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【第三話】始動! 迅竜

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【第三話】始動! 迅竜

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 格納庫でコア・ハーティオン(こあ・はーてぃおん)は仲間である星怪球 バグベアード(せいかいきゅう・ばぐべあーど)へと話しかけた。
 ツァンダで繰り広げられた前回の戦いで受けたダメージにより、龍心機 ドラゴランダー(りゅうじんき・どらごらんだー)は蒼空学園校舎で修理中だ。
 ゆえに、今日のハーティオンはバグベアードとのコンビである。
「……む。そろそろ出撃か。よし、我等も出るとしよう! 行くぞ! 星心合体だ!」
 カタパルトに向かう途中、ハーティオンの胸中には様々な思いが去来していた。
(またイコン関連施設が狙われたか……。敵からイコンへの強い憎悪を感じるな……。しかし敵の目的がどうあれ、私は葦原明倫館の仲間達の救援の為に戦うのみ。宜しく頼むぞ、星怪球バグベアード!)
 考えているうちにハーティオンはカタパルトに到着する。
 するとタイミング良くハーティオンに通信が入る。
 きっとオペレーターからの通信だろう。
 だが、通信の相手はダリルではなく高天原 鈿女(たかまがはら・うずめ)だ。
『貴方のオペレーターは私がやるわ』
 ハーティオン専属の技術者として、先程まで格納庫で整備と調整を担当していた鈿女は、そのままビームサーベルのような形をした誘導灯を持ってカタパルトまで出てきたようだ。
『迅竜はいわば教導団と蒼空学園の共同開発。規格は問題ないと思うけど、どう?』
 問いかけてくる鈿女に向け、ハーティオンは親指を立てた。
「問題ない! では、私も行くとしよう」
『それは良かった。では改めて――進路クリア。いつでも発進可能よ』
 鈿女がブリッジに合図を出すと、シグナルが赤から緑に変わる。
 シグナルが変わると同時、鈿女は安全圏まで素早く後退した。
 それを確認し、ハーティオンは声を上げる。
「ゆくぞ!星心合体!ベアド・ハーティオン! 星の心を身に纏い、愛に応えてここに推参!」
 朗々と響き渡るハーティオンの声とともに、星心合体ベアド・ハーティオンは蒼空へと飛び立った。