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女王危篤──シャンバラの決断

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女王危篤──シャンバラの決断
女王危篤──シャンバラの決断 女王危篤──シャンバラの決断 女王危篤──シャンバラの決断

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ざんすか

 ザンスカールの森の精 ざんすか(ざんすかーるのもりのせい・ざんすか)を、カレン・クレスティア(かれん・くれすてぃあ)ジュレール・リーヴェンディ(じゅれーる・りーべんでぃ)が訪ねた。
「また吹っ飛ばされにきたざんすか?」
 ジュレールは(そうなりそうだ)と思うか、カレンは
「今日はロイヤルガードとして、キミから女王様へのメッセージをもらいに来たんだ!」
 そして、メッセージを使節団が集めている旨を説明した。
「ミーに目をつけるとは、お目が高いざんす!」
「そうそう。この土地の主は校長や大ババ様ではなく、キミなんだから!」
 そんな訳で、ノリノリでざんすかのメッセージビデオ撮影が始まった。
「さあ、ミーの勇姿をしっかりとフィルムに収めるざんすー!」
「デジタルビデオカメラだから、収める先はチップなんだけどね」
「細かい事を、ごちゃごちゃうるさいざんす! 単なる言葉のアヤざんすー!」
 カレンはぶっ飛ばされた。

 撮影の部隊は、ザンスカールの森の中だ。
 カレンの提案で、広大な自然の中を縦横無尽に走り回って、ざんすかの派手で元気な所をアピールするのだ。
 ジュレールが手を叩いてカチンコの代わりをして、撮影開始。
 ざんすかが、ひゅんひゅんと木々の間を走り回る。
「女王様ー! ざんすざんすざんすかざんすのざんすかざんすー!」」
 その様子をながめ、ジュレールが言う。
「そういえば、ざんすかは五千年前は怪しげな爺さんであったとか。今のロリロリな姿では、自己紹介せねば誰か分からんのだな」
「ジュレ! 誰が、怪しげなジジイざんす?! 五千年前のミーは、マッチョでナイスなロマンスグレーざんすー!!」
 ジュレールはざんすかにぶっ飛ばされた。
「いい絵が撮れてるよー」
 カレンはカメラを回しながら、ざんすかをオダてる。
 ざんすかはカメラに向かって、びしっ! と指をつきつけた。
「女王様! 今のミーのように、グダグダ言ってくる奴らなんか、ぶっ飛ばすざんす!
 そして、ドロ水すすってでも生き残るざんすー!」
 と、いう風に、メッセージ撮影は順調に(?)進められた。

 ざんすかのメッセージを収めたメディアチップを、カレンは使節団に託す。
(これで少しでも、女王様の心が安らぎますように)
 カレンたちは、ロイヤルガードへの「砕音を見張れ」という任務に疑問を抱いていた。ジュレールが言う。
「砕音氏も今に至る経緯は複雑なれど、シャンバラの行く末を想う一人だと聞いている。ロイヤルガードの使命が女王を護る事なれば、今回は、ざんすかの破天荒な元気付けが女王の力にならん事を願おう」