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【アナザー北米戦役】 基地防衛戦

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【アナザー北米戦役】 基地防衛戦

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外部防衛フェイズ
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 龍雷連隊の本部が戦場に存在するという話を聞いて迷い込んだのは草薙 真矢(くさなぎ・まや)だ。
 迷い込んだというよりは、連隊からはぐれて孤立し、帰ろうとしているうちにここに迷い込んだという感じだった。
 そして真矢は大きなかばんを持ちながら戦場をウロウロする。時折、ダエーヴァの怪物と出くわすが、適度に交戦及び逃走し、さらに戦場をウロウロする。そして、穴が開いてるかばんからマシンガンや非常食などをポロポロと落としながら戦場さ迷う。そして真矢は一人補給部隊となったのであった。
 とはいえ、それを味方が拾って有効活用できたのかは神のみぞ知るというところだった。
 
 戦場で猛勇を見せ付けてるのは、アルコリア=シーマだった。アルコリアはギガースの中でもひときわ目立つヌァザと激しい戦いを繰り広げていた。
 【アナイアレーション】を食らわせ、【オーガリッパー】で両手を強化し、ヌァザに張りつき、切り裂き、槍を放つ。
 その猛攻にヌァザと呼称されるギガースは怯えを見せる。
「私が化け物に見えるか、巨人族よ。私が特別に見えるか、巨人族よ」
 その言葉にヌァザは答えない。
「……ただの人で、ただの契約者なんですよ。全ての契約者が辿り着ける可能性のある姿なんですよ」
 そう。このアルコリアの戦闘力は、すべて契約者としての枠内に収まっている。ただし、知恵と工夫で、あるいは努力で己を強化し、そしてたどり着いたのがこの高みなのである。
 これは、すべての契約者がなれる可能性のある、そして手に入れることができる可能性のある強さ。
 そこに至るまでにアルコリアがどれほどの対価を払ったのかは本人にしかわからない。だがそこに実際にたどり着いた。その証拠として彼女がそこにいた。
「故に私がイコンと戦ったのは、無理だ、自分には出来ない……という諦めを殺したかったというもの理由の一つにあるんですよ」
(それが全てというつもりはありませんが……)
 そんなこと考えながらアルコリア=シーマはヌァザに向き直る。
(だから、今一度言わせてもらいましょう)
「人間を舐めるな! 人間の可能性を舐めるな!!」
 咆哮。それとともに4本の槍が発射される。それらはヌァザの四肢を穿ち、ヌァザに悲痛な悲鳴を上げさせる。
「さあギガースよ。神話よりその名を受け継ぎし者たちよ。お前たちがその名を名乗るなら、我らは神代を終わらせし終末をもたらす歌を唱えよう。きたれラグナロクよ!!」
 ナコト=ラズンが世界の終わりに戦ったといわれる神々の技を再現する大いなる術を放つ。あらゆる属性を持つ攻撃がヌァザを襲い、古代ケルトにおいては神々のを王も務めたことのある【銀の腕を持つ者】の命を確実に削っていく。
 そして、アルコリアが放った最後の一撃が、ヌァザを絶命させる。
 激しい戦いを繰り広げたアルコリアとそのパートナーたちはそろそろ精神力の限界に達し、ユニオンリングによる合体を解除すると、基地に戻って休憩を取ったのであった。
 
