天御柱学院へ

なし

校長室

蒼空学園へ

少年探偵 CASE OF ISHIN KAWAI 2/3

リアクション公開中!

少年探偵 CASE OF ISHIN KAWAI 2/3

リアクション


ヴァーナー・ヴォネガット(う゛ぁーなー・う゛ぉねがっと) ファタ・オルガナ(ふぁた・おるがな)

ばくはつがあって、はくいの人がたくさんでてきて、きづいたら、歩不おにいちゃんがまたきえてたです。
ボクは、維新ちゃんをたすけてあげるですよ。
「だいじょうぶですか。けがをしてたら、なおしてあげるです。ボクがついてるですよ。あんしんしてくださいです」
「ヴァーナーちゃんのセリフって、キミのキャラにあっててたしかに勇気づけられるんだけど、どこぞの宗教の勧誘に似てる感じがするのは、気のせいかな」
「むむむむむ。そんなことをいうのは、維新ちゃんの心がげんきじゃないからです。
歩不おにいちゃんとは、きっとすぐにあえるです。
ボクはかんゆうしてないですよ。
心からみんなにしあわせになって欲しいとおもってるです」
「つまり、天然でそっち系の人なんだね」
恋人の歩不おにいちゃんをコリィベルまでさがしにきた維新ちゃんは、おそわれたり、あやしい人たちにかこまれたりして、どうようしているみたいです。
ボクは維新ちゃんをおうえんして、維新ちゃんと歩不おにいちゃんにしあわせにするですよ。
「ところで質問なんだけど、重度の虚言癖があって、大きな声じゃいえないけど犯罪者で、近親相姦、しかも最近は同性愛のケまででてきたアンダー10の少女のぼくにも、夢や希望や未来はあるのかな」
「あるです。いっぱいあるです。あきらめちゃだめです」
「あっさり断言されると、困った気分になるのは、なぜだ」
「ボクも維新ちゃんにききたいことがあるですよ。
いまさっき歩不おにいちゃんとどんなおはなしをしていたですか」
「お話というか、あれは、その」
どんなときでもすぐに返事をかえしてくる維新ちゃんが、めずらしく口ごもってるです。
これはきっと恋人どうしのひみつなんですね。だったら、ボクはムリにきいたりはしないですよ。
応援する気持ちをうたにしてはげましてあげるです。
「かわいい〜かわいい〜維新ちゃん〜、あなたの恋人ダレですか〜
右〜を向いたらファタおねえちゃん、左〜を向いたらボクがいるですよ〜。
もう一人の恋人、歩不おにいちゃん〜すぐに見つけて〜みんなでハグハグちゅちゅちゅ〜♪」
ボクがさくしさっきょくした維新ちゃんのための応援ソングですよ。
「ヴァーナーちゃん。きみって、愛らしいルックスがなかったら、ストレートに危ない人だと思うのは、ぼくだけかな」
「ボクはだれにも危ないなんていわれたことないです。
維新ちゃんは、もっとすなおになるです。いじけてちゃよくないですよ」
「歩不と同時にベスも消えおった。
維新、やつらを探しにゆくか。それとも、この、Veterとか言う連中からここの情報を聞きだすか。
わしは、おぬしの好きにするぞ。
Veterのやつらに好きな作家をきかれたので、わしは、「隅の老人」のバロネス・オルツィと「ミス・マープル」のアガサ・クリスティとこたえておいたぞ。
どちらも女流のミステリ作家じゃな」
ファタおねえちゃんは、維新ちゃんとボクにきょうはすごくやさしいです。
からかわれてりして、むむむむむ、ってなるときもあったですけど、だいすきですよ。
「ボクもすきなさっかさんはいるです。
カワイ・ホームさんです。かわいい探偵とおねえちゃん助手がでてきていろんなどんでん返しのミステリさっかさんなんですよ〜」
「建築会社みたいなペンネームだね。家族企業かな。
名前からのぼくの印象だと、家庭内トラブルが原因の遅筆で、出版社や読者の人に大迷惑をかけて、すぐに忘れられてく人の気がする。ストレスで発狂、入院中かも」
「こんど、維新ちゃんにも本をかしてあげるから、よむです」
「ぼくは西尾○新世代というか、多方面でかなり影響を受けてる気がする。
作品数もどんどん増えて、メディアミックス大成功で、部数もでてるのに読者のメイン層は変わってなくて、深くなったけど、広くなった感じはしないよね。21世紀型のエンタメ作家の成功の雛形ってコレなのかな」
「ボクはそんなの知りません。
ファタおねえちゃん、ヒルダおねえちゃんがいりょうちーむさんたちとたたかってて、ローザおねえちゃんはそれをながめてますけど、とめなくていいんですか」
ボクらがお話しているうちに、ファタおねぇちゃんのパートナーさんのヒルデガルド・ゲメツェル(ひるでがるど・げめつぇる)おねぇちゃんがとつげきしちゃったです。
ローザおねぇちゃんもファタおねぇちゃんのパートナーさんですけど、わらってるだけですね。
「はじめてしまったものは仕方がないのう。
ヒルダもたまっておったのじゃろう。
ラヴェイジャーに転職して、金剛力、百戦錬磨、アイアンフィスト、クライ・ハヴォックと素手の格闘スキルが増したのじゃ。一対複数でも、簡単には負けぬと思うぞ」
ヒルダおねえちゃんは、ぶきをもったひとたちあいてにごうかいにちぎってはなげしてるです。
あんまり、つよすぎるのであいてのひとたちがかわいそうに思えてきたですよ。
「とめてあげたほうがいい気がするです」
「圧倒的な力差のせいか、喧嘩というより、プロレスや古流武術の演武みたいだね。
さわると相手がばたばた倒れて、吹っ飛ぶとこが似てる」
「うむ。ヒルダは、ストーリーファイトの達人の域に達してきたようじゃ。頼もしいのう」
維新ちゃんとファタおねえちゃんは、ボクとはかんかくがちがうです。
「やっぱり、ぼうりょくはよくないです」
けがする人がふえていくのがボクはたえきれなくなって、ヒルダおねえちゃんをとめるために、らんとうのわにとびこんだです。
「ハッハァー!! アーカムアサイラム最高。
コウモリ男はまだでてこないんスか。あたしは、待ちかねてますぜ」
「やめるです。みんな死んじゃうですよ」
ボクはやすみなくてあしをふりまわして、大あばれしてるヒルダおねちゃんにだきついたです。
「ハーアン。人はみんないつかは死ぬんスよ。お嬢ちゃん」
「でも、ころしちゃだめです」
「ボス。聞き分けのワリィ彼女を殺しちまっていいですか。はっきり言ってジャマっス」
「フフ。ヒルダ様。ヴァーナー様を葬る前に、あなた様がお相手しなくてはならない、医療チームの援軍がこられたようでございます。今度は人数が多そうですね、お逃げになられますか」
ローザおねえちゃんが教えてくれたように、はくいの人のしゅうだんがまたきたです。
あれ。しってる人がいるですよ。
「その選択肢はねぇス。
おおーっと。歯ごたえのありそうな奴がいるじゃねぇーの」
「待て、ヒルダ。レン・オズワルドがおるではないか。
石庭の時といい、わしと維新がいるとレンがくる仕組みになっておるのかのう」
「どーなんだろうね。ファタちゃん。ここはヒルダさんの保護者として、ファタちゃんがレンさんとお話ししないと、ぼくら冒険屋ギルドを敵にまわすんじゃない」
「それは勘弁じゃな」
維新ちゃんのやりとりがあって、ファタおねえちゃんはレンおにいちゃんとお話しするためにまえにでてきたです。
けんかがちゅうしされて、このままおわりになりそうでよかったですよ。

