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【大罪転入生】物語の始まり

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【大罪転入生】物語の始まり

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 そんなことが起きている一方で聖獣:麒麟に乗らされたブリュンヒルデはサタ子の前に立っていた。
「……急な事で何がなんだかよく分かっていませんが、これは都合が良いですわ! さぁ、憤怒の化身サタ子! 速やかに私に回収されやがれですわ!!」
「さんざんうちをスルーした挙句、回収されろやと? 自分勝手も甚だしい奴やね! そういう奴うちは嫌いなんよ!」
「うるさいですわ! こっちはあなた達が逃げ出したおかげで色々と大変な目にあっているのですわ! 四の五の言わず、回収されれば良いんですわ!」
 ブリュンヒルデは自分の周囲に魔法陣を展開。その魔法陣から魔法弾をサタ子向けて連射し始めた。
「はっ! その程度の攻撃じゃうちは捉えられんよ!! さぁ、行け! うちに文句言うあいつを倒すんや!」
「おうっ!」
「ふふふっ! 捉えられるかしら?」
 蛮族達に交じって現れたのはブリュンヒルデのファーストキスを美味しく頂いていった風森 望。
「なっ!? なんで望がそっちに!?」
 驚きのあまり攻撃の手を緩めてしまったブリュンヒルデ。
「もらったぁ!」
 そこを蛮族が狙う。
「させぬ!!」
 追いついた藤右衛門が素早く両者の間に入り、稲荷の鉄刀で丸太を斬り倒す。
「まだまだ若いもんには負けんぞ!」
 次々に迫りくる蛮族達を斬り伏せていく。
「そこをどけぇ!!」
「……標準よし。撃つ!」
 藤右衛門が倒し損ねた蛮族が藤右衛門を狙うが、後方にいた剛太郎の援護射撃でしっかりとアシスト。
「助かりましたわ。それよりも! なんで望がそちらに!?」
 二人にしっかりとお礼を言って、前に居る望を問いただすブリュンヒルデ。
「さぁ、なぜでしょう?」
「……あんたもしかして、あいつらの味方なん?」
「いえ、そんなことは一度もありませんでしたよ? むしろ、私の夢と希望を奪った敵です」
 二人に何を言われても存じ上げませんでスルーする望。
「……良いですわ。そこまで言うなら一緒に倒してあげますわ!」
 遠慮ない魔法弾の嵐。
「へんっ! その程度あたらへんよ!」
「ぺロ子たんに私を捉える事は出来ませんよ?」
「ぺロ子じゃねぇです!」
「ちょ! おまっ!?」
「ぎゃぁぁぁ!!」
 二人が縦横無尽に動き、魔法弾をかわすせいで、周囲にいた蛮族達に次々と魔法弾が当たり散っていく。
「このっ……! 当たりやがれ……ですわ!!」
 ブリュンヒルデが攻撃を止めた時には敵にはサタ子と望以外立っていなかった。
「なんと、わしらの出番はこれ以上なさそうじゃな!」
 そう言いながらも、いつの間にか刀からデジカメに持ち替えブリュンヒルデやサタ子の姿を収めていく藤右衛門。
「そう、ですね……。(あれが、ブリュンヒルデの本来の姿! しっかり目に焼き付けなくては……! そして、あっちが激怒娘である憤怒の化身サタ子! 憤怒の化身というからもっといかつい女の子を想像してのだが……とても可愛い! そういえば、サタ子にはチュ〜は必要なのだろうか? 必要ならばぜひ……!!)」
 そして、相変わらず、表は真面目なのに頭の中はピンクな剛太郎。
「へぇ……やるやんか。うちら以外全滅させるなんて」
「……別に狙ったわけじゃありませんわ。勝手になっただけですわ。そもそも! あなた達が人の攻撃を避けるのがいけないんですわ!」
「なんでや! 避けないと当たるやんか!」
「素直に当たればいいのですわ! だからあなた達の味方が全滅したのですわ! そのぐらい分かりなさい!」
「むっか……! さっきからぐちぐちと……! うちを怒らせたら……どうなるか、分からせてやんよー!!」
 ブリュンヒルデの言葉が頭に来たようで、サタ子に魔力が集まり赤いオーラが発生し始める。
「……まだそんな力、隠してやがりましたわね。でも、その程度私が――」
 ポンッ! と、ここで時間切れが来たようでモモンガの姿へと戻るぺロ子。
「ここでですの!?」
「はっ! なんや知らんけど、ここでさよならや!」
 力を溜めはじめるサタ子。
「これで終わ……」
「終わり!」
 バーストダッシュで一気にサタ子に接近した望がサタ子へと浄化の札とバニッシュを叩き込む。
「なっ!? 何をするんよ!?」
 邪を払う力によって、集めた力憤怒の力が消散。
「ふふふっ♪ いただきまぁす♪」
 力の弱まったサタ子の唇を素早く頂く望。
「っ!?!?」
「あ、あぁ……。恐怖ですわ……」
「おぉ! これはシャッターチャンスじゃ!」
「なんと……。(キス!? 女同士のキスか!? 実際に見てみるとすごいな……。いやでも、キスするのなら自分がしたかったです!)」
 傍観者が三者三様の中、中望がサタ子の唇にキスをしてからたっぷり数十秒。
「ご馳走さまでしたぁ♪」
 満足そうに顔を上げる望。
「ぅぅ……力、入らへん……」
「ふふ、普段強気な娘を屈服させ、その端正な顔を苦悶に歪ませる……至高ねぇ♪」
「くっ! な、なんで、力入らへんの……?」
 サタ子が起き上がろうとするが思うように体に力が入らず起きれないようだ。
「ただ、唇を奪うだけでは抵抗されてしまうもの。しっかりと弱体化させてもらったわ」
 キスした時、マレフィキウムを使い、サタ子の魔力を奪い弱体化させていた望。
「さぁ、もっとその素敵なお顔を歪ませて頂戴……?」
「へ、へんたい……!」
「ふふっ♪ 褒め言葉として受け取っておくわ♪」
「い、いやぁぁぁぁーーー!!」
「あぁ……流石に同情しますわ……」
 再び望に美味しく頂かれたサタ子。ぺロ子がモモンガ状態で封印出来ず。キスしようにも全力で逃げ回るぺロ子に妥協し、そのままサタ子を連れていく事になった。