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魔女のお宅のハロウィン

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魔女のお宅のハロウィン
魔女のお宅のハロウィン 魔女のお宅のハロウィン 魔女のお宅のハロウィン

リアクション

「僕達も踊りましょう、リンネさん」
魔女の仮装の博季・アシュリング(ひろき・あしゅりんぐ)が、
リンネ・アシュリング(りんね・あしゅりんぐ)をダンスに誘う。
「喜んで」
リンネは博季の手を取り踊り始める。

やがて、のどが渇いた2人は休憩することにする。

「あ、そうだ!
博季くん、お菓子くれないと悪戯するぞー!」
そう言ったリンネに、博季はキスで返す。

「え?」
「とっても甘いお菓子でしょう?」
フェイントに顔を赤らめるリンネに、博季は笑みを浮かべる。
「もう、びっくりするよ、博季くんっ」
「ふふ、今日はハロウィンですからね」
「うん、とっても甘かった……」
2人は、さらにキスを重ねた。

「!?」
「びっくりしましたか?」

キスの最後、博季はリンネに口移しで飴を食べさせたのだった。
「もう、今日の博季くんはいたずらっ子だね」
「リンネさんがかわいいからですよ」
2人は寄り添い、お互いのぬくもりを感じる。

「そういえば、のどが渇いていたんでしたっけ。
温かい紅茶をどうぞ、リンネさん」
博季は愛する人に、口移しで紅茶を飲ませる。

「リンネさんが熱い紅茶で火傷するといけませんから」
「いたずらだけどやさしいね、博季くん。
今日はびっくりすることばっかりだよ」

「あ、そうでした。
びっくりさせるといえば。
今さらですけど、
リーンネさんっ、僕からも『トリックオアトリート』ですよ♪」
「えー、もういっぱいいたずらしてるんじゃないの?」
「さあ、どうでしょうか?
甘ーいお菓子くれないと、もっといたずらしちゃいますよ?」
くすくすと笑うリンネに、博季は思いっきり抱きしめるジェスチャーをする。

「うん。じゃあ、今日は、博季くんのいたずら、選んじゃおうかな」
「ふふ、ほんとにいいんですか?」
「そのかわり、私も、博季くんにいたずらしちゃうんだから!」

言うなり、リンネは博季に抱きついて、
誰もいない、庭の方に押し倒す。

「わ、リンネさん、くすぐったいですよ」
「今日のいたずらのお返しだよ。とっても甘いいたずらでしょ?」

そのまま、2人は、抱き合い、愛しあうのであった。



「いいなあ。今日こそ、僕は大人になるんだ……!」
風馬 弾(ふうま・だん)は、仲睦まじい夫婦の様子を見つめつつ、
大人になる薬を飲みほした。
普段より10歳ほど年上になり、20代の姿になる。

幼児化しているアゾート・ワルプルギス(あぞーと・わるぷるぎす)に、
弾は声をかける。

「アゾート!」

呼び捨てにしてみるものの。
「どうしたの?」
「えっと、ちょっと、呼んでみたくなっただけというか!」
わたわたする弾に、アゾートはふふっと大人びた笑みを浮かべる。

「アゾートさ……アゾートは、
小さいころから大人っぽかったんだね」
「そうかな?」
小首をかしげるアゾートを見て、弾の胸が高鳴る。
(か、かわいい!)

「どうしたの?」
「ううん、なんでもないよ!
ね、ねえ、アゾート!」
「なあに、弾?」
「ええっと、呼んでみただけ!」
「ふふ、おもしろいね、弾は」
アゾートは弾の手を握って歩きはじめる。

「行こう。
お菓子をたくさんもらわなきゃ」
「うん!
そうだ、食べたいお菓子はある? アゾート?」
「クマの形をしたグミがたべたいな。
あと、甘いティーソーダ」
「よーし、じゃあ用意するよ。
あ、向こうにあるみたいだよ」
弾はグミベアやティーソーダなどを用意し、
アゾートに手渡す。

「かわいい。いろんな色があるよね。
弾も食べる?」
「あ、ありがとうっ」

アゾートのお世話をしつつ、お返しもされてしまって、弾は思う。
(あれ、これだといつもとあんまり変わらない……あ、そうだ!)

「アゾートも食べてごらん。はい、あーん」
「え、なんだか恥ずかしいよ。赤ちゃんみたい」
幼いアゾートは頬を赤らめる。
発想も子どもらしくなっているようだった。
「いいんだよ。今日は僕に思いっきり甘えていいんだから」
「……うん」
照れているアゾートもとてもかわいいと思いながら、
弾は、アゾートの小さな口に赤いグミベアを運んだ。