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空が見たい!

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空が見たい!

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 村の広場にテーブルとイスが並べられ、次々とお皿が運ばれてくる。
 すぐ側で塩焼きにされている魚から油がぱちぱちとはね、嗅覚だけでなく聴覚でも胃を刺激される。
 あまりにも人数が多いので御宮や海月、ティーたちの提案でバイキング形式を取っている。夕食時はドワーフたちとの交流の場でもあるのでまるでパーティーでもしているような賑やかさだ。
 パラミタモグラ焼きやスープだけでなく、地下に生息している植物の木の実で作ったパン、地下深くまで根を張った木の樹液から作られるお酒もあり、地中の食べ物や種類にも皆驚かされた。
 最初の頃は会話もほとんどなく座る時もドワーフたちでかたまっていたが今はほとんど打ち解けた様子で和気あいあいと楽しい時間を送っている。

 そんな時だった。

 ――ゴゴゴゴゴゴゴゴ…………

 地面が大きく揺れ、ここよりも遥か地底から鳴り響いてくる音が坑道にこだまする。
 と同時にどこかで落盤する音が聞こえ、パラパラと振動で砂が落ちてくる。

「おさまった?」

 テーブルの下で隠れていた子どもたちが泣きそうな顔で出てきて両親のところへと向かう。

「長老、今のは」
「うむ。今の地震でどこかの坑道で落盤が起きたようだのぅ」

 年齢とともに刻まれた皺をより深くしながら長老がうなる。

「長老! 村の入口もほとんど落石で塞がっちまってるよ!」

 バタバタと村の入口辺りにいた見回りのドワーフが走り寄ってくる。
 今の地震の落石で足を怪我をしたらしく、肩を借りて戻ってきたものもいた。

「完全に塞がったわけじゃないから通ることはできるが……一人ずつ通るのがやっとといったところか」
「これは早く何とかしなければ――」

 長老が蓄えたヒゲをさすりながら低い声でうなった。
 だが、それよりも遥かに低く大きな声がビリビリと洞窟内を震わせた。

 ――グオオオオオオォォォォォォ……

 声、と呼ぶにはあまりにも凶悪さを含んでいるのは咆哮。
 声を聞いてあちこちから悲鳴が上がる。

「今ので目覚めてしまったか……!」

 再び起こる地鳴りとともに、坑道の端まで届くような咆哮が闇の世界に響き渡るのだった。