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フラッグ争奪! 勝つのは西か、東か!?

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フラッグ争奪! 勝つのは西か、東か!?

リアクション

 雪に埋もれつつカモフラージュして待機しているキルラス・ケイ(きるらす・けい)

「うー雪の中は外部温度より暖かいにしてもやっぱ寒いさぁ……」

 そこへ進軍中のレオンを発見する。

「お、あそこにいんのは奴さんのリーダーじゃないのさぁ? んじゃ、雪の中から失礼しますさぁ」

 レオンの頭部をスナイプで狙い定めようと身体を起こしたキルラスだが、足を滑らせて雪山を転げ落ちてしまう。

「うわー! やっぱこうなったさぁ!!」

 キルラスが転げ落ちているが、それに気がつかないレオンたち。
 メンバーたちと連絡を取り合っている護。

「あちゃー、レオン」
「ん? どうした」
「空中部隊の洋とみとが離脱しちゃったみたい」
「あらら、空は向こうの手に渡ったって事?」
「はい……。相手はシュヴァルベに乗った人と魔法翼を展開したヴァルキリーみたいです」
「はぁ? オレたち空からの攻撃も注意しながら進まなくちゃいけねぇの!?」
「ちょっと待って。空中部隊の再編出来ないか考えてみる」

 少しの間考えをまとめる為に黙る護。

「護、そう一人で考えるな。ここには七人もいるんだ。良い案も出るさ」

 レオンの言葉で全員で考えることになる。その間、エリザベータは上空を旋回して襲撃に備えている。

「飛翔可能なモノを持っているのはトラップ・妨害部隊のレノア、レオン隊のセフィー、エリザベータ、隠密部隊の悠、那未の五人だよ」
「動かしやすいのはやはりあたしですか? 他の人たちじゃ役割の代替えも考えなきゃいないでしょうし」

 セフィーが名乗りを上げる。

「でもでも、向こうは二人、もしくはそれ以上の人が空にいるんでしょ? ここでセフィーが一人空中で戦っても……」
「確かに。ここで二人、三人組み直そうとしても不具合が多くなるな」
「ならいっそこのまま突き進んじゃわないか?」
「え?」
「だって一人で行っても向こうは複数いるんだろ?」
「一人で行っても連携技を駆使してくる向こうに対抗できるかどうか怪しい…ってことだよね?」
「そういうことだ」

 ダリルの意見で空中部隊の再編はなしの方向に向かっていく。

「よし、このまま進軍するぞ」
「レオンがそう決めたのならオレはさんせー!」

 護がチームに洋、みとの離脱を知らせ、より一層敵の襲撃に気をつけるよう伝え再び歩み始めるレオンたち。



◇          ◇          ◇




ズザザザー!!



 レオンの首を取る事叶わず滑り落ちていったキルラスは、崖の迫り出した場所でようやく止まる事が出来た。

「ふへ〜。酷い目にあったさぁ……」
「動かないでもらおうか」

―――チャキ

 雪を払って身を起こすキルラスに銃を向けているルース・マキャフリー(るーす・まきゃふりー)

「へ? ……ちょっと待つさぁ! 俺は味方の方さぁ!!」
「む? そういえばいたような、いなかったような」
「いたさぁ!! 李大尉や女たちに色目使って見てたさぁ」
「オレは男には興味ない。だが、そう言う事を言えるのはその場にいたからだよな」

 狙い定めていた銃の構えを解くルース。それにほっと胸をなでおろすキルラス。

「お。ここ何気にフラッグが見える場所なんさぁ」

 手持ちのライフルについているスコープでキルラスが覗くと、まっさらな雪の中ぽつりと赤いちいさなフラッグがはためいているのが見える。

「ここなら誤って女性を撃ってしまうことはないのでね」
「なに言ってるさぁ。フラッグ狙う人なら男でも女でも数を減らしたほうがこっちの安全も見込めるってものだろうさぁ」
「それは聞けませんね。女性に撃たれるならそれもまた本望ですから。さぁ構えた構えた」

 潜んでいた場所でカモフラージュするルース。キルラスはそんなルースに呆れながらも傍で同じくカモフラージュした。