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エピローグ おかえりなさいませ、えへへ



 
 本物のお化け騒動。
 昼なのに辺りを覆った、真っ黒な雲。
 そんな話題に包まれた、例のお化け屋敷は……


 前よりも繁盛していた。



「申し訳ありませーん、ただ今一時間待ちでーす」
 弾が看板を持って案内する。
「申し訳ありません、ウサギは一人一匹まで! ああうう、ちょっと、そこはお尻ですよぉ!」
 ウサギコーナーの風花も大忙し。ハイコドとソイルも、入口付近のコーナーで控えていた。
「いらっしゃいませ」
「ううむ……さて、この屋敷はですねえ、」
 イングラハムはそのままだが、アルベールはネタが尽きているようで困り気味。荒神がカメラ越しに笑っていた。
「ふふん、自分には分身の術があるから問題なしであります。ぎゃーおっ!!」
 吹雪は余裕の表情で接客をこなし、
「お嬢さん……あなたもそのうち……肌の衰えが!」
 エイカは相変わらず。
「ふう……海の家の昼くらい忙しいよ」
「私たちも手伝えるといいんだけど。ごめんね」
「ローズの怖い話なら、十分通じると思うけどな……」
 アゾートも疲れ気味。ロゼとシンは、怪我人などがでたときのために控えていた。
「という感じで、二番館オープンって事で夏のキャンペーンを打つ訳よ」
 ルカルカは離れの事件のあと少しの間は落ち込んでいたが、落ち着いたのか今はお化け屋敷の経営者に離れの有効活用について語っていた。ダリルが「商魂逞しいな」と言うと、「えへへー♪」とルカルカは笑った。
 レオーナは両手にゴボウを持ってお化けの臨時アルバイトを、クレアは出口の受け付けを。
 陽一とエース、エオリアは、例の地下室の調査を手伝っていた。
「例の奥さんとやらは、やっぱり見つからないのか」
「そうみたいだね……綺麗な花には、刺があるということか」
 そして、地下室の持ち主は……まだ、行方不明だ。
 アリスはハーサンとともに戻ったらしい。さゆみ、アデリーヌも今までどおりの多忙な日々を送り、竜斗たちも元の生活に戻った。
「ねぇ、ユリナ」
「はい。なんですか、シェスカさん」
「いい男って、どういう男だと思うかしらぁ?」
「はい!? え? いい男ですか!? それは、その、えっと、……竜斗さんみたいな人だと思います」
「……えぇ?」
「こいつおかしいんじゃないか、みたいな視線はやめてください。竜斗さんにも失礼です」
「ふふ……」
「なんで笑ってるんですか!」
「……今度会ったら、名前くらいは聞いておかないとねぇ」
「???」
 


 そして、シェヘラザードは、海辺の近くにある、小さな墓地に足を運んでいた。
「……ここね」
『ここ、ですか』
 一人ではあるが、声が聞こえる。人形からだ。
 イリアの魂は……消えてなかった。シェヘラザードの術によって、人形に魂を封印されていたのだ。
『ご主人様』
 人形の指が、墓石に刻まれた名をなぞる。シェヘラザードは微笑み、その人形を墓石の隣に置いた。
「埋めなくていいの?」
『はい。これでいいです。十分です。……ありがとうございました、シェヘラザードさん』
「いいのよ」
 そうして、シェヘラザードは術を解く。彼女の姿が一瞬だけ人形の上にぼうっと現れ、そして、消えた。
『本当に、ありがとうございました。みなさんにも、そう伝えておいてください』
 そして、消える間際にそう口にした。
 シェヘラザードはしばらくその墓石を眺め、近くから聞こえてくる波の音に耳を傾け、目を閉じてからゆっくりと深呼吸をし、歩き出した。
「盗撮するな。呪うわよ」
「……お前は撮ってない」
 少し歩いて足を止める。近くの木陰に立っていた一人の男……バーストエロスが、一枚の写真をシェヘラザードに見せた。
 イリアが、最後に見せた笑顔の写真だった。
「離れの調査をした連中に、配っておく」
「ええ……お願い」
 バーストエロスはこくりと頷いて、そのまま少し早足に去った。
 シェヘラザードは最後にもう一度だけ振り返り、墓石に寄り添うように傾いた人形を眺めた。
 そして最後に小さく笑みを浮かべ、その場を去った。




「……ご主人様」

「ご主人様」

「えへへ、来ちゃいました」

「言いつけを守らなくってごめんなさい」

「でも、ご主人様が悪いんですよ? ずっと、待たせるから」

「もう、ずっとずっと、待ってたんですから……」

「えへへ」

「でも、これからは、ずっと、一緒ですよね」

「一緒にいても、いいんですよね」

「これからはずっと、一緒ですからね……」

「ご主人様」

「ご主人さま」

「……大好きです。ご主人様」










担当マスターより

▼担当マスター

影月 潤

▼マスターコメント

 お久しぶりです。初めての方ははじめまして。
 今回のシナリオを書かせていただきました、影月 潤と申します。
 まず、今回シナリオに参加してくださった全ての方に感謝申し上げます。

