リアクション
39.告げられる想い
葦原明倫館の校長室にて、
紫月 唯斗(しづき・ゆいと)は、
総奉行のハイナ・ウィルソン(はいな・うぃるそん)の公務を手伝っていた。
仕事が終わった後、唯斗はハイナに話しかける。
「お疲れさん、この後少し良いか?
ちと話があってな」
「なんでありんすか?」
ハイナに、唯斗は、小綺麗にラッピングされた包みを取り出した。
「バレンタインってのはアメリカじゃ男から渡すモンなんだろ?
だから、受け取っといてくれ。
ああ、意味もストレートに受け取ってくれ」
手作りチョコを差し出され、ハイナは、目を丸くしていたが。
「……これは、ありがたく頂戴するでありんす」
「武士道ってわけじゃねえが、改めて言っておくか」
唯斗は、まっすぐな言葉を伝えた。
「俺はハイナが好きだ。
勿論俺達明倫館の頭としても、友人としてもだが、
それ以上に男と女として好きだ。
つか、もうぶっちゃけるとハイナが欲しい」
唯斗はハイナの目をまっすぐ見据える。
「こっちはもう一生面倒見切る覚悟はできてる。
だから、俺と一緒に生きてくれ
俺の日常にいて欲しいんだ」
唯斗はすでに既婚者であるが、
そのことは踏まえたうえであえての告白である。
戦国武将のように、全員まとめて面倒を見るつもりである。
それに対し、ハイナは、普段は見せない表情を浮かべ……。