リアクション
【五月晴れの日に・5】
やりたい放題だった店を何とか改装したばかりの状態までリセットして最早昼食なのか間食なのかも分からないパイとお茶の時間を終えて外へ出た頃には、五月晴れだった空は赤らみ日が沈みかけていた。
笑顔のジゼルと無表情のアレクに見送られて進んだ先で、11人の仲間達はそれぞれの場所へ帰る分岐点へと辿り着いた。
「琴乃、送るよ」
「うん、お願い」
手を繋ぐ二人の姿を見て、ソランは自分の夫の姿を思い出す。
『一緒に居たいのなら、きっとあなたが勇気を出さなくちゃ駄目だわ』
リフレインする言葉に従うなら、勇気を出すのはきっと今だ。
ソランは背筋を伸ばして身体を二つに折った。
「皆、お願いします。
あのバカを……助けてやってください!」
頭を下げるソランの言葉に間を置いて、樹が彼女の肩に手を置いた。
「善処する」
「引き続き協力するよ、まずは『安全に』身柄を確保する事からかな」
「オッケーだぜ!」
「任せやがれでございますですよ!」
章と衛とジーナに続いて、輝と紅葉も「ボクらで出来る事なら」「協力します!」と頼もしい笑みを見せた。
「なんとかしないと……ね」
そう言う雫澄に、託と琴乃は頷いてソランの顔を見る。
何時になるかは分からない。それでもこの仲間達が居てくれる限り、いつか夫が、ハイコドが自分のもとへ戻ってきてくれる日が必ずくるだろう。
安心からふと微笑んだソランの手を取って、風花は言った。
「帰りましょう、ソラ姉様。
赤ちゃん達がお母さんの帰りを待っていますわ」
そう、自分はもうただのお嫁さんではない。お母さんなのだ。
強くならなければ。
勇気を持たなければ。
子供達が待つ家へ、ソランは強く足を踏みしめていた。
*
店の鍵を閉めるとすぐにヘルメットを無造作に被せられて、ジゼルは一緒に落ちてきたゴーグルを押し上げながらアレクの顔を見上げた。
「ねえアレク。
あの人、――ハイコドの奥様。大丈夫かなぁ?」
「さあ。俺は知らん。
ま、大丈夫じゃねぇの?」
「根拠をどうぞ」
「お前のお友達が居るから」
「うん。そっか。そうだね!
お兄ちゃんもたまには良い事言うのね」
「俺は何時も良い事しか言わないよ」
「えー……じゃあそう言う事にしとくー。
ねえ、今日は楽しかったねー!」
「そう悪くは無ぇな」
「お兄ちゃんホント素直じゃないなぁ」
キャッキャと笑い出した声は風とエンジン音で掻き消される。
辺りはすっかり闇に包まれて、もう晴天なのか曇天なのかも分からない空には星が浮かび始めている。
見上げながらジゼルは呟いた。
「明日も多分、良い天気」
■森水鷲葉
森水鷲葉(もりみずしゅうば)です。
ご参加いただき、誠にありがとうございました!
今回は、フリー形式で書かせていただきましたが、
普段のシナリオではできないことができて楽しかったです。
今後もシナリオや、イベントでお会いしました際には、
何卒よろしくお願いいたします。
■常葉ゆら
こんにちは、常葉です。
ご参加頂きましてありがとうございました!
楽しく執筆させて頂きました。ありがとうございました。
■篠崎砂美
変則シナリオの参加、御苦労さまでした。
いやあ、どうしてこうなったw
キャラたちそのものの登場は表向き少ないですが、ゴチメイたちの行動が如実に各キャラの影響が出ていて面白かったです。
■逆凪まこと
はじめましての方ははじめまして、二度目以上の方は光栄でございます
今回は白黒漫画でテーマを設けてみましたが、如何なものでしょう
しかしこう、逆凪の趣味嗜好バレバレやん的なアクションが揃いまして
ええ、もうなんだ、溺れればいいじゃない。
もうそれでいいじゃない(何が)
そんなわけで、リアクションの通りとなった次第です。
少しでも楽しんでいただけましたら幸いです。
■高久高久
御参加頂きありがとうございました。高久高久でございます。
今回は特にテーマを決めていなかったのですが、やたらと休日っぽいアクションが多かったので全体的に休日っぽい感じになりました。
決して執筆中『リア充めが俺にも休日をよこせ!』と妬んだりとかしていません。していませんったら。ごめんちょっとした。いやかなりした。
少しでも楽しんで頂けたのならば幸いです。また機会がありましたらよろしくお願いいたします。
■寺岡 志乃
こんにちは、またははじめまして、寺岡です。
ご参加いただきました皆さん、ありがとうございました。とても楽しく執筆させていただきました。
次回がありましたらもちろん参加させていただくつもりですが……今度はガイドなしのフリーに挑戦してみたいですね。
そのときはまたよろしくお願いいたします。
■九道雷
ご指名くださいました皆様、ありがとうございました、九道です。
少しでも、皆様のお気に召す内容になっていればと祈ります。
■猫宮烈
猫宮烈です。
GWには『こどもの日』がありますが、では何故『ようじょの日』がないのでしょう。
……あぁ、でももし制定されたとしても、『健やかな成長』は望めませんね。
だって成長してはいけないのですから!
「邪な考えの人はさよならしてくださいー(日之光一貫)」
……コホン。お後がよろしいようで。
また同様の機会がありました折には、是非ご参加いただけますと幸いです。
それでは、また。
■灰島懐音
みなさまこんにちは、いつもの自由な人です。もとい灰島懐音です。
いつもいつもご参加有難う御座います。
今回はいつにもなくフリーダムだった気がします。気のせい?
わたしは楽しく執筆させていただいたのですが、みなさまからするとどうなんでしょう。はしゃぎすぎてたらごめんなさい。
それでは、あまりコメントが長くなっても様になりませんのでこの辺で。
ご参加頂き有難う御座いました。
■影山リョウガ
ご参加頂きましたお客様の皆様へ。
この度はご指名誠にありがとうございました。
今回、書かせて頂きました『蛍シリーズ』における休日のようなシナリオ。
私としても一度書いてみたいシナリオだったので、私自身も楽しませて頂きました。
改めまして、この度はご指名ありがとうございました。
『蛍シリーズ』本編もお楽しみに!
影山リョウガ
■沢樹 一海
書きすぎた……、という感が拭えない春のSSです(通常営業)。
ノーマルなのにスペシャルと変わらない量書いてますね……。自分でもびっくりです。
これでも結構減らしたんですが(衝撃告白)。
そして今回は、漫画シナリオの方にもちょっとだけ関わらせていただきました。
新鮮な経験で、とても楽しかったです。
多分リアクション公開されたら、私自分のページよりも九道さんのページクリックすると思います(笑)
さて、普段リアクションを書く時とかもたまに思うのですが、
ひとつひとつ全部違うのにどこかにつながりを持たせられて、
気がつくと1本の流れが出来ていて、不思議な気持ちになったりします。
と、いうことで、5つのお話は、たぶんどこかでつながっています。
とてもとても、小さなところで。
それでは、またどこかでお会いできましたら幸いです。
この度は、ありがとうございました!
■東安曇
東安曇です。イベントご参加の皆様、読んで下さった皆様、そしてシナリオ頂きました皆様どうもありがとうございました。
「そーきたか」というか「そーくるよな」というかで、信頼と安定のパイ投げ爆発落ちである。まあ、いつも通りのシナリオですね!では。またお会い出来たら幸いです。