天御柱学院へ

なし

校長室

蒼空学園へ

【空京万博】取り戻せ! アムリアナの花嫁衣装!

リアクション公開中!

【空京万博】取り戻せ! アムリアナの花嫁衣装!
【空京万博】取り戻せ! アムリアナの花嫁衣装! 【空京万博】取り戻せ! アムリアナの花嫁衣装! 【空京万博】取り戻せ! アムリアナの花嫁衣装! 【空京万博】取り戻せ! アムリアナの花嫁衣装!

リアクション

■□■2■□■ 花嫁衣裳発見!

そのころ。

【キャバクラ「わるきゅーれ」空京万博店】の尊い犠牲のおかげで、
アイシャや雅羅たちは本物の花嫁衣裳を発見していた。
「きれい……」
アイシャが息を飲む。
「こっちにアムリアナブライダル!」
「あっ、今度こそ本当にありましたわ!」
なななとイングリットのグループも合流した。

★☆★

「やったわね! ねえ、アイシャ。
よかったら、万博の最後にこの衣装、お披露目で着てみない?」
道中、アイシャとフレンドリーに接していた
ルカルカ・ルー(るかるか・るー)が提案する。
「むしろ、アイシャさんが、今すぐ着て戻るというのはどうかな」
エース・ラグランツ(えーす・らぐらんつ)が言う。
「花嫁衣装とコンパニオンと一度に護れるじゃないか。
着ていれば途中で盗むという事も難しくなる訳だし」
「たしかにそうだけど、重いんじゃないの?」
ルカルカの問いに、エースがきっぱりと言う。
「豪華な花嫁衣装は豪華さに比例して重かったりと
なかなか扱いの難しい物だけれど、
『どんな超重量花嫁衣装でもまとった花嫁は根性で笑顔と共に移動する』
ものなのだそうだ。
『重くて動けないの』
というのは、女性のプライドが許さないらしいぞ。
着た以上は素敵な笑顔で軽やかに動けるというのが花嫁マジック。
ブライダルの神秘なんだよ!」
「だって、アイシャ」
猫のように笑うルカルカに、アイシャが苦笑する。
「そうですね。
シャンバラ女王たるもの、このくらいの試練、耐えて見せなければ」
「こんな事もあろうかと
ウェディングブーケは渾身の逸品を作ってきたからね」
エースが、紅・桃・白系オールドローズの上品なブーケを見せる。

「ところで、アイシャ女王さんはシャンバラと結婚とかやるのか?
でも、シャンバラはもうアムリアナ女王さんと結婚してるから、それだと浮気になっちまう!
いやけど国との結婚ってその辺りどうなんだろうな?
……うぉぉ、考えるほどに難しい問題だぜ!」
大谷地 康之(おおやち・やすゆき)の問いに、
匿名 某(とくな・なにがし)がツッコミを入れる。
「何言ってんだよ!
それなら、シャンバラの女王は代々シャンバラと結婚してるはずだろ」
「そうか、再婚か!」
「違うわ!」
某が康之の頭をはたく。
それを見て、アイシャがくすくすと笑う。
「す、すみません、アイシャ女王! 失礼なことを!」
一国の女王を前に緊張する某だが、アイシャは首を振る。
「いいんですよ。そうやって、皆さんが普通に接してくれることがうれしいんです」
「アイシャ女王……」
某はアイシャの気さくな人柄にふれ、少し緊張を解く。
「それにしても、ルカルカたちはなんで平気なんだ?」
「ほえ? なにが?」
「どんな立場の方でも女性には礼儀正しくするのは当然だろ?」
ルカルカとエースにきょとんとされてしまい、
某は、
「俺が変なのかな……いや、そんなはずが……」
と、少し落ち込んでいた。
「ルカ。せめて敬語だけでも使わないか。
ロイヤルガードだろう?」
ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)が、パートナーをたしなめるが。
「アイシャも、気楽な友人として接した方が好きだと思うのよ。
任命される時も、
『アイシャ様と同じ年頃の女の子です。何かあったら気兼ねなく相談してね』って話したしね」
アイシャの笑顔を見て、ダリルは肩をすくめた。

「でも、
貴女は……ボクたち『人』と共に生きる事を選んだから
だから……前女王のように『国』と結婚するのは似合わないかもしれないですね」
真口 悠希(まぐち・ゆき)が言う。
アイシャは、穏やかな笑みを浮かべて答える。
「お気遣いありがとうございます。
ですが……。
アムリアナ様の大切にしていたシャンバラ……今も、多くの人が暮らしている。
国家神として、その衣装を私も着ることができれば、
それはとてもうれしいことなんです」
「そうですか……。
アイシャさまのご決断なら!」
悠希も微笑した。

「なあ、雅羅も、
アイシャ女王と話して緊張しないのか?」
「親しみやすい方だし、それに、私達と同じ普通の女の子でしょ」
「うおおおお、やはり俺が変なのか……!?」
某が落ち込む。

★☆★

そうしていると、またもや鏖殺寺院が襲い掛かってきた。
「ついに見つけたぞ! 花嫁衣裳ごと鏖殺博覧会に連れて行ってやる!」
「そんなものの為に、誰かを犠牲になんてさせはしない」
悠希が身構える。

「そこの剣の花嫁!
おまえ、イケメンだからきっといい展示品に……」
ダリルの周囲で、空気が凍りついた。
「死んでみるか?」
「あれは死ぬね」
メシエ・ヒューヴェリアル(めしえ・ひゅーう゛ぇりある)が、にこにこしながら言う。
「うん……」
ルカルカが苦笑する。
男性なので、「剣の花嫁」と呼ぶのは、ダリルには禁句なのだ。
「ダリル君。奴に抱きついて萎えさせてやりたまえ。
剣はこういう時こそ役に立つ物なのだろう」
メシエが言い、
「ほげえっ!?」
花嫁衣裳に手を伸ばした鏖殺寺院メンバーに、
ダリルが寝技をかける。
「ぎゃああああああああ」
「死んだわね」
ルカルカが、アイシャにその様子が見えないようにしながら言った。

「君は何もしないのか?」
「肉体労働は私向きではない。
ダリル君にさせるのが確実ではないかね。
私は、美しくない者に抱きつく趣味もない」
「美しい者相手ならいいのか」
メシエの言葉に、エースが苦笑する。