天御柱学院へ

なし

校長室

蒼空学園へ

【琥珀の眠り姫】水没する遺跡に挑め!

リアクション公開中!

【琥珀の眠り姫】水没する遺跡に挑め!

リアクション

 皆が戦闘している隙をついて、洞窟の入口に駆け込もうとする空賊たちがいた。
 突然、その中の一人が吹き飛んだ。
「あまり好き勝手されては困るんだ」
 日輪の槍を構えた鬼院 尋人(きいん・ひろと)が、隠れ身から姿を表した。
「琥珀の眠り姫について何か知っているなら、教えてもらおう」
「てめえらに話すことなんてねえよ」
 そう言うと、空賊たちは一旦小型飛空艇に乗り込んだ。
 尋人は呀 雷號(が・らいごう)と目を合わせると、聖邪龍ケイオスブレードドラゴンを呼び、騎乗する。
 雷號もクリムゾンブレードドラゴンを呼び寄せる。
 二人は超感覚でタイミングを合わせると、一斉に飛び上がった。

 そんな尋人たちを、洞窟の入り口付近の岩陰に隠れていた清泉 北都(いずみ・ほくと)が見ていた。
「あの飛空艇、洞窟に侵入しようとしているね」
 北都の言葉に、洞窟の入口付近の闇に紛れたソーマ・アルジェント(そーま・あるじぇんと)が頷く。
「来るぜ!」
 ソーマが叫ぶと同時に、複数人の空賊が飛空艇から飛び降りた。
 カットラスを振りかぶり、空賊たちは洞窟の入口めがけて走ってくる。
 北都が空賊たちの行動を予測して放った矢は、空賊たちの手を射抜き武器を取り落とさせる。
「悪いけど、ここで引き返してくれないかな?」
 北都の言葉に空賊たちは答えず、あくまでも侵入しようと試みる。
「だから、この先には行かせないよ」
 北都は猛吹雪を起こし、洞窟への道を塞いだ。
 その隙に、ソーマは足止めされたイケメンの空賊に近付く。
「琥珀の眠り姫について、知っていることを話してもらおうか」
 ソーマは、氷で足が動かないその空賊の耳元で囁く。
「お、俺は首領に従うだけで何も……」
「本当にか?」
 ソーマは空賊の首筋に噛みつき、吸血によって精神を惑わせる。
「俺たちは……ただ、伝説の宝だとしか……琥珀の眠り姫は噂でしか……」
「なるほど、特別な情報を持っているわけじゃあないんだな」
 空賊がどん、と突き飛ばされるように解放されたのも束の間。
 背後から忍び寄っていたクリムゾンブレードドラゴンが炎を吐いた。
「ナイス!」
 北都やソーマと雷號はアイコンタクトを取ると、再び上空へと舞い上がった。
 入れ替わるように現れた尋人が、空賊たちを薙ぎ払った。
「これでしばらくは、侵入しようとはしてこないはずだね」
「かなりの戦力は削ったはずだが、まだ警戒は怠らない方がいい」
 北都と尋人は洞窟の入口を守るように陣取り、飛空艇から降りてこない空賊たちと睨み合っていた。