ローザ・オ・ンブラ(ろーざ・おんぶら)

冒険屋ギルドのレン・オズワルド様は、医療チームと共にセレマ団に会いに行く途中だったのございます。
「ユノの話だと、セレマ団と薬物の関係を調べていたリリとララ。アリーに肩入れしていたフレデリカとルイーザも、セレマ団に拉致、監禁されているらしい」
「リリちゃんとララたんは、フリッカちゃん、ルイ姉ちゃんと一緒にアリーちゃんとお話ししてたの。
ララちゃんが牢屋でみつけてきた証拠をみせて、セレマ団が所内で危ない薬の取引を行っていることをアリーちゃんに伝えたの。教団と手を切るようにアドバイスしてあげてたんだよ。
アリーちゃんは黙って話をきいて考えてる様子だった。
そうしたら急に、アリーちゃんの側にいた教団の人たちがアリーちゃんを連れていこうとしたの。リリちゃんたちは、それをとめようとして、でも、相手の人数が多すぎて、みんなも教団の人に連れられてっちゃったんだ。
もしかしたら、あれは、アリーちゃんの罠だったのかも。
あたしは、一人でなんとかその場から逃げだして、いなくなっちゃったみんなを探してるの。
レンちゃんがあたしをリリちゃんたちのところへ連れてってくれるんだって」
純真なユノ・フェティダ(ゆの・ふぇてぃだ)様は、パートナーのリリ様、ララ様を非常に心配しておられます。
かわいらしいですね。
さて、ファタ様は、どうされるおつもりでしょうか。
私としましては、セレマ団の狂気の中心になにがあるのか少し覗いてみたいものです。
死者をよみがえらせる行為に淫していた少女がカルト教団の教祖として崇められているとは、彼女自身に教祖の資質も、権力者としての欲望もなければ、苦しい日々に違いありません。
信者たちの前で彼女を辱め、神聖視されている彼女がただのつまらない人間でしかないのを証明すれば、彼女も楽になりますし、私も楽しませていただけそうです。
そもそも神など気まぐれで愚鈍で頼りにならぬ存在なのに、一少女にその役割を背負わせるとは、ロリータコンプレックスの男性の集まりなのでしょうか。
それはそれで観察しがいのある人たちですね。
「ローザ。にやけおって、どんな悪だくみを考えたのじゃ」
「いいえ。ファタ様。それを考えるのは、これからでございます。いかがされるのですか、レン様たちとセレマ団を強襲するのを、私は個人的に期待しております」
「おぬしはアリーとやらをさぞかしいじめたいのだろうな」
当然でございます。世間の知らずの少女教祖のプライドを踏みにじる、まさに私のための仕事といえましょう。
「維新はどうしたいのじゃ」
「ぼくはベヨはそんなに悪くて強い子だとは思わないな。
まわりが盛り上がりすぎてるだけで、ある意味、被害者みたいな。
ちょっとだけかわいい地味めな女の子が、たまたまクラスの男子たちの人気者になっちゃって、本人はノリきれなくて困惑気味ってとこ。刑務所の囚人のアイドルじゃ、天狗にもなりにくいよな。
普通、人からあんまり親切にされたり、過剰な理解を示されたりすると、感謝するよりも気味悪いよね。
いいよ。ベヨに会いにいっても。
ぼくはあの子を好きじゃないけど、あの子のファンが騒ぎを起こしてるなら、歩不くんもくるかもしれない」
維新様、ご英断、ありがとうございます。
「わしは少女の味方じゃからアリーを助けるのもやぶさかではないのだが。
優先順位の一位は維新じゃがな」
私、ファタ様、ヒルダ様、維新様、ヴァーナー様は、レン様たちと合流して行動することになりました。