リアクション
【神崎 優(かんざき・ゆう)の一日】
優は早朝に起きると、すぐに刀を手に取った。まさか我々の振る舞いに気に食わないところが。
ではなく、刀の手入れをするのが日課だという。
手入れが終わると、神薙流という剣術の稽古をする。その表情は、まさに剣士だ。
その間に妻である神崎 零(かんざき・れい)は朝食の準備をする。
美味しそうな朝食がテーブルに並べられていく。
―お子さんはいますか?
「ええ、いるわよ。そろそろ朝食の匂いで起きてくる頃かしら」
零がそういった数秒後、我々は驚くべきものを目にした。
ふわふわと浮きながら、こちらへ向かってきているのだ。
「おはよう紫苑」
「うんっ!」
どうやらこの子が神崎 紫苑(かんざき・しおん)、お二人の娘さんのようである。
「おはよう、二人とも」
そこへ優も現れた一家が勢ぞろい、後は声を合わせていただきますをするだけだ。
「きゃはは!」
「紫苑、あまり遠くに行くなよ。こっちにおいで」
優の声に、紫苑はすぐさま彼の胸は飛び込んだ。
「……じゃ私も」
「……ああ」
見ていた零が優の肩へともたれかかる。
……なんということでしょう。元からあった和やかムードが、更にまして幸せムードn
危ない危ない、番組が変わってしまうところであった。
―幸せそうですね。分けてもらいたいくらいです。
「そうか? だが、すまない。これは僕たちだけの幸せなんだ」
「ごめんなさいね。でも料理くらいならお出しできるわ、お夕飯をご一緒にいかがかしら?」
「みんなで、楽しい!」
暖かな家族の言葉が、スタッフBの残業続きの心を癒していく。
夜になると、優は紫苑をあやかしながら、零は夕飯の準備をしている。
―おいしそう……。
「ふふっ、よだれでてるわよ」
程なくして夕飯が出来、神埼親子とスタッフBが食卓を囲み、夕飯を食べ始める。
家族の優しさに触れたスタッフBは幸せそうな顔でごはんをおかわりしていた。
御飯も終われば後は寝るだけ。
紫苑を寝かしつけながら、零と優も一緒に床に就いた。
これが神崎 優の一日――