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ミッドナイトシャンバラ6

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ミッドナイトシャンバラ6
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リアクション

    ★    ★    ★

『今日は、お悩みがたくさん届いています。
 続いては、ペンネーム、俺の胃袋は宇宙ださんから』

『こんばんはシャレードさん! 
 僕のパートナーのゆる族なんですが、体が人形サイズのぬいぐるみなのに、非常に良く物を食べるんです!
 胃袋や内蔵がないはずなのに、どう見ても体より多い量の食料を平気で平らげるのです!
 いったい彼女の体はどうなっているのでしょう!?
 気になっておちおちエロ本も読んでられません!』


『エロ本ですか! いったい何を読んでいるのでしょうか。ダメですよ!
 それにしても、お悩みの種はゆる族のパートナーさんですか。
 ゆる族の方には、未だに謎が多いですよねー。
 もうずいぶん研究が進んだと思っていましたが、全然分かりません。
 それにしても、その凄い量の食べ物を食べる時って、どこから食べるんでしょうか。
 ちゃんとお口があるんでしょうかねえ。
 中には、イリュージョンと言って、背中のチャックから物を食べるゆる族さんもいるみたいですけど。
 そうだ、今度、無線式の小型胃カメラをお菓子に混ぜておけばいいんですよ。
 そうすれば、神秘の着ぐるみの中が明らかに……。えっ、なんですか?
 ……。あっ、はい。
 今、調整室からツッコミが入りました。
 そんなことしたら、ゆる族は自爆しちゃうだろって。
 うーん、言われてみればそうですよね。
 なので、良い子は実行しちゃダメですよ』

    ★    ★    ★

「この投稿は……。失礼しちゃうワ。人形だってお腹がすけば御飯食べるワヨ。餓死しろっていうのカシラ、ネー、アキラー?」
 アリス・ドロワーズ(ありす・どろわーず)が、横でニマニマしながらラジオを聞いていたアキラ・セイルーン(あきら・せいるーん)に言いました。
 実は、この投稿はアキラ・セイルーンの物なのですが、バレてはいないようなので、適当に返事をしてごまかします。
「でもさ、どうやって、消化しているんだ。アリスなら分かるだろ?
 好奇心に負けて、アキラ・セイルーンがアリス・ドロワーズに聞いてみました。
「それは、ひ・み・つ、ダヨ」
 そう言って、アリス・ドロワーズがウインクしてごまかしました。

    ★    ★    ★

『それでは、最後のお手紙です。
 ペンネームは、葦原の闇妖精さん

『こんばんはシャレードさん
 今日は私の個性についての悩みを聞いて頂けませんか?
 私は今、とある方と契約し、そのパートナーの方たちと一緒に暮らしているのですが、そこで一緒に暮らしている女性の人たちは皆、それぞれ独立した、確固たるキャラが確立してるんです
 相方で不動のツッコミ役
 料理上手な年上の優しいお姉さん
 愛くるしいマスコットキャラ
 私だけ影が薄いというか、キャラが立ってない感じがするんです
 シャレードさん、何かアドバイスをいただけないでしょうか?』


『うーん、影が薄いんですか。困りましたねえ。
 いっそのこと、その影の薄さを利用して、背後霊として、バートナーの背中にべったりとおぶさるとか。
 それとも、パートナーの右腕として、常に横に立って目立つようにするとか。
 ああ、いっそのこと、恋人になってしまえばいいかもしれません。
 そうすれば、一応は、ヒロインの立ち位置です。嫌でも、目立てますよ。
 もし、影が薄くても、薄幸のヒロイン、薄幸の美少女で押し通しましょう』

    ★    ★    ★

「うんうん、そういう方法もあるのですね」
 ラジオを聞きながら、ヨン・ナイフィード(よん・ないふぃーど)は真面目にメモをとっていました。
「分かりました。うん、バッチリです」
 分かってしまえば、後は実行あるのみです。
 居間に行くと、アキラ・セイルーンとアリス・ドロワーズが、ゆる族はトイレに行くのかという、なんとも酷い議論を交わしていました。
 そこへやってきたヨン・ナイフィードが、べったりとアキラ・セイルーンにおんぶします。
「こ、こら、ヨン、いったいなんだよ!?」
 突然のことに、さすがに、アキラ・セイルーンが焦ります。
「背後霊ー」
 ちょっと楽しそうに、ヨン・ナイフィードが言いました。
「ナラカ人じゃないんだから、よ、よせ」
 チッパイを押しつけられて、アキラ・セイルーンが顔を赤らめました。そこで、ヨン・ナイフィードがアキラ・セイルーンのほっぺにチュッをします。
「ごうらあ、H本に飽き足らず、いつの間に身内に手を出しましたノ!!」
 躊躇することなく、アリス・ドロワーズが小さな身体で、アキラ・セイルーンにドロップキックを見舞います。頬にまともにキックを食らったアキラ・セイルーンが、ヨン・ナイフィードの手を離れて、もんどりうって床の上を転がっていきました。そのまま、壁に激突してひっくり返ります。
「なんで、俺がこんなトラブルに……」
 目を回しながら、アキラ・セイルーンがつぶやきました。
「あっ、もしかして、私、トラブルメーカーというアイデンティティーが……」
 天然の小悪魔的な何かに目覚めかけたヨン・ナイフィードでした。

    ★    ★    ★

『それでは、本日の放送も、終わりに近づいて参りました。
 皆様のお名前をできる限り呼んで、お別れしたいと思います。
 ベアトリーチェ・アイブリンガー(べあとりーちぇ・あいぶりんがー)さん、フリーレ・ヴァイスリート(ふりーれ・ばいすりーと)さん、ソラ・ウィンディリア(そら・うぃんでぃりあ)さん、ノア・サフィルス(のあ・さふぃるす)さん……。
 今日一日が、皆様にとって素敵な日でありますように。
 それでは、また来週……』