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リアクション
最後の最後まで審査をしていない審査員がいた気がするが気のせいだろう。
「ラストもがっちりハートをキャッチー! 素晴らしかったです! では、これにて全組のアピールが終わりました!
さて優勝者は、だれだ! 優勝者発表はネフュラ様に行ってもらいます」
紹介されたネフュラがいつもの笑みを携えつつ会場に姿を現す。
「皆様、素晴らしいパフォーマンスでしたわ。それでは、発表します。優勝者は」
ドラムロールが流れ、デン、という音の数秒後にネフュラの口から出た名前とは。
「騎沙良 詩穂さんです」
「え、うそ? ほんと? ……やったー!」
「な、なぜあたしじゃないのさ!」
自分の名前が挙がらなかったことに不服を申し立てるホーティ。
だが華麗にスルーされ詩穂が再び舞台へ上がる。
「それではこちら賞品の人魚です」
「賞品って……ところで貴女の名前は?」
「わ、わたしはピィチーって言います。そ、それであの、私からもお祝いとして、歌を差し上げたいんです、けど……」
「わあ、素敵! 聞かせて聞かせて!」
「そ、それじゃ……」
「ん、何か聞こえてくるね。これは、歌?」
美女コンテスト会場に向っていたフリューネたちの耳に聞こえてくる美しい歌。
♪―――聖なる石の導きにて 偉大なる救世主たちを運ぶ 伝説の方舟―――♪
「伝説の、方舟?」
声のするほうへ向って更にスピードをあげるフリューネたち。
「うわー上手だね!」
「えへへ、この歌なんですけど、私たち天上人たちに伝わる伝説の方舟の歌なんです」
「伝説の方舟?」
「はい。他にも伝説の方舟の大切な力が、いくつかの浮遊島に眠っている、とも……」
「素晴らしい歌でしたわ。それでは私からも皆様にプレゼントを差し上げますわ」
不気味に笑うネフュラ。明らかに何かを企んでいる顔だ。
「皆様にはこの機晶石を差し上げます。もっとも、実験台にいたしますけどね!」
豹変したネフュラの声と共に現れた住人たち。
会場を囲むようにして契約者たちを包囲する。
「あ、あんた! 一体どういうつもりさ!」
「いえ、ただの実験ですわ。この機晶石をあなたたち地上人に植え付けたらどうなるか、そんな単純な実験。
あの大男もそれなりになりましたしね」
「大男、ってバルクのことかい!」
「さあ?」
「……あんたァ、ルニはどうした! ルニにまで手を出してたらぶっとばすよ!」
怒りをあらわにするホーティ。対し、少しも動揺しないネフュラ。
「フフフ、あの小さなお嬢様なら、今頃は大男にやられてしまっているかもね?」
「……あんたはぶっとばす!」
「こんなに囲まれて、地上人のあなたに何ができて? 大人しく機晶石を受け入れればいいのです!」
「いや、大人しく受け入れるのはあんたたちのほうよ」
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