日奈々の前にじゅうを構えた紅鵡たちが立っている。

「おとなしくその麻袋、渡してくんない?」
「渡してくれれば、これ以上手荒な事はしませんから」

 ゆっくりと日奈々へ迫っていく紅鵡たち。

「こ、来ないでくださいですぅ」

 じわりと涙が浮かんでくる日奈々。魔を詰めてくる紅鵡たちの所へ白い影が走る。
 刀真の蹴りつけで吹き飛ばされる紅鵡。次いで輪廻と淳二に月夜が放ったスポンジ弾が命中して吹き飛ぶ。

「油断しすぎですよ、御三方」
「日奈々、アレやっちゃってよ」
「え? と、飛んで行ってくださぃ〜!」

 まとまって固まっている紅鵡たちは、日奈々の風術で三人は空に吹き飛んでいった。


………
  ………
    ………


 トラップを仕掛ける歩とそれを手伝う円とロザリンド。
 アルコリアはそばで紅茶を飲んでのんびりしている。

「みんなどうしてるかな?」
「気になるなら刀真たちと行けば良かったのに。そうしたら三三で丁度良かったと思うけど」
「行けないって! A5様のお肉を放っておくなんでボクには出来ない!」
「そ、そう」
「あ〜紅茶おいしいですね」

 気迫迫る円の言葉にややたじろく歩と、あくまでものんびりお茶を続けるアルコリア。
 と、空の方から悲鳴が聴こえてくる。


「「「うわぁぁぁぁあああああ!!」」」


―――ドスンッ

「いたた〜」
「まさかあそこで風術を使ってくるとは」
「予想外でしたね」

 日奈々の風術で飛ばされてきた紅鵡と輪廻、淳二が体を起こす。
 空から降ってきた三人に驚いていた歩たちが怪我はないかと心配して声をかけてくる。

「大丈夫ですよ。心配して下さりありがとうございます」
「飛ばされた時は焦ったけどね」
「どこにも怪我はない。では」
「あ、ちょっちょっと待って!!」

 移動しようと輪廻が足を踏み出すと、カランカランと鳴子が鳴りだす。
 続いて地面から出てきた網で三人を宙に持ち上げて捕らえてしまう。

「あ〜だから待ってって言ったのに……」
「なんなんでしょうね、あの子を狙ったばかりにこの仕打ちとか」

 円たちが手伝って捕まった三人を下ろす。
 たび重なる悲劇に嘆く三人にロザリンドは麻袋から林檎を取り出しそれを一個ずつ渡した。

「ありがとう。なぁ、キミらは四人で行動しているのなら、俺らと一緒に鍋を作らないか?」
「違いますよ、あと二人います」
「なら、その二人も入れて作ろうではないか。鍋なんだから大勢で食ったほうが楽しいに決まっているだろうしな」

 強引に輪廻たちのグループと歩たちのグループは一緒の鍋を作る事でまとめてしまうのだった。


―――ピンポンパンポーン。

 森の中にティファニーの放送がかかる。

「食材争奪戦はこれまでネ! これからメインの鍋作りに移ってもらうヨ」