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パラミタ・イヤー・ゼロ ~NAKED編~(第2回/全3回)

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パラミタ・イヤー・ゼロ ~NAKED編~(第2回/全3回)

リアクション



「うっひょー! おっぱいがいっぱいじゃー!」



 奇声を発しながら、世界コイルの中から女神の魂が飛び出してきた。
 魂は具現化され、巫女装束のような衣服を着た女性の姿になる。
「ほほう。お主ら、ええ乳しとるのぉ」
 淡い褐色の髪を振り乱す女神の魂は、組んず解れつで踊っていた神月 摩耶(こうづき・まや)クリームヒルト・オッフェンバッハ(くりーむひると・おっふぇんばっは)董卓 仲穎(とうたく・ちゅうえい)翔月・オッフェンバッハ(かづき・おっふぇんばっは)の巨乳カルテットに駆け寄っていく。
「眼福。眼福じゃ!」
 大きなおっぱいに感動した彼女が叫ぶたび、額にある円い髪飾りがピカピカと光った。

 女神の魂が次に向かったのは、水着になったセレスティア・レイン(せれすてぃあ・れいん)と、裸に見える全身タイツのネージュ・フロゥ(ねーじゅ・ふろう)だった。ふたりは決して巨乳というわけではないが、その控えめな曲線美が女神のおっぱい魂を揺さぶったようである。
「眼福。眼福じゃ!」
 小さなおっぱいに感動した彼女が叫ぶたび、額にある円い髪飾りがピカピカと光った。


「やったぁ! ついに、亞麻 天羅子(アマテラス)が出てきたっ!」
 ニコラ・ライヒナームが、世界コイルの前で飛び回っている。
「ありがとう! みんなのおかげで、世界コイルに眠る神々の魂のひとつを、を呼び覚ますことができたよっ!」
 そしてニコラは、集まった契約者たちに向けて、世界コイルのことを語りはじめた。
――世界コイルが、ライヒナーム家に伝わる魔具であること。そして、実験の最中でコイルが暴走し、神々の英霊を中に閉じ込めてしまったこと。

「まるで、『フィラデルフィアの都市伝説』だな」
 マフラーを巻いたまま世界コイルの前にやってきた、風森 巽(かぜもり・たつみ)が言った。
 フィラデルフィアの都市伝説。
 それは、かつて地球のアメリカで行われたステルス実験中に、駆逐艦ごと消失したとされる伝説である。その単語を聞いたとたん、ニコラの表情がほんの少しだけ強ばったかのようにみえた。
――が。

「きゃるるるんっ♪ 世界コイルのことを語るニコラくんも、かわいいですわ〜」
 退紅 海松(あらぞめ・みる)が、すでに裸に剥いている金龍雲を伴って、猛ダッシュしてきた。
「世界コイルのこと、もっと聞かせてくださいな〜」
 ニコラの話にうんうんと相槌を打ちながら、海松は彼の服を一枚ずつ脱がしていく。
「あ、あのね、それで世界コイルっていうのは……」
「はぁん♪ ニコラくん。世界コイルでの電力供給もよいのですがっ! なんだか私も発電してしまいそうですぅ〜♪」
 海松はそう叫んで、金龍雲とともにニコラを押し倒していった。



――なにやらカオスのまま幕を引いた太陽はおっぱい作戦であるが。
 契約者たちの活躍によって女神の魂をおびき出すことに成功し、電力をまかなうことができた。また、バイオエタノールの精製も、八紘零による妨害をとりもどす成果をあげている。
 総じて、ハイナのエネルギー政策は成功に終わった。
 かろうじて財政を立て直した葦原島は、なんとか今までの生活を取り戻せそうである。

「次は、なんの悩みもなく裸踊りをしたいでありんすな!」
 世界コイルの前で、ハイナがけらけらと笑っていた。
 そんな彼女の願いは、八紘零がパラミタにいる限り叶うことはないだろう。
 ローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)が睨んだとおり、零はなにやら電気事業に乗り出しているという。もちろん彼のことだ。まともな仕事であるはずがない。
 八紘零の悪意に抗うため、契約者たちはよりいっそう奮励する。


 パラミタのイヤー・ゼロ(紀元)は、果たして誰の内にあるのか――。
 その答えは、もうすぐ明かされるだろう。

担当マスターより

▼担当マスター

水琴桜花

▼マスターコメント

 水琴桜花です。
 お読みいただきありがとうございます!

 今回は、プレイヤーさんの良心に委ねたおかげで、とても健全なリアクションになりました(震え声)

 とはいえ、本シリーズはけっこうシリアスな流れを汲んでいただけに、ネタに徹したアクションというのはとても貴重でした。ぶっとんだアクションのおかげで、なんとかコメディシナリオとしての体勢を保てたかなぁと感謝しております。

 また、傘下の企業から八紘零の動向を見抜いたり、ニコラの元ネタに絡めた指摘があったりと、シリーズをつづける上でも重要な鋭いアクションがあったのも嬉しかったです。このあたりは、最終回に向けてなにかしら影響を与えていきます。

 あと、三種のギフトに対してのアクションがわりと多くて、これも嬉しかったですね。流れ的に説得する方向で決まったかなと思うので、最終回の前に、ギフトたちをメインに据えた特別編を設けようかなと考えております。
 ちょっと言い訳なんですが、三種のギフト関連の描写量が全体的に多くなってしまいました。これは贔屓というより、次回以降に必要な描写だったということで、ご寛恕いただければと思います。


 次回はゲーム性の高いシナリオを想定しておりますが、まだどうなるかわかりません。マスターコメントにて追って報告したいと思います。
 また相変わらず時間がぎりぎりになってしまって、ひとりひとりにお礼を言う用がなくなってしまいました……。
 恐縮ですが、この場でお礼を申し上げます。

 ご参加いただき、本当にありがとうございました!

 私のシナリオがパラミタでの思い出になれば、マスターとしてそれに過ぎる喜びはありません。
 またお会いできたら、うれしいです。