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リアクション
【キャンディス・ブルーバーグ(きゃんでぃす・ぶるーばーぐ) の一日】
……何故マスコットが、と侮ることなかれ。
このキャンディス、ただものではない。とりあえず外見が。
「起床ネ」
どこかの仮眠室で目を覚ましたキャンディス。
その起き抜け一番で空京の近くにある駅前に向かい、「2024年夏季ろくりんピック」と書かれたビラを配り、宣伝をこなしていた。
前売り券も販売されていたが、誰も買うことはない。
昼頃、事前にアポをとった著名人へ接触。
その人物はアクリト・シーカー(あくりと・しーかー)である。
空京大学前学長、そして現教授へ接触が出来る。やはりできるマスコット――!
ではなくただ単に歩いていたアクリトをキャンディスが捕まえただけだ。
「っと言うわけデ、ろくりんピックをよろしくネ」
「ふむ、ろくりんピックか。懐かしいな……。やや複雑な想いではあるがね」
「まあまあそう言わずネ。ツーショット、いただきヨ!」
カメラの前でキャンディスとアクリトが並んで目線をカメラに合わせる。
……マスコットと仏頂面で寄り添う三十路の男の姿は、ある意味夢の共演かもしれない。
仮眠室へ戻ったキャンディスはすぐさまニュースを見やる。
明日、著名人に空京へ訪れないか、それを見るためだという。
―どうしてそんなことを?
「勿論、ろくりんピックの相談をするためヨ? 他に何があるノン?」
……会えるかどうかもわからぬのに、すごい自信だ。
この自信をパートナーにも分けてあげるとよい。
―では最後にひと
我々がそう言いかけた時、キャンディスがカメラをがっちりと捕まえてドアップになる。
「ろくりんピックを、ヨロシクネ!」
そう締めくくった。
これがキャンディス・ブルーバーグの一日――
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