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なし

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うそ~

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うそ~

リアクション

 
    ★    ★    ★
 
「なんで寝てる人がいるんだろ?」
 世界樹の展望台で仲良くおねんねしているリリ・スノーウォーカーとロゼ・『薔薇の封印書』断章とシルフィスティ・ロスヴァイセを横目で見ながら、ノーン・クリスタリア(のーん・くりすたりあ)は展望台の端っこの席にちょこんと座った。
 ちょっとハミングで好きな歌を口ずさんでは、区切りのいいところでケーキセットの紅茶を少し飲む。
 そばにおいたディーバードがノーン・クリスタリアに合わせるようにして歌をさえずり、お友達の小鳥を増やしていった。まさか、その中に鷽が混じっていようとは、ノーン・クリスタリアもまだ気づかない。
「るーんるるー。あっ、もしかして聞こえてた? うふっ、私、ノーン・クリスタリア、氷結の聖霊だよ。お菓子大好き、歌うのも演奏するのも遊ぶのも好き。みんな私とお友達になってね」(V)
 テーブルの上に集まった小鳥たちに、ノーン・クリスタリアが自己紹介した。
 ピヨピヨと、小鳥たちがそれに答える。
 ノーン・クリスタリアは、満足そうにケーキをつついた。
「うそっこっこっこ」
 ノーン・クリスタリアがケーキに集中している隙に、鷽がテーブルの上においてあったバッグをめざとく見つけて、中身を引きずり出して悪戯を始めた。
「ああ、ダメだよ。悪戯しちゃあ」
 気がついたノーン・クリスタリアが、あまり困ったふうも見せずにバッグの中に物を戻していく。
 カチッ。
 相変わらずフリーダムにふるまっていた鷽が、銃型ハンドヘルドコンピュータのスイッチを嘴で叩いた。
 投影ディスプレイが、テーブルの上に画像を広げる。何やら、人の声のような物も聞こえてきた。いったい、何が映っているのだろうか。
「なになに、これ、ビデオ?」
 ちゃんと銃型ハンドヘルドコンピュータを立てて画像を見やすくしたノーン・クリスタリアが、そこに映っている物を見て首をかしげた。
 どうも、そこに映っているのはどこかの部屋のようだが、なぜか画面が定期的なゆれを起こしている。
「どこが映ってるのかなあ、どうせなら、おにーちゃんが映ればいいのになあ」
 ここにはいない影野 陽太(かげの・ようた)のことを思って、ノーン・クリスタリアが言った。お留守番というのは、退屈なものである。
『始まりました「いい旅、黄泉気分」。今日は、ナラカエクスプレスにお邪魔しております。御案内は、わたくし、ト……』
「なんだろうこれ、旅番組?」
 首をかしげながら映像を見つめるノーン・クリスタリアの周りに、ディーバードや鷽たち小鳥が集まってきて一緒に映像をのぞき込んだ。
『現在、ナラカエキスプレスは乗車率120%で、大変混雑しているようです。そのため、食堂車に移動してほっと一息ついている人も多いようです』
 カメラが、長い食堂車の中をゆっくりと移動していった。画面の右側にならんでいるテーブルでは、何人かの男女が楽しげに会話をしながら食事をしている。
「あ、おにいちゃんだ!」
 その中に、楽しげにむかいの席の者と会話をしている影野陽太の姿を見つけて、思わずノーン・クリスタリアが声をあげた。
「これって、本当のテレビじゃないよね。だって、ナラカの映像がここで見られるわけないもん。嘘……なんだよね。でも……、嘘でも、嬉しいなあ。こういう嘘なら大歓迎だよ」
 声は聞こえないが、楽しげな影野陽太の姿を見て、ノーン・クリスタリアが嬉しそうに言った。思わず、歌が口をついて出る。周囲の小鳥たちが、それに合わせて歌いだした。
 一緒になって唄を唄っていた鷽であったが、何か満足したのか、空高く舞いあがった。それに合流するかのように、世界樹のあちこちから、無事だった鷽が飛び出してくる。
 鷽の群れは、一つの集団にまとまると、イルミンスールの森の上を北にむかって飛んでいった。森の中からも、次々に鷽が合流していく。
 鷽が人々に満足したのか、嘘で人々が満足したのかは謎ではあるが、群れとなった鷽は一つに合体すると再び北の地へと帰っていった。
 

担当マスターより

▼担当マスター

篠崎砂美

▼マスターコメント

 
 はい、年に一度の「うそ」です。
 今年もカオスでした。
 ただ、NPC関係は、使用許可とかの問題がありますので、難易度高くなってしまっています。このへんは、リスクを計算に入れてアクションかけてくださいね。極力NPCは出す方なんですが、いろいろとできない場合もありますので。
 他シナリオの参照も、説明がないと時間的に無理です。また、解説を求めるアクションも、極力頑張りますが、本当に知らなかったり調べきれなかったり許可が出ない場合がありますからほどほどにしてくださいねということで。
 ネタ的に書きたくてもバレになるので書けないことは多々ありますので。このあたりはハイリスクということで一つよろしく。もちろん、過度の遠慮は無用ですので。全ボツにならない程度に工夫してくださいませ。
 
 いろいろなことが起きていますが、全部裏で糸を引いているのは鷽なので、信憑性はかなり眉唾です。
 相変わらず、目立った人ほど酷い目に遭っていますが、このシナリオはもともとそういうシナリオなので、頑張って立ちなおってくださいねー。
 
 では、また来年……やるのか!?

 4月7日 キャラ名修正しました。