リアクション
■□■5■□■ ロイヤルガードの責任
三笠 のぞみ(みかさ・のぞみ)は、
幼なじみの沢渡 真言(さわたり・まこと)の様子が最近、おかしいのを気にかけていた。
(真言もこの合コンに参加してるみたいだけど。
どうしたんだろう?)
普段の真言が、理由なく、こういったイベントに参加するとは思えない。
だから、会場で知り合いに真言のことを聞いたときは、とても驚いた。
のぞみは、真言がロイヤルガードに就任したことはまだ知らなかったのだった。
(どうして、教えてくれなかったんだろう)
(これからは、ご主人様じゃなくて、女王に仕えるのかな)
(忙しくて会えなくなっちゃうかな)
(でも、そんな風に思うのはよくないのに)
「あ、アーデルハイト様」
「どうしたのじゃ、元気がないのう」
エリザベートやリア充達に歯ぎしりしていたアーデルハイトだが、
教え子の様子を見て真面目な表情になる。
「アーデルハイト様。
ロイヤルガードって、なんなんだろう。
政治とか戦争の道具にされてないかなぁ。
彼ら・彼女らを守るものはあるのかな」
アーデルハイトは、しばらく沈黙した後、のぞみに、諭すような口調で言った。
「契約者である以上、
地球やシャンバラの人達のために働く責任がある。
地球の各国が学校に支援をしてくれていること……たとえばイルミンスールならヨーロッパじゃが……
それは知っておるな?
それに、シャンバラの人々の多大な協力も、また得ているのじゃ」
「契約者の、責任……」
「そうじゃ。
それに、権力者たちの都合に振り回されずに、
シャンバラの学生であるお前達が、
自分達で未来を切り開くためにも、ロイヤルガードの制度は存在するんじゃよ」
「自分達で、未来を」
のぞみは、静かに考え込んだ。