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一月みんな揃ってのお誕生日会

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一月みんな揃ってのお誕生日会

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■ プロローグ ■



 一月初め。
「急に呼び出してすまんな」
 玄関に荷物を抱えて集まってきたコントラクター達の面々を眺め、王 大鋸(わん・だーじゅ)は抱えていた段ボール箱を持ち直した。
「いつのまに子供を増やしたんだ?」
 知っている人数より、直前に聞いた人数が増えている。
 玄関を開けて皆を中に入れる大鋸は軽く首を横に振った。
「いや、こっちのはマザー――隣村の孤児院の大家なんだがな、頼まれたんだよ」
 隣村の孤児院のマザーが去年の十二月頭あたりにぎっくり腰で村医者の家に厄介になっていて、その間の子供たちの世話を任されていたんだと大鋸は簡単に説明した。
「大所帯だな」
「今だけ、そういうことになる」
 大きめの家具だけ移動させた会場予定の部屋に皆を通した大鋸は段ボール箱を床に下ろした。
「この前のクリスマスの時にだいぶ盛り上がって、すっかり誕生日会ってのに興味持っちまってよ」
 話の勢いで約束を取り付けた様だ。自分も孤児院を抱えている身で他の施設にも親身になっている大鋸の活動の広さと平等さに、感心したり心配したりとコントラクター達の反応は様々だった。
 孤児院間の距離は荒野的な意味でさほど遠くないとは言え、二つの施設を掛け持ちするなら一緒に住まわせてやろうとは、なんとも大胆な考えである。
「預っている子供達の孤児院はマザー以外に手伝ってくれる人は居なかったの?」
「あー、一人それっぽいやつが居たんだがそういえば最近見ないな。まぁ、そいつも兼業だから本業が忙しくなったんだろ。世界中飛び回っている奴だし。連絡しようにも手段がないしな。マザーがぎっくり腰になったってのも知らんだろ」
 あまり気にしない風で大鋸は答えた。
「勝手なことして大丈夫なの?」
「マザーから了解は得てる。派手に行こうぜ」
 子供たちが楽しんでくれる。その理念で配慮しながらも豪気な大鋸は、子供たちと散歩に出かけているシー・イー(しー・いー)の時間稼ぎは長くないからとコントラクター達をそれぞれの場所へと誘った。