天御柱学院へ

なし

校長室

蒼空学園へ

目指せ! イコプラマスター!

リアクション公開中!

目指せ! イコプラマスター!

リアクション

   そして終わった

『優勝! HMS・レゾリューション!』
 わあっと大気を劈くような歓声が響き渡る。
 ローザマリアが観客席から飛び降り、にっこりとした。
「おめでとう、ライザ。さすがね」
 それに応えようとしたグロリアーナだが、たちまち、「シズモ」のスタッフや記者、ファンに取り囲まれてしまった。目の端にパートナーの姿を映したまま、グロリアーナは彼らにこう言った。
「掲げよ、そして称えよ、セントジョージ・クロスを! 英国は常に勝利者でなければならぬのだ」

 理知は人込みを掻き分け、翔の元へ駆け寄ろうとした。が、そこにアリサの姿を認め立ち止まる。
「ご苦労だったな」
 翔が小さく、それでも疲れを押し殺すように笑う。
「負けたけどな」
「悔しいだろう?」
「――ああ」
「これが本当の戦闘なら、私たちも死んでいたろうな」
「遊びだなんて思ってない。俺はいつだって勝つつもりでやっている」
「負けるつもりで戦う奴などいない。だが、その意気だ。どうすれば敵に勝てるのか。常に頭に入れながら戦うんだな」
「……」
「何だ?」
「アリサもお疲れ」
「なに、いい経験だったぞ。色んな奴らの戦い方を目にできたからな……」
 理知は踵を返した。この二人の間に入り込むのは、まだ難しい。まだ、もう少し、翔に近づかなければ。
 帰りがけに「シズモ」が在庫一掃セールをしているのを見かけた。その中にイーグリットが置いてあり、理知はすっと手を伸ばした。

「自分で謝りなさいよね」
 セレアナに言われ、セレンは頬を膨らませた。
 壊したのは悪い。確かに申し訳ない。だが、不可抗力である。
「弁償します、って言うのよ」
「どこにそんなお金があるのよ?」
 クェイルも直さなければいけないのに、葛葉 杏、高峯 秋、天貴 彩羽のオプションまで弁償していたら、しばらくカップめんだけの生活になりかねない。
「学食があるでしょ」
「おやつだって必要でしょ!」
「お金はいいよ」
 傍にいた秋が苦笑する。
「ホント!?」
「ありがたいけど、それじゃこのコのためにならないのよ」
「代わりに、俺の“ジャック”と遊んでくれないかなあ?」
「あ、それなら私も!」
 彩羽がはいはいと手を上げる。
「そうね、それなら……」
 セレアナのその返事を聞きつけて、「じゃあ俺も」「僕も」と参加者たちが寄ってきた。
「よーしっ、今度は俺様も参加するぜ!」
 大鋸がてきとーに切っててきとーに装着した、“喪悲漢”を取り出した。ちなみには普通のイコプラより小さいので、“離偉漸屠”とセットの2個入りで売られているのだが、それでもイマイチ人気がないので、シズモでも特売ワゴンに入っている。
「うるせぇ! 誰でも参加できるのがイコプラのいいところだろうが!」
「まったくだ。どうせなら、チーム戦はどうだ?」
 夏侯 淵がにんまりとしながら言った。どうやら既に声をかけてあるらしく、
「いつでもよいぞ」
「準備運動ならすませてあるぜ」
 織田 信長と後藤 山田が腕を組んで立っている。「英霊チーム」らしい。
「さんせー。ねー、いっしょにたたかおうよー」
 彼方 蒼は、ラピス・ラズリと四番型魔装 帝に声をかけた。
「いいぜ、けどオレがリーダーだからな!」
 帝は胸を張って答えたが、ラピスは「子どもなんかと一緒にやれないよ!」と頬を膨らませている。
 仮面を直したレロシャン・カプティアティは、リリーマスク3号として「仮面のイコプラバトラーチーム」を作ろうとしたが、残念ながら流浪のイコン仮面は既に姿を消していた。斎賀 昌毅はカスケード・チェルノボグに、もう一度鎧になってくれと頼んだが、却下された。
 アレーティア・クレイスは、パートナーの柊 真司とアニマ・ヴァイスハイトと組もうとしたが、
「おまえ、俺をあんな目に遭わせておいて、よく言えるな!」
と真司に拒否された。
「あれはおぬしがいかん! あのせいで、イコプラマスターの栄冠を奪われてしまったではないか!」
「俺のせいじゃないだろ!」
 二人のやり取りを見ていたアニマは、「これって夫婦喧嘩ですか?」と尋ね、全力で否定された。
 はたまた天空寺 鬼羅と変熊 仮面は会場のど真ん中で全裸の変態対決を始め、そのまま外へ転がり出て勝負を続けた。後日、その様子がネットで流れた。

 気づけば観客も入り混じり、もう一度大会が開けそうな人数になっていた。皆、興奮が冷めず、余韻に浸っていたいのだろう。
「シズモ」としては新しい顧客を掴むことが出来そうで、まずは成功したと言えるが、問題はこの会場のレンタル料で……。
「ど、どうしましょう? このままでは延滞料を取られます!」
「落ち着け! バイトで雇ったラウンドガールは!? 水着だからみんな彼女について出て行ってくれるだろう!」
「パートナーと一緒にまた試合してます!」
「しまった! いい宣伝になるかと思って、大会に参加させたのが裏目に出たか。なら審判は!? 力技で追い出して……」
「率先して戦ってます!」
「優勝者は!?」
「記者からインタビュー受けてます!」
 ――かくてこの大会、「シズモ」はイコプラの売り上げ記録を樹立すると共に、赤字となり、責任者は泣き笑いの減俸処分となったのだった。

担当マスターより

▼担当マスター

泉 楽

▼マスターコメント

この度は「目指せ! イコプラマスター!」へのご参加、ありがとうございます。泉 楽です。

今回のリアクションは、頂いた攻撃パターンから勝敗を決定。その後、描写を考えて当てております。負けた人は運と組み合わせが悪かったと思ってください。ちなみに組み合わせはランダムです。
また、ポイント同点の場合、応援があれば勝ちとしましたが、応援の数も同じだった場合は引き分けです。
人数の都合上、一回戦負けの人を敗者復活で三回戦へ。更に翔を不戦勝扱いとして決勝戦へ進ませました。もし違う人と戦っていたら異なる結果となったのでしょうが、これも組み合わせと運だと思います。決勝に関しては他のPCだと文字通りえこひいきになるので、NPCにしました。ご了承ください。
また、「一回戦で壊れたんじゃないの?」というツッコミもありましょうが、そこは「何とか修理した」ということでよろしくお願いします。
一回戦の試合数の後ろに書いてあるのは、イコンのデータです。リンクの都合上そうなっておりますが、イコプラに別の名前がある場合は、本文もしくは二回戦以降で直してあります。もし漏れていた場合は、お知らせください。
攻撃方法や武器についてアクションに指定がある場合、そちらを優先しました。ない場合は、イコンデータを参考にしましたが、上記の通り、勝敗には影響していません。

純粋なバトルは二回目です。今回はイコプラということもあり、手を増やし(前回は三つでした)、アナウンサーもつけてみました。……死にました。前回より人数が少ないのに!
でもバトルは楽しいです。またやりたいと思います。もっとも、すぐではありませんが。
それでは皆様、次回のシナリオガイドでお会いしましょう。

8/17 一部イコプラとキャラクターの名前を取り違えていたので、訂正しました。大変、申し訳ありませんでした。