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リアクション
「さすが、ナポレオン。最後まで英雄……か」
セレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)はビキニ姿で物事に思い吹けるようにつぶやいた。
そのそばでは、セレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)が、走り回るナポレオンを追いかける段取りを立てていた。
「さて、行きましょうか」
セレンフィリティは、ダリルの機関銃による援護を受けながら、走り回るナポレオンに向かって走った。
「早いわ!」
光条兵器の狙撃銃を構え、遠くからナポレオンを狙っていたローザマリアは思わずつぶやいた。
スコープで姿をとらえるのがやっとだった。
「あれは!?」
白馬は突然崩れ落ちた。
セレンフィリティとセレアナが二人で挟み打ちをするように白馬の足元を近距離から銃で撃っていた。
「あんな早いものを、あの距離で!?」
ローザマリアは驚きながらも好機だとスコープを身構えた。
「本当はこんなに大切な本がしまわれている中で、火薬類を使うなんてするわけにはいかないのだけれど」
「仕方ないわ、今のナポレオンはさっきと違う。一気に片付けないと面倒なことになりそうだわ」
二丁拳銃を構え、セレンフィリティはクロスファイア―でナポレオンへ集中砲火した。
ナポレオンが一瞬ひるんだところを、セレアナが鳳凰の拳で追い打ちかける。
セレンフィリティが二丁拳銃を再度ナポレオンに向けた。
「降伏は?」
「……」
ナポレオンはただ無言で立ちあがろうとする。
「まだ、立ち上がるのね。そこまでくると英雄というよりも、ただの無鉄砲な兵士だわ」
セレアナが皮肉を含めて言った。
「……吾輩はただ命尽きようとも使命を突き通すのみ」
「そこまでだよ、ナポレオンよ」
そう言って、一冊の古い本をもって現れたのはネルソンだった。
その本は、ナポレオンが描かれた本だった。
「それは!」
「ふん、何から何まで美化された本だ」
ネルソンはそう言いながら、本をレティ・ウォータージェットで水び出しにした。
それと同時に、ナポレオンの体が足元から徐々に砂粒と化していく。
「その本は、ナポレオンが実体化した元の本だったのね」
「吾輩の完全な負けだ」
「ふん、何を言ってるんだナルシ○トめ」
落ち込んでいるナポレオンに向って、ネルソンは強く言い返した。
「ナポレオン、お前はいつだって俺に勝てたことはないのだ。悔しければまた復活したまえ」
そういうとネルソンは静かにその場を立ち去った。
「……」
セレンフィリティも無言で二丁拳銃をホルダーに収めた。
「降伏にさせることができなかった私たちの負けね」
セレアナは踵を返すと同時に言い放った。
セレンフィリティもそのまま無言で手を振りながら、向こうで騒ぎとなっているアキレウスの元へと向かっていった。
アキレウスとたくさんの人が戦う一方で、図書館の片隅では、また違う激戦が繰り広げられようとしていた。
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