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●第5章 あさぱに! 蒼学の巻 (神和 綺人 編)

 昨晩、珍しく単独行動をとっていた神和 綺人(かんなぎ・あやと)は朝起きたら女になっていた。しかも、獣耳付きで。
「アヤの服を買いに行きましょう!」
 パートナーのクリス・ローゼン(くりす・ろーぜん)は言った。
 わくわくと楽しそうだ。
 着物姿のアヤも良いけれど、女の子の洋服姿も見てみたい。もっと肌を露出させたアヤが見たいなんて思って入りことは秘密だ♪
 ミニスカートの姿のアヤを堪能しようと思っているクリスは、買い物に対して積極的な態度も見せている。
「洋服、それも露出の多いものはやめてあげてくれ。…綺人が可哀想になってきた」
 クリスの本気を察したユーリ・ウィルトゥス(ゆーり・うぃるとぅす)は、なんともいえない顔をした。
「…あ、下着の問題もありますね」
「そ、それは…そうだけど」
「では、私のを貸します。大丈夫ですよ? 新品ですから」
 有無を言わさない乙女のパワーに綺人は押され気味だ。
 拒んでも、無理やり着せられてしまうかもしれない。でも、おっとりしているわりには、物事を冷静に見ているようなところもあるので、ダメならダメと言うだろう。でも、それを言うことはなかった。
「アヤはもともと女の子みたいに可愛いので、大丈夫!」
「褒め言葉じゃないよ、それ」
「洋服のことですよ?」
「この胸、本物なんですね。触ってもいいですか? 拒否されても触りますけど」
 神和 瀬織(かんなぎ・せお)は危険なことを言った。
 儚げな雰囲気の少女だけに、将来が怖い気もする。
「…クリスと胸のサイズ、そんな変わらないのですね」
 ぼそりと言った。
「とりあえず、僕は浴衣を着るから」
 しかたなく、綺人は浴衣を出してきて着替えることにする。
 今日は出かける予定だった。
 そして、予定は変更することなくそのまま四人で出かけることにした。