First Previous |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
Next Last
リアクション
■□■
===
汝、瀬乃 和深(せの・かずみ)は、
悪人に捕らわれた幼い少女を救うため、
自ら身を投げ出し、少女の命と引き換えに、自らは死ぬであろう。
===
(死の予言では、俺が少女を助けるために命を投げ出すということだった。
だったら助けに行かなければ俺は死なない。
だけど、少女を見捨てることになる)
そうであるならば。
助けられる誰かを助けることができた方がいい。
そう考えて、
瀬乃 和深(せの・かずみ)は、
一人で出かけようとしていたが。
「待ってください」
上守 流(かみもり・ながれ)が、いつのまにか追いついてきていた。
「どうしたんだ?」
「危険な場所に行かれようとしているのですね」
予言のことは何も話していなかったのに、
流がそれを見抜いたことに、和深は驚いた。
「いや……俺は」
「私は、どこであろうとついていきます。
言ったはずです。
あなたの背は、必ず私が守ります」
真剣な表情の流を見るうちに、
和深は、ふ、と微笑を浮かべた。
「もしかしたら、二人で行けば未来は変わるのかもしれないな。
よし、行こう。
危険なことが予想されるけど、覚悟はいいか?」
「もちろんです」
流は、深くうなずいた。
■
「きゃああああっ!」
「さ、騒ぐんじゃねえ!」
カイ達を襲った像賊団の最後の一人が、
少女を人質に、逃げおおせようとしていた。
「その子を放せ!」
「なんだ、おまえら……!」
像賊が言い終わる前に、
和深の銃撃が放たれる。
続けざまに、流が、像賊の死角から攻撃する。
像賊が状況を把握する前に、戦いは終わっていた。
「大丈夫か?
こわかっただろ?」
和深に少女がこくりとうなずいた。
そして、安堵の嗚咽をもらす。
「ああ、もう大丈夫だから」
和深は、少女の頭をなで、優しく言った。
「ありがとうな。おかげで未来を書き換えることができた」
「私は、当然のことをしたまでです」
和深に微笑まれ、流は、満足そうに言った。
First Previous |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
Next Last