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リアクション
地球の戦い 2
「被害を最小限に食い止めるには、ここを守るのが一番いいでしょう」
他の仲間のフォローをするため、後方支援に徹していた立川 睦(たちかわ・ちか)。
国民を守るために立ち上がった彼女。
「事に臨んでは危険を顧みず…宣誓したこと。忘れるはずがないわ」
己が傷つくことも厭わない。それが国民を守るためならば。
そこへ遊撃役を務める爽麻たちが走りこむ。
前線で力と刀を振るい、陸に近づこうとする敵を押し退ける。
更に陸が後方から狙い済ました一撃を次々と入れていく。
けれども敵の全てを打ち倒せるわけではなく、その攻撃網をくぐり小型の怪物が陸へ迫る。
陸は覚悟する。敵の一撃が自分の体に刻み込まれるその瞬間に走る痛みを。
だが覚悟していた心が揺れる。
「……睦さん、私のこと、忘れてませんか?」
そんな声を聞いて。
「君……なんで」
陸の前で防御態勢を取り、陸への攻撃を防いだのは樹神 よもぎ(こだま・よもぎ)。
「この土地に。生きるものがいる。ならば、守りましょう、共に!」
「……そうだなぁ。じゃあ、助けて貰おうかしら。後で一杯、奢るからさ!」
救援に駆けつけたよもぎの姿を見て陸の心はまだ動揺しているが、
それ以上に力強く動くようになっていた。
よもぎを身に纏えば、その動揺もなくなった。
「戦うのなんて、私たちだけでいいんだよねぇ。
だから今日もそうさせてもらうよぉ!」
その銃口が狙いをつけた遠くの敵も刹那の間に散っていく。
陸の照準に少しのブレもなくなっていたからだ。
「後ろから援護、感謝するぜ!」
「ありがたいわ!」
陸の研ぎ澄まされた射撃に感謝するのは横田 仁志(よこた・ひとし)、シェーナ・ベンフォード(しぇーな・べんふぉーど)。
勿論、感謝するだけではなく、果敢に相手の懐へ飛び込んで寄ってくる敵をぶった斬る仁志。
時には剣すら使わず、素手で殴りつける。
「この状況、不良だった頃を思い出すぜ……だが、今の俺は『一人』じゃねぇ!
行くぜ、シェーナ! 俺たちの力をあの化け物どもに見せつけてやるんだ!」
「うん! 私たちみんなで頑張ろう!」
背中同士を貼り付けてお互いに死角を作らないように立ち回ろうとする。
そこへ陸の後方支援、共に前線で戦う爽麻たち。
仲間たちが仁志を支えるようにして戦場を駆け巡る。
「“私でも生きる希望を持つことができたの! だから…お願い! 私たちを信じて!”」
「“こんな俺にだって最高の仲間が出来たんだ! 何もかも出来ねぇと決めつけてんじゃねぇ!!”」
熱く咆哮し、接近してきた敵を同時に倒す。
(……)
シェーナは心の中で何かを願う。
だが、仁志は暴れることに徹しており、その様子に気付いたそぶりはなかった。
今はそれでいい、と思っていたのだ。