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「死の予言」を打ち砕け!

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「死の予言」を打ち砕け!

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第3章 破滅と、それを免れるために

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汝、リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)は、
十嬢侍アルバ・フレスカ(あるば・ふれすか)との確執により、決闘に敗れ、
仮面雄狩るの仮面をはがされて、恥辱を感じつつ処刑されるであろう。
===


【仮面雄狩る】の記憶を、
リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)は持っていない。
しかし、あまりにも夢が鮮明だったために、
そのことをパートナーの
アストライト・グロリアフル(あすとらいと・ぐろりあふる)に訪ねてみるが。
「知らねえよ!」
面倒を嫌ってそのことを隠していた張本人であったため、
何もわからなかった。



ハサミが一閃した。

アルバ・フレスカ(あるば・ふれすか)が、
仮面雄狩るの仮面をカンガンガニのハサミの武器でもぎとったのだ。

「さあ、これで、ボクの勝ちです!」
リカインが意識を取り戻したときは、すでに仮面ははがされていた。
身体も拘束されている。

「な、なによいったい……これが、私の最期だっていうの?」

すると、走ってくる影がある。
アストライトだ。
リカインが何か言いかける前に、
アストライトは、光条兵器のブレードトンファーを振りかぶった。
自分の死を理解して、リカインは言った。

「一足先に地獄で待ってるわよ」

「残念だったなバカ女、
俺は地獄でも地球人ならナラカだろ。
……もう、会わねぇよ」

アストライトは、アルバ・フレスカに向き直る。

「元々、リカインが契約しようとしてたのは
俺の兄弟に当たる別の剣の花嫁だったが、
その封印と俺のものは同一であり2人同時に目覚めたんだ」
ソルファイン・アンフィニス(そるふぁいん・あんふぃにす)のことを、
アストライトは告げる。

「リカインのことはお互い一目で「こいつは危ない」と感じた。
そのせいで……同じ感情を持ったせいで契約できてしまったんだろうさ」

アストライトは、パートナーロストの影響で、
視界がぶれていくのを感じながら、続けた。

「以来、俺達は一蓮托生でありながら常にその命を狙っていた。
「自由」を何よりも求めた俺にとって契約は迷惑以外の何物でもないけれど、
多くの契約者にとってはそうじゃないと思う。
事実、今パートナーのために、あるいはもっと大きなもののために戦ってる連中がいる。
もし俺の予想が正しければ敵がきっとここに姿を見せるだろう。
「死の予言」を狂わせれば、黒幕が、きっと……」

「ああ、あなたは……」
アルバ・フレスカが、アストライトに手を差し伸べようとする。
しかし、アストライトはそれを拒んだ。

「そいつは俺がなんとしても抑えるからネーチャン……でいいのかな?……は、
そいつの姿を「死の予言」と戦ってる奴らに伝えてほしい」
パートナーロストの影響を受けても。それでも。

「……ネーチャンパートナーは好きか?
好きなら、死ぬな。
伝えるのは逃げ切ってからで構わねぇ、振り向くな、生きろ」

「アストライトさん、あなたは「死の予言」を覆しました」
アルバ・フレスカが、空を見上げ、続ける。

「予想通り、敵が現れたりはしませんでしたが、
あなたの努力のおかげで、
あるいは未来が変わって、ボクは救われたのかもしれません。

ボクも、花子ちゃんのいる世界を守ってみせます。
そして、ボクの願う世界を実現するために戦い続けます。
リカインさんのためにも」

パートナーの佐藤 花子(さとう・はなこ)の名を挙げ、
アルバ・フレスカは決意を表した。

「はは、無駄死にか……バカ女が聞いたらどう言うかね」
アストライトは、皮肉っぽく笑う。

パートナーロストでひざまずくアストライトだが、
アルバ・フレスカは、振り返らずに走っていく。

大切なパートナーと、世界を救うために。