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リアクション
届き始めたフラッグ
双眼鏡と狙撃銃のスコープで旗を確認でき、遮蔽物のある予定地点に到着した蓮華、スティンガー、クレアの襲撃部隊。
蓮華とスティンガーはライフルの先だけを銃眼とする窪みから出るように雪を堀り中に潜む。
「クレア、私たちの姿見えないよね?」
「平気だ。では私は行くぞ」
「ここは中心部だ。どこから弾とかが飛んでくるか分からないのだ、シュミット必要以上に注意を払って進め」
「分かってる」
クレアは兵は神速を尊ぶと禁猟区の二つのスキルを使ってフラッグのある方へ進んで行った。
「梅琳チームめ。来るなら来いっ」
「気負うと視野が縮まるぞ」
「う、うん……」
スティンガーにそう言われるも落ち着かない蓮華。
…………
…………
フラッグがはためく崖に囲まれた開けた場所からすぐ傍の林まで来たクレア。
「ここから先は遮蔽物はないか……。崖に潜んでいる可能性が高いな」
木に隠れながらそう推測すると、スピードを落としてフラッグに突き進んで行った。
その様子は蓮華もしっかり見ている。
「これはこっちの勝ちかな? クレアがフラッグを取るみたいだし」
「ちっ。董! 上を見ろ!!」
「え、空を?」
「バカか!? さっさと構えろ」
スティンガーはクレアを狙っているキルラスに気がつき銃を構える。
蓮華も銃を構えるが敵の位置を把握できていない。
銃のトリガーを引くスティンガー。
「あ!」
蓮華のスコープにクレアが倒れたのが見える。ペイント弾は肩に命中していた。
そこでようやく蓮華はキルラスとルークの存在を認識する。
「くそが。もう一発だ」
狙いを慎重に定めていくスティンガー。
スティンガーのスコープには口論している二人が見える。
キルラスの胸座を掴むルース。
「おいおい! なに女性を撃ってるんだ!?」
「撃たなきゃ俺たちの負けさぁ」
「勝ち負けの問題じゃねぇ! オレが言いたいのはな」
―――パァン!
スティンガーの撃った弾が二人の間に当たる。
「話は後でちゃんと聞くさぁ」
「必ずですよ」
「もちろんさぁ」
襲撃者、スティンガーの方へ銃を構えるキルラスとルース。
「男ですか……なら遠慮はいりませんね」
表情をガラリと変え、トリガーを引くルース。
銃声音が雪山に轟く。
スティンガーの撃った弾はキルラスに当たる。
「あらら……俺はアウトみたいさぁ」
「そうみたいですね!」
ルースはキルラスを撃ちとったスティンガーに狙いを定め、スティンガーを仕留めた。
「仇撃ちありがとさぁ。あと一人、頑張ってさぁ」
キルラスがそう声援を送るが、ルースは構えていた銃を下ろしてしまう。
蓮華の放ったペイント弾が命中する。
「なにやってるのさぁ!?」
ルースの行動に驚くキルラス。
「始めに言ったでしょう? 女性に撃たれるなら本望だと」
「確かに言ったけどさぁ、本当に撃たれるとは思わなかったさぁ」
堂々とそう答えるルースに呆れ変えてしまうキルラス。
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