 シャウラ・エピゼシー(しゃうら・えぴぜしー)ナオキ・シュケディ(なおき・しゅけでぃ)の乗るユングフラウは、大統領守るように戦っていた。
 シャウラはイコンの中に結婚したばかりの妻の写真を持ち込んでいたが、死亡フラグを立てるつもりはなかった。むしろその死亡フラグをへし折るつもりでパートナーのナオキに買ったばかりの戸建てローンの支払いの話をする。
 急に所帯染みたと文句を言うナオキをよそに、かつてニューヨーク市警の刑事だったシャウラは大統領とイリノイ基地の軸線上にイコンを立たせ、砲撃から大統領守るようにポジショニングをしていた。
「やっぱ作戦前には大統領の演説とか激とか欲しいっすよ」
 そんなシャウラの提案を受けて大統領は出撃前に演説を打った。それによって大いに士気があった米兵たちを引き連れて大統領は専用機で戦場に出たのである。
 そんな大統領守るように、そして露払いをするように戦うのがトマス・ファーニナル(とます・ふぁーになる)とそのパートナーのパワードスーツ部隊シュバルツカッツである。
 魯粛 子敬(ろしゅく・しけい)の輸送機からのバックアップを受けながら、テノーリオ・メイベア(てのーりお・めいべあ)ミカエラ・ウォーレンシュタット(みかえら・うぉーれんしゅたっと)はトマスとともにダエーヴァとの戦いを繰り広げる。
 トマスたちは最高指揮官であり責任者でもある大統領が最前線にたつことをよしとしなかったが、兵士たちの指揮を向上させることができるならばということで、万が一にも大統領が倒れないように必死に大統領支えていた。
 大統領に群がる敵はトマスが倒し、大統領の前に立ったダエーヴァはテノーリオやミカエラが弱らせ、止めを大統領に刺させることによって大統領が戦果を挙げたという演出を行う。
 それによって米兵の士気が向上するとミカエラは大統領クールダウンさせるために言葉をかけた。
「これ以上の進撃は戦線が伸びきって閣下の御身が危険になります。閣下はご自身の価値をよく御存じですね?」
 そう言って微笑んだミカエラの笑顔は、大統領の妻が笑いながら怒っている時の顔に似てると、後に大統領は周囲に漏らした。
 それはともかく、ミカエラに諌められて大統領は戦線を縮小させつつ、自身は後退する。そんなトマス達の苦労もあって、米軍は柔軟にダエーヴァに対応することができた。
 また、堀河 一寿(ほりかわ・かずひさ)サージェント・ペパーは、サブパイロットにランダム・ビアンコ(らんだむ・びあんこ)を乗せ、もう一人のパートナーのヴォルフラム・エッシェンバッハ(う゛ぉるふらむ・えっしぇんばっは)を魯粛の輸送機に操縦士として乗せ、さらにもう1人のパートナーのダニー・ベイリー(だにー・べいりー)を輸送機の武装操作を担当させるために輸送機に搭乗させていた。
 そして自身は、トマスと魯粛のやりとりをもとに、大統領や米軍のパワードスーツ隊だけでは手に余るダエーヴァを攻撃し、魯粛の輸送機や大統領たち守という。盾としての役割を果たしているのであった。
 そして、斎賀 昌毅(さいが・まさき)フラフナグズマイア・コロチナ(まいあ・ころちな)をサポートや米空軍との連絡役として、空軍の戦闘機とともに防空網を維持するために戦っていた。
 昌毅はことのほか、破壊された味方の戦闘機や戦車にダエーヴァが取りつき、コープスとして再生させることにより、それらがほぼ無制限に発生する状況を一番懸念していた。
「いいか! 誰も死ぬんじゃねえぞ!! ……無限湧きが面倒なだけだから!」
 とツンデレっぽいセリフを通信網にのせていた。
 それを聞いたマイアは、男のツンデレなんて受けないよと思いつつも昌毅のサポートを行うのであった。
  
 ローザマリアたちを乗せたヘリはモッティ戦術を実現するべく、夕闇の中、静かに戦場を迂回していた。
 そんな中でローザマリアのパートナーである上杉 菊(うえすぎ・きく)はヘリの中で対イコン用爆弾弓を準備しながらその時に備えていた。
 三代目の大統領と現代の副大統領が乗っている旗艦マサチューセッツとの連絡を密にとりながら静かに、静かに迂回しながら進んでいく。
 
(大統領も戦う、コレすごい。けど、キング取られたら詰みだから、キングが存分に戦える程度に敵を減らすヨ)
 そんなふうに考えながらイコンを操るのはロレンツォ・バルトーリ(ろれんつぉ・ばるとーり)で、ロレンツォは若干言葉遣いのあやしいロレンツォの代わりに周囲の味方との連絡を、パートナーであるアリアンナ・コッソット(ありあんな・こっそっと)に任せながら戦っていた。
 そんなロレンツォのイコンはソプラノ・リリコという名前で、富士山と桜吹雪の特殊漆塗り仕上げの装甲という何ともハイナと趣味が合いそうな姿をしていた。
 ロレンツォは、砲弾が飛んで来ていた時には超電磁ネットその砲弾に投げつけ、少しでも砲弾の勢いを殺そうとしていた。そして砲弾が飛んでこなくなった今、そのネットは火車に対して用いられていた。
 その戦法は単純だが実に効果的で、イコン用のネットをかけられた火車は見事なまでに動きを封じられ、米兵の集中砲火を受けて撃破される。
「仲間が、向こうさんの攻撃の大本を何とかしてくれるのを待たないと仕方ないね。けどその少ない待ち時間程度は、防ぎきってみせるヨ!」
 そんなことを考えていたロレンツォは味方の報告によって、巨大砲を撃破し、対空火器のコントロールを奪ったという朗報を聞いた時、可能ならばイコンのコクピットの中で小躍りしていたに違いないというほど喜びをあらわにしていた。
 対してアリアンナは実に冷静に周囲の状況を把握しながら、ロレンツォのサポートを行っている。周囲を観察し、敵の群れをまとめるリーダーを見つけ出す。そしてロレンツォに伝え、まずリーダーを撃破させる。そしてリーダーを失って烏合の衆になったダエーヴァのブレード刈り取るように潰していったのであった。