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「死の予言」を打ち砕け!

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「死の予言」を打ち砕け!

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第4章 囚われの「彼女」を救え

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汝、ロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)は、
恋人の桜井 静香(さくらい・しずか)をテロリストに人質に取られ、
静香を助けるために命を落とすであろう。
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「私自身の事もそうなのですが。
何より静香さんがテロリストに捕まるとか危険な目に遭うなんて。
絶対にそんなことさせません!」
ロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)は、
そう考えて、阻止するためにも、
情報を得るため、夢で見たイルミンスール魔法学校大図書室の調査にやってきていた。

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「死の予言」を与えたのは、
とある、強い魔力を持った「蛇の姫」である。
「蛇の姫」は、龍の眷属である大蛇であり、
美しい娘に化身することができる。
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「彼女」が囚われているのは、
イルミンスールの森の奥深くにある、崩れかけた塔の最上階である。
イルミンスール魔法学校の大図書室に、その塔の場所が描かれた地図がある。
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オリヴィア・レベンクロン(おりう゛ぃあ・れべんくろん)は、
御託宣で得た、
「暗い場所にいる誰か」の情報を仲間に共有していた。

「御託宣で調べましたけど
恐らく蛇の姫が彼女になるのかしら?
別の情報で得られた魔術師かもしれませんけど
確率が高そうなのは『彼女』の方よね。
私が興味があるのはその相方さん。
つまり、蛇の姫さんが同じ苦痛と恐怖を
味あわせたいと思っている原因になった方について調べましょう。
イルミンスールに縁のある方?
契約者だけに呪いって言うのも意図があるのかしら?」

龍の眷属である大蛇や蛇の姫などの逸話、
塔の由来についてなど、
ロザリンドと協力して、オリヴィアも捜索を行う。

得た情報は、桐生 円(きりゅう・まどか)
パートナーの携帯機能で伝達するつもりだ。



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汝、風馬 弾(ふうま・だん)は、
年上の女性に道を聞かれた際、教えようとするが、
実はその相手が殺人鬼であり、隙を突かれて殺されるであろう。
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風馬 弾(ふうま・だん)も、
ロザリンド達と一緒に、大図書室の調査を行う。

「どうしても地図が必要なんだ。
大勢の人の生命がかかっているんだよ!」
大きな丸い目をウルウルさせて、図書館司書の女性に泣きついたりしながら、
弾は、地図の捜索を続けた。

そして、大図書室の奥の奥、
誰も入らないようなほこりまみれの場所で、
その地図は見つかった。

「これが、塔に向かう地図……!」
弾は、この地図を、
パートナーのノエル・ニムラヴス(のえる・にむらゔす)に渡した。
ノエルは「死の予言」を受けていないため、
安全だと判断したからだった。

「僕に何があっても、地図を見つけ出し、仲間に必ず届けて」
そう告げられたノエルは、
弾にいくら訊ねても、予言の内容を教えてもらっていなかった。

(心配ですけど……。
この地図を届けることは、仲間の皆にとってとても重要な仕事です。
きっと、弾さんにも考えがあるのでしょう)

そう思い、
ノエルは、地図を持って、振り返らずに走り出す。

その後を追いながら、弾も、仲間の元へと向かう。
(死の予言が、ノエルじゃなくて僕のところでよかった。
早く事件が解決して、ノエルと無事に過ごせる世界が来てくれれば……)



一方、ロザリンドは、蛇の姫についての情報を調べていた。
しかし、なかなか夢の情報以上のことはわからない。

ふと、心細さを感じて、
桜井 静香(さくらい・しずか)へと電話をかける。

「あの、静香さん、無事ですか?」
「え、どうしたの?」
「あ、いえ、私がそばにいないと心細くないかなー、とか、
ラズィーヤさんにまた玩具にされてないかなーとか。
そう、そういったことが心配だったのですよ」
「僕は大丈夫だよ。
ロザリンドさんは?
また任務なんでしょう?」
静香の優しい気づかいに、ロザリンドは元気に答えた。

「こちらは元気に事件解決のお仕事してますから。
ハイパーランサー!
今日も世界の平和のために頑張ります!
ですから、そちらも、色々注意してくださいね」
「うん。今の世の中は、だいぶ物騒だし。
僕も、皆に心配かけないようにしないとね。
もちろん、ロザリンドさんにも」
最後に、静香の声が聞こえる。
「気をつけて」
「はい、もちろんです」

その電話は、なによりも、ロザリンドを勇気づけるものだった。

「ハイパーランサー!
事件解決のために頑張りますよ!」
再び気合いを入れた時。

「図書館ではお静かに!」
司書さんに怒られてしまった。
かなり大きな声で電話をしていたようだ。
「あ、す、すみません!」
慌てて謝るが、もう、心細いのはなくなっていた。

静香には、心配をかけないよう、予言の内容は話していない。
だから、余計に、絶対に実現させないよう、
根本原因を調査しなくてはいけないのだ。

そして、調べ物を再開すると、
蛇の姫に関する言い伝えを発見することができた。

「これを、円さんや、刀真さんたちに」
「ええ。きっと役に立つはずよ」
塔に向かった
桐生 円(きりゅう・まどか)樹月 刀真(きづき・とうま)のもとへと、
調べた情報を伝える、ロザリンドとオリヴィアだった。