 
 特に今回はお化け屋敷ということで、多くの方から驚かすアイデアや方法など、具体的に書いてもらって、とても参考になりました。ありがとうございます。


 さて、とは言いつつも、メインは離れの方の話です。どちらかというとお化け屋敷のほうは娯楽として、離れのほうはコメディチックからどすんとシリアスに落とすという、まあ、よくある方法で描いてみた感じです。


 人数が多かったので個別の活躍、というのはあまり目立つものではありませんでしたし、今回のシナリオ、お化け屋敷、離れともに一話にどんと出番がある、といった感じではなく、ちょいちょいと出番がある、というような形を取りましたので、ちょっと、自分の出番が少ないと感じた、という方や、そもそも自分がどこに出ているかわからない、という方もいると思います。

 ひとえに、僕の実力不足です。気に入らないと感じた方は、本当に申し訳ありませんでした。


 ただ、このシナリオを楽しんでくれた、という方。また、思わず涙が……といった方がいらっしゃれば、それほど嬉しいことはありません。もしそういった意見を言ってくだされば、僕は明日にでも富士の樹海に行ってもいいくらいの喜びを感じることでしょう。いや行かないけどね、怖いの嫌いだし。<なんでお化け屋敷なんて書いた

 もし不満を感じた方がいれば、今後の僕の成長を見守っていただく形にしていただいて、どうか、末永くお付き合いいただけたら幸いです。

 今後とも、影月潤を、ぜひともよろしくお願いします。


 ちなみに次回シナリオとして、


『秋の大運動会』

 を予定しております。

 近日中にシナリオガイドを公開する予定ですので、是非ともチェックしてください。
 

 http://www.geocities.jp/junkagezuki/  


 僕のHP、『影月 潤の伝説の都』です。
 
 全く役に立たない日記とかもあるので、もしよろしければどうぞ。






 以下NPC&オリキャラ考察


 アゾート・ワルプルギス


 前回に引き続き登場。今回はまあ、それほど目立つ位置ではなかった感じです。
 それにしても、僕のシナリオだと彼女は働きまくりですね。賢者の石を作るのにはお金がかかるんでしょうか。
 だとしたら、お金を出してあげると喜ぶかもしれませんね。チラっ<誰かを見た


 
 シェヘラザード・ラクシー
 
 実は主役。最後のシーンなんて彼女ソロのつもりが、バーストエロスとツーショットという訳のわからない状況に。
 公式NPCを主人公って、そりゃどうよ、と思う人もいるでしょう。
 そう思った時点で、僕の勝ちです。<ドヤ顔


 以下オリキャラ



 土井竜平(どい りゅうへい) またの名を「瞬速の性的衝動(バースト・エロス)」

 
 なぜか前回、『夏だ! 海だ! 水着だ!』シナリオに引き続き登場。
 二つの名の割に今回はエロ要素ほとんどなし。しかもなんか、最後かっこいいし。
 雰囲気的に今後のシナリオにも顔を出すかも。公式で使ってもらおうかな?<独り言 


 イリア・ヴィエネッタ

 メイド。離れシナリオのヒロインで、悲劇のヒロインだった人。
 それでいてずっとご主人様の帰りを待つという、健気な女の子。
 当初予定では主人との間に娘がいて、墓参りの際に会う……というのも考えていたのですが、ちょっと話が複雑になるためカット。
 淫乱ビッチ? いいえ、ただのメイドです。


 ご主人様

 
 名前だけ登場。
 イリアと恋仲ながら、家のせいでとある女性と結婚。
 しかもその女性はやばい人で……といった感じ。
 そうやって考えると彼も悲劇のヒロインの立場なのですが……
 変態的に楽しんでいたみたいなので、まあ、ほっときましょう。



 奥様


 実を言うと、今回のシナリオは何の解決もしてません。
 その元凶がこの人。
 
 イリア含むメイドを殺害、黒魔術の実験台とし、ご主人、その父親を殺害。
 土地を売っぱらったりしたのも彼女です。ひー、怖。
 こんなふうに登場させた以上は、今後のシナリオで登場予定。彼女の問題が解決が、僕のシナリオの目標になるのか……!?



 以下は個別コメントは、皆さまへの簡単な感謝の言葉とアクション等への感想となります。
 それと、皆様に称号を贈らせていただきました。
 どうもまだあまりうまくないのですが、喜んでいただきますと幸いです。