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ダイビング! ウイルスハンターズ

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ダイビング! ウイルスハンターズ

リアクション


怨み辛みが重なって

 檻に囲まれるようにして建っているお菓子の城。
 檻はダリルが電脳支配で作りだした檻である。

『この檻の中にいるヤツを滅却しろ』
「了解だ」
「このお菓子の城はオイラのもの! 成敗するのにゃー!」

 バレーボール大の黒っぽい塊の異物というか化け物のようなパックマンみたいなウイルスが、あちこちでお菓子のデータをもきゅもきゅ食べてるのをエース・ラグランツ(えーす・らぐらんつ)は引いた目で見ている。

「(タイピング ウィルスハンターズっていうタイピングゲームだと思ったが、まぁとにかく何とかしないとな)」

 反対にクマラ カールッティケーヤ(くまら・かーるってぃけーや)は大好きなお菓子を食べているパックマンに憤怒する。

 剣で一体ずつ的確にウイルスを倒していくエース。

「こいつらを成敗してここのお菓子を食べるのにゃー!!」
「クマラ、そのお菓子は食べちゃ駄目!!」

 食べる気満々なクマラは弓で討ち取っていく。

「これ以上食べられてたまるかー!」

 巨大なファイアストームを発動するクマラに、エースは裁きの光で呼び出した天使たちの光の雨でパックマンたちを外周から数を減らしていく。

「しっかり加熱殺菌なのにゃん!」

 温められたトウモロコシがポーン!と弾けてポップコーンが空から降って来る。

「むふふ……この音はオイラを讃える祝砲のようなのにゃ」
「そんなの食べたらお腹壊すよ。何より拾い食いは駄目」
「ぶーぶー」

 ポップコーンを食べられず不貞腐れているクマラとその保護者のエースの元へ、ルカルカのナビで移動していた芭柘美たちが現れる。

『あれ、もう終わっちゃったか』
「そうみたいですね」
「もしかして、援護しに来た?」
「はい」
「ちょっと遅かったみたいだね」
『そうでもないぞ』
『あ、そうだね。アクリトさんが見つけた場所はここからじゃ遠いから、セキュリティホールまで飛ばすよ!』

 アクリトが発見したセキュリティホールへエースとクマラ、そしてかけつけた芭柘美たちが転送されていった。



◇          ◇          ◇




 情報撹乱でウイルスに誤った情報を流し込み、あぶり出しにかける綾原 さゆみ(あやはら・さゆみ)

「人が必死になって書いた社会学原論のレポート、あれ明日が締め切りなのよ! それにゲームのセーブデータ……キャラ育てるのにどれだけお金使ったと思ってるの? 絶対許せない! さっさと出てきやがれ!! 」
「(ここでウイルス相手に暴れるよりは、明日提出の社会学原論のレポートの書き直しをやった方がいいのでは……)」
「今まで壊されたデータの怨み、今払ってやる!」

 書きかけの課題のレポートが消滅したさゆみと、内心で恐らくこれが済んだら、徹夜でレポートを描き直すことになり、当然自分もそれを手伝う羽目になるのだろうと思っているアデリーヌ・シャントルイユ(あでりーぬ・しゃんとるいゆ)
 そして、今回のウイルス以外にも度々データを壊された経験から意気投合した滝川 洋介(たきがわ・ようすけ)がウイルスが出てくるのを待ち構えている。

―――ざわ……ざわ
―――じ、ジジジ……

―――ゴボボッボ!!


「来ましたわね!」

 雑賀 孫市(さいか・まごいち)がスナイパーライフルを構える。
 さゆみたちの前に黒い泡が湧き出てくるノイズ……。
 それは徐々にカタチを成していく。
 泡が無くなるとそこには数体のカラスの様なウイルスが宙に浮いていた。

「織田家四天王! 滝川一益の戦っ! 見せてあげよう!」
『みんな、これ良かったら使って!』

 持って来たハンドガンを発射させようとしていた滝川 一益(たきがわ・かずます)に、リトがダリルが作りだしたワクチンデータを
武器に添付させた。

『これで楽にウイルスが倒せるよっ』
「ありがたい。いざ!」

 ハンドガンを連射していく一益。

「あれもこれも全部、このウイルスのせい……」

 さゆみの怒りがアデリーヌに伝染したようで、彼女も少し抗戦敵になっていく。

「コレのせいで徹夜になること確定ですわね!」

 アデリーヌの天のいかづちでまばらだったウイルスが撃ち落とされ、その衝撃で一か所に集まっていく。

「たまには活躍しませんと……ワタクシの出番が少なくなってしまいますわね……」

 徐々に集まっていくウイルスに、スナイパーライフルで一瞬にして消滅させる孫市。


「「日々の怒りを受け止めやがれ!!」」


 洋介とさゆみが情け容赦なく怒りを乗せた攻撃をかましていく。
 あらゆるデータを消された怒りを乗せたさゆみと洋介の攻撃は、この空間を揺らす程の怒りとなってウイルスは四散していくのであった。