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―アリスインゲート1―後編

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―アリスインゲート1―後編

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――入り口

 その集団は奇妙だった。
 概ね一般人とは言い難い。
 まずはドレス姿の女性が二人。豪奢なスカートが何故か大きく破れている。だがまだマシなほうだろう。
 そしてこっちが問題だ、全身強化外骨格に一振りの刀。明らかに友好的な格好ではない。
 その後ろにもジャーナリストやらダンボールやらタコやらニンジャやらよくわからないのが沢山。
 受付は思った。昨日もそうだったが、今日も朝から勘弁して欲しいと。
 けどそこは接客業務。今なら営業スマイルの充填は十分だ。
「いらっしゃいませ、ご要件は何でしょうか?」
 カチャ
「Get out!」
 セレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)が受付の額に銃口を突きつける。
「……え?」
「こんなしょぼい会社に安月給でコキ使われて死ぬのも莫迦らしいだろう?」
 いや、有名大企業で安月給てそんなことはないし、そりゃ一日動けなくておしりが痛かったりもするけど、接客に変なのは来るけど、さんじゅう近くなってもいい出会いがなくて行き遅れそうだけど、死ぬとか言われて銃口向けられても……銃!?
「Good-by or Dei !」と脅すセレンフィリの肩をセレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)が叩く。
「セレン。後ろ」
 セレンフィリティが言われて後ろを向く。
 今まで一般社員のフリをしていた警備サイボーグ、警備アンドロイドに囲まれていた。
 ロビーにはまともな人は受付しかいない。彼らは異世界人の襲撃があると知っていて、受付を囮に、迎撃準備をしていた。
「すでに、俺らの行動はバレているってわけだ」
 高周波ブレードを正眼に構える柊 恭也(ひいらぎ・きょうや)。刀身が蒼く染まる。
 警備サイボーグ、アンドロイドも電磁警棒とパルスガンを抜く。
「なら、話が早いわ――」
 セレンフィリティは着ているドレスを鷲掴みし、破き捨てた。セパレートのビキニ水着になって言う。
「あたしのこの磨き抜かれた美しい肢体を、あんまりジロジロ見てると鉛球食らってあの世行くよ!」
「結局脱ぐのね」
 一触即発――、鉛とレーザーの雨と受付の嘆きがロビーに降り注いだ。
 セレンフィリティ、セレアナは《光術》の目眩ましに合わせて【シュバルツ】【ヴァイス】でトリガーハッピー。《行動予測》後の見越射撃で確実に対象を捉える。
 恭也は、近接に従事、サイボーグの腕ごとを切断。武装無力化する。
「ここは任せて先に行け!」
 凌ぎ中にフラグ的な事を発言する恭也を横切り、アリサ救出部隊がビルの奥へとは雪崩れ込んだ。