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リアクション
地上がある程度一掃されたころ、上空ではヘイリー・ウェイク(へいりー・うぇいく)の『ドッグズ・オブ・ウォー』により召致した、多くがペガサスやワイバーンに乗り空を翔る女空賊で構成されている、【『シャーウッドの森』空賊団】の空賊達とメンバー達が激戦を繰り広げていた。
「こいつら……!」
だが、多勢に無勢。多すぎる相手に空賊達は苦戦を強いられていた。
「怪我人を連れて飛行艇へ避難を! ここは任せて!」
「お、お願いします!」
その中をリネン・エルフト(りねん・えるふと)が単騎で先陣を翔る。
「(カタカタカタ!)」
周囲には、骨の翼を持つスケルトンの軍勢。
「行くわよ!」
『タービュランス』で敵を撃ち落し、そのまま突撃。『カナンの剣』と『空賊王の魔銃』を持ち、『エアリアルレイヴ』と『歴戦の武術』の連撃で敵を一掃する。
「ノッティンガムは後方に待機! 他はニューアーク、ピータバラ中心で突破陣形!」
空賊の大型飛行艇に乗り、他の飛行艇に指揮を飛ばすヘイリー。その指示の通り空賊達の操る飛行艇が陣形をつくり突撃する。
「(カタカタカタ!)」
「オレ達もいくぜ!」
更に、フェイミィ・オルトリンデ(ふぇいみぃ・おるとりんで)も『ペガサス“ナハトグランツ』に乗り、天馬騎兵部隊を率いて艦隊にせまるスケルトン達を迎え撃つ。
「食らえっ!」
フェイミィの持つ『天馬のバルディッシュ』による一振りはまさに圧倒的。相手の盾など意味を成さず、その盾ごと粉々に砕いていく。
「一番隊は左翼、二番は上方! 残りはオレと正面だ! 艦隊を守り抜くぞ!」
フェイミィは、戦闘を行いながらもしっかりと部隊に指示をだしていく。
「邪魔だ!」
そして、敵が近付こうならバルディッシュで消し飛ばしていく。
「そんなんじゃ、オレ達を止められないぜ!」
「フェイミィも派手にやっているわね。私も行くわよ!」
後方で無双しているフェイミィを見て、リネンも敵陣へと突貫。鋭い剣撃と素早い銃撃でどんどんと敵の数を減らしていく。
そこに飛来してくる、火の玉。
「くっ……」
リネンは直撃は避けたものの、腕には、やけどの跡。
「やってくれるわね……」
前方を見据えると、翼を持った獣……ガーゴイルが無数に飛んでいた。ガーゴイルの手に魔方陣が浮かび上がると同時にそこから火の玉が飛び出し、リネンへと向かっていく。
「それは当たらないわ!」
悠々と回避するリネン。他のガーゴイル達も詠唱を始める。
「やはりそう簡単にはいかないってところか……。だけど、臨むところ!」
しっかりと武器を構えなおし突撃の構えを取るリネン。
「まぁ、そう慌てるでない」
「え?」
その声と共に飛来した、魔力で作られたカード。リネンの腕に刺さるとやけどの跡が綺麗さっぱりなくなっていた。
「小さな傷が後々響くからのう。治せるときにしっかり治しておくべきじゃ」
カードを投げたのはユーラ・ツェイス(ゆーら・つぇいす)。
「さすがに、一人ではきついでしょ。手伝いに来たよ」
その後ろには背中に『ダークヴァルキリーの羽』を纏った紅坂 栄斗(こうさか・えいと)とルーシャ・エルヴァンフェルト(るーしゃ・えるう゛ぁんふぇると)の姿があった。
「援軍ね。助かるわ」
「さてと、それじゃ。行こうか。ルル」
「かしこまりました、栄斗様」
「気を取り直して行くわよ!」
「三人とも無茶はせんようにな。わしは傷ついた者の回復に回る」
ユーラ以外の三人はまっすぐガーゴイルのほうへと向かう。
「あんな沢山のガーゴイルから同時に魔法を撃たれるのは困るわ。一気に片付けましょう!」
「了解! ルル準備は良いかい?」
「いつでもいけます」
「じゃあ、行くよ。黒影招来……」
『魔影装甲!』
二人が声を合わせ、ルーシュが左耳につけている『誓いのイヤリング』を指で弾くと、ルーシュが漆黒の鎧へと変化。栄斗に装着される。
「はっ!」
二人より少し早くガーゴイルの元へとたどり着いたリネン。『エアリアルレイヴ』による流れるような連撃でガーゴイルを撃破。
「さて、避けきれるかな……!」
栄斗も『ソードオブトワイライト』と『女王のソードブレイカー』の二刀流でガーゴイルを瞬殺していく。
「やるわね!」
「そちらこそ!」
お互いがお互いをカバーするように、敵を倒していく二人。
ある程度倒したところで、どこからか聞こえて来る、馬の走る音。
「この音は……」
「あら、フェイミィのかしら……?」
『違います! 栄斗様上です!』
『殺気看破』を使っていたルーシャがいち早く敵の存在に気づく。しかし、栄斗とリネンが上を向いた時には、馬に乗った死神が鎌を振り上げていた時だった。
「っ……!」
リネンの前に出た栄斗が二刀で鎌を受け止める。
「そこっ!」
そのチャンスを逃さず、リネンが銃で死神を撃ち抜く。
「…………!!」
死神の身体が後ろに仰け反る。その隙に栄斗は鎌を受け流し脱出。
「ふぅ……助かったよ」
「こっちも助けてもらったからお互い様よ」
「全く……少し目を離すと危なっかしいことこの上ないのう」
戻ってきたユーラが栄斗の手にあった切り傷に治癒魔法をかける。
「ありがとう」
「礼はやつを倒してからじゃ」
死神は未だ倒れておらず、鎌を構え、戦闘態勢を取っている。
「先手必勝! 行くわよ!」
リネンが動く。すぐさま距離を詰め、剣を振るう。
「……!」
死神は素早く鎌でガード。そのままの流れで鎌を振るう。
「よっと!」
「お次はこっちだ!」
リネンが回避すると同時に栄斗が死神へ突撃。
「ヒヒーン!」
死神を乗せている馬が嘶くと同時に死神の周囲に結果が発生。栄斗の攻撃は結界に阻まれてしまう。
「……!」
死神が鎌を振るうとその斬撃がソニックブームの如く栄斗へ飛来する。
「させぬ!」
その斬撃をユーラが相殺する。
「やるわね、あいつ……。何か良い案はないかしら」
「俺が行きますよ」
「……何かあるみたいね。任せるわ」
栄斗の言葉に頷き、リネンは少し後方へ下がる。
「活目しろ……我、黄昏の帳断ち切る剣、担う者なり」
栄斗の言葉と共に手には夕暮れの太陽のごとき光の刃を持つ剣型光条兵器が現れる。
「一撃で……!」
剣を構え、死神へ突撃する栄斗。対する死神は再び結界を展開。
「はあぁぁぁぁぁ!!」
一閃。栄斗の剣は結界を貫通し、死神を両断した。
「おぉ。やるではないか!」
「さすがね。さて、一度戻りましょう。こういうやつがいるとなるとみんなが心配だわ」
「そうだね」
リネンの提案に頷き三人は、一度艦隊のほうへ。
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