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 第2章 空京のカーチェイス!

「TVの前のよい子の諸君! TVから離れて見てく入れよな!」

葦原明倫館の
武神 牙竜(たけがみ・がりゅう)が、
パートナーの龍ヶ崎 灯(りゅうがさき・あかり)と二人乗りした
可変型機晶バイクに乗り、
酔っ払いのエアカーを追跡する。

「子どもが巻き込まれたりしたらどうする!
酔っ払い運転は許せん!」
特技である運転と追跡を駆使して、牙竜はエアカーを補足する。

「見つけたぞ!」

デジタルビデオカメラが灯によってバイクにセットされているため、
現場の映像がダイレクトにスタジオに運ばれる。

「うわああ! 捕まってたまるか!」

酔っ払い運転手はパニックになり、さらにアクセルをふかす。

「カード・インストール!」
牙竜の掛け声で、魔鎧の灯が身体に装着される!
その際、灯の服はすべて脱げるのだ!

その身体には、たくさんの広告が貼られていた。

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変身シーンの裸に貼られた広告を、
大きいお友達にコマ送りしてもらって、
宣伝するのが狙いだった。

空京大学の佐野 和輝(さの・かずき)
アニス・パラス(あにす・ぱらす)は、
グレイゴーストで、中継ヘリのように現場を撮影していたが。

「おい、今、怪しげな広告が映らなかったか?」
「え? 中華まんのお店や、いろんなもののお店、宅配屋さんの広告に、
あと、お友達募集の宣伝でしょ?」
「それだ! あんなのを放送していいんだろうか……」
「アニスよくわからないけど、『しちょうりつ』は上がったみたいだよ?」
アニスの報告に、和輝は頭を抱える。
「そ、そうか……。
まあ、なるべく大勢の人に番組を観てもらった方がありがたいからな」


「変身! ケンリュウガー剛臨!」

なお、この一連の変身シークエンスは、
すぐにネットに公開されて、
多数のアクセスを集めていた。

そこに、空京大学の
【魔法少女ワイルドロザリーヌ】こと、
九条 ジェライザ・ローズ(くじょう・じぇらいざろーず)と、
【魔法少女ハートサウンドカンナ】こと、
斑目 カンナ(まだらめ・かんな)が、
ローライダーに2人で乗り、
追いついてきた。

「止まりなさーい、運転手!」
ワイルドロザリーヌが呼びかけるも、
運転手は止まらない。

「うるせえ! 契約者がよってたかって追いかけてきやがって!
絶対捕まらねえぞ!」

「……酔っ払ってるねぇ、あれは」
「車のタイヤを撃って足止めしましょう。
一刻も早く止めなければ」
「ダメだよ、運転ミスで大きな事故になっちゃうかも」
ハートサウンドカンナの提案に、ワイルドロザリーヌが首を振る。
「じゃあ、どうするっていうんですか。
このままじゃ止められませんよ」
「ここにはケンリュウガーもいるし、多少無茶な作戦でもなんとかなると思う。
ローライダーをエアカーに併走させて!」
「え? 何を……」
「いいから、早く!」
ワイルドロザリーヌに言いきられ、ハートサウンドカンナはしぶしぶ作戦実行をする。

ローライダーは、エアカーに併走し、
ワイルドロザリーヌはワイヤークローをエアカーに引っ掛けた。
「うわあああ、何しやがる!」
「落ち着いて!」
ワイルドロザリーヌはエアカーに飛び乗ると、
運転手に話しかけながら、ヒプノシスをかけた。

運転手はかくんと眠りにつく。

「どっせーい!」
ワイルドロザリーヌはローライダーの助手席に向かって、
運転手を放り投げる。
それと同時に、ワイルドロザリーヌは超高速のエアカーから道路に飛び降りる。

「ちょ!?
危なすぎだぞ!?」
空飛ぶ魔法↑↑でかっこよくジャンプしたケンリュウガーが、
運転手を空中でキャッチして、ローライダーに着地させる。

「ワイルドにもほどがありますよ!」
ハートサウンドカンナの抗議に、
ワイルドロザリーヌは。
「てへぺろ☆」

「よし、これで決着をつける!」

一方、バイクに戻って加速したケンリュウガーが、
空飛ぶ魔法↑↑の力も利用して、滞空時間の長いジャンプで、エアカーに迫る。

「美、美尻だ……!」
和輝はアクション時のケンリュウガーの尻の引き方の見事さに感動していた。

「必殺! ドラゴニック・インパルス!」

エアカーの動力部に狙いを定め、
ケンリュウガーが空中で星輝銃の引き金を引く。

爆音とともに、スピンしながらエアカーは動きを止めていき、
ガードレールに引っかかって完全に停止した。

それと同時に、ケンリュウガーが、バイクの前輪から着地する。

バイクからさっそうと降りたケンリュウガーの、
尻からのアップに、画面は切り替わる。

ローライダーの助手席でのびていたエアカーの運転手は、
ハッとしてケンリュウガーを見る。

「無事だったようだな。
今回は誰も怪我しなかったからよかったものの、
子どもが事故に巻き込まれたりしたら、いったいどうするつもりだ!」

灯も、自分が酒に飲まれる恐さをよく知っているため、説教する。

「ありきたりな言葉だけど、
あえて言います!
飲んだら乗るな! 乗るなら飲むな!」

「す、すみませんでしたーッ!!」
運転手は泣きながら謝罪して反省した。

こうして、ケンリュウガーとワイルドロザリーヌたちの活躍は、
なぜか、ラストも、ケンリュウガーの美尻アップとともに、
和輝たちが撮影していたのだった。