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ホテル奪還作戦

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ホテル奪還作戦

リアクション

 プロローグ


 エイムズ・イーガンは静まり返ったホテルの廊下を歩いていた。
 廊下は奇妙な程静寂に満ちている。辺りに響く音は彼の立てる足音だけだった。
 静寂である理由は簡単だ。ホテルの客、従業員、調理師から電気工事に来ていたエンジニアまで、ホテルの敷地内にいた人間は全て、エイムズが属するテロリスト集団が人質にしているからだ。
 エイムズは自分の足音を聞きながら、安堵のため息をつく。
(ホテル内の人間を全員捕まえ、人質にすることには成功した。ホテルの制圧が完了したんだ。後は目的の金と、脱出手段の要求。そして脱出。これだけだ。もう計画が成功したのも同然だな。計画に協力してくれた妙な白衣の男の手引きが無ければ、ホテルの制圧は完了しなかっただろう。奴には感謝だな)
 エイムズは軽く思いながらホテル内の巡回を続ける。
 ホテル内の巡回も、彼の言う『妙な白衣の男』による指示だった。白衣の男曰く、パーティに参加していたはずの契約者達が人質の中にいない、とのこと。そこで、契約者達を探す為にホテル内の巡回をするのだった。
 でもまぁ、とエイムズは呟く。
「魔法やスキル、さらには武器まで使えねぇんだ。あの男は契約者を油断するな、とか言っていたが……。こっちは武器があるんだ。負けるハズがな――がッ!?」
 突然、彼の首に何かが巻き付いた。反射で首に手を持って行こうとする。しかし、
「おっ……ごぉッ!?」
 首が後ろに勢い良く引っ張られ、足が地面から離れる。奇妙なふわりとした浮遊感が襲う。やがて視界が天井を捉える。
 彼が自分の身に起きたことを認識できたのはここまでだった。
 その次の瞬間、ごきん、という何かが折れる音が彼の頭に甲高く響き、彼の意識は沈んで行った。
 彼の意識が戻ることは、もう無かった。