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蒼空学園遠泳大会!

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蒼空学園遠泳大会!

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 葉月 ショウ(はづき・しょう)はのんびりマイペースで泳いでいた。時折顔を上げては景色も楽しんでいる。一方で、飛空挺で待機する葉月 アクア(はづき・あくあ)はお菓子を摘みながら、交代を待っていた。
「そろそろ代わります」
 アクアが言うと、ショウが飛空挺へと上がる。入れ替わりでアクアが海へ入り泳ぎ始めた。
 彼女の泳ぐスピードはやや速めだ。あまり泳ぐのが得意ではないため、ゆっくり泳いでいたら日が暮れそうだと思ったからだ。
「無理はするなよ?」
 速めに泳ぐアクアに、ショウは声をかける。
「大丈夫です」
 アクアは顔を上げたときにそう告げた。
(溺れたふりをしたらショウは助けてくれるかな? 試してみたいけど怒られそう……)
 何度か交代を繰り返し、そろそろ終盤だという頃、泳ぎながらそんなことを考えていると、本当に足が痙攣し始める。
「っ!!」
 動きそうにない足に、アクアはもがく。
「アクッ!!」
 ショウは急いで飛び込んで、アクアを飛行艇へと上げた。残りの距離は少ないため、ショウが1人で泳ぐことは無理ではないだろう。
 アクアを飛空挺に寝かせ、ショウはゴールへと泳ぎ始めた。

「思ったより波は高くないな」
 佐々良 縁(ささら・よすが)は泳ぎながらそう告げた。パートナーの佐々良 皐月(ささら・さつき)はまだ泳いでいないからか、「そう?」と首を傾げる。
 2人とも小柄であるため、縁は波が高いと飲まれやしないかと不安だったのだ。
 スタートから十数分泳いだ後、縁は皐月と交代する。極度の方向音痴な皐月があらぬ方向へ泳いでいってしまわないかと、縁は身体を休めつつもどちらに向かって泳ぐか、事細かに指示した。
 そのため、皐月が方向を見失うことなく、中間地点も抜け、残るは半分となった。

 柊 まなか(ひいらぎ・まなか)は限界ギリギリまで泳ぐ。
 その様子をパートナーのシダ・ステルス(しだ・すてるす)が見ていて、交代する刻が今か今かと待っていた。
 時折、シダは泳ぎ方のアドバイスをまなかにする。
「最後のゴールは私が泳ぐんだからね」
「分かってるぜ」
 交代する度に確認してくるまなかに、シダは頷いた。
 泳ぎに集中したら忘れそうで怖いため、逆に思い出させてくれるようで、シダは安心して泳ぐ。
 中間地点も過ぎ、終盤に差し迫ってくると、シダは飛空挺に上がった。入れ替わりでまなかが泳ぎ始める。
 ゴールはすぐそこだ。

 追いかける理子に逃げ回る遥。その状態のまま、パートナーコースが始まっていた。
 遥の後を追うように理子が泳ぐ。
 その傍をベアトリクスとジークリンデが乗った飛空挺がそれぞれ併走していた。
 更に空飛ぶ箒に乗った御厨 縁(みくりや・えにし)とそのパートナー、サラス・エクス・マシーナ(さらす・えくす ましーな)までもが併走して、遥を応援する。
 途中、交代しなければならないときには、同時にベアトリクスとジークリンデが泳ぐようにし、その間は2人の間の距離を詰めないように泳いだ。
「遥も頑張るのう」
 理子に追いつかれるか否かの距離を泳ぎ続ける遥の姿に縁は感心し、呟く。
 果たしてゴールするまでに理子が遥に追いつくのだろうか。