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ハロウィン・コスチューム・パニック!

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ハロウィン・コスチューム・パニック!
ハロウィン・コスチューム・パニック! ハロウィン・コスチューム・パニック!

リアクション



フェイ・カーライズ(ふぇい・かーらいど)は、
魔女のコスプレをして、
シェリエ・ディオニウス(しぇりえ・でぃおにうす)は、猫っぽい格好に着替えた。
「おお、かわいいな、シェリエ」
予想以上の姿に、フェイは笑顔を浮かべる。
「そう? ありがとう。
あなたも似合っているわよ」
シェリエが、フェイの魔女の衣装も褒めてくれる。
「うん、やっぱり仮装してよかった……あれ!?」

しゅぽん、という音とともに、煙に包まれて、
シェリエは、青灰色の毛並みの猫に変身した。
「な、これは新手の猫アレルギー!?
い、いや、気がつけば、会場中で同じことが起こってるぞ!?」
「にゃおん?」
「すごく毛がつやつやで……シェリエの髪の毛みたいだ……。
じゃなくて!
ここは、とりあえず安全な場所に避難しなければ!」
フェイは、シェリエを抱き上げると、
会場の隅に走って行った。

「にゃあん。ごろごろごろ……」
「な、なんだ、これは?
す、すっごく懐いてくるぞ!?」
フェイは、猫化したシェリエがすりすりしてくるのを見て、うろたえていた。
「か、かわいい……!」
かわいすぎて、うろたえざるを得なかったのである。

「よーしよし、気持ちいいか?」
「ごろごろごろごろ……」
シェリエは、目を細めて、フェイに喉をなでられている。
「ごろごろにゃっ」
「ひゃうっ?」
お返しという感じで、シェリエがフェイの手をなめてくれた。
フェイは、真っ赤になり、シェリエを見つめた。
「にゃう?」
「か、かわいい……!」
フェイは、自分の理性と戦っていた。
世界中に、シェリエのかわいらしさを叫びたい。
絶叫したい。
しかし、一方で、シェリエのかわいらしさを独占したい気持ちもある。
「私は後者を選ぶ!」
フェイはそう言うと、携帯を取り出して、
シェリエの写真を撮った。

「よしよし、我ながらベストショットだ……。
これぐらいは許されるはずだ! バレなければ!」
そう言いつつ、フェイは写真を永久保存する決意をする。

そんなふうに、猫シェリエを愛でるフェイであったが。

ふと、自分の胸の中でごろごろ言っているシェリエに、語りかける。
「なあ、シェリエ」
フェイは、抱きしめたシェリエの顔が見れなかった。
猫の状態であっても。
だから、抱っこしたままで言った。

「シェリエ、好きだよ。友達とかじゃない本当の意味で」

フェイは、ずっと告げられないでいた言葉を告げた。
今なら、今でなければ、言えないと思ったから。

シェリエは、あいかわらず、フェイに甘えて、ごろごろと喉を鳴らしている。
フェイは、ふ、と笑った。

「……言って気づいたけど、これって記憶に残らないよな。
だってあの妙な煙のせいなんだから」
それでも、もしも、シェリエが覚えていたら。
今度こそ、この思いを伝えよう。
そう、フェイは決意したのだった。