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東カナンへ行こう! 4

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東カナンへ行こう! 4
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■エンディング

「おーい、みんなーーー」
 砂漠に呆然と立っている彼らの元へ、レオーナ・ニムラヴス(れおーな・にむらゔす)が空飛ぶ箒に乗って現れた。
「レオーナさま」
 ぴょんと飛び下りたレオーナの元へクレアが駆け寄る。
「よかったー間に合ったー。ゴーレムちゃん、足遅いし。間に合わないかと思ったー」
「ゴーレムですか?」
「そっ。ほら」
 と、今来た方角を指さす。そこにはのそのそと歩いてくるゴーレムの姿があった。両手で人を運んでいる。
「説得して、連れてきたよん」
 レオーナはにししっと笑ってピースを出した。



 老ジャファルは年老いた両目から涙をあふれさせ、ぬぐうことも忘れたように手を取り合ったジャファルとシャディヤの姿に見入っていた。
「よかった……よかった……」
 ひたすら、それだけをつぶやいている。
「ジャファル……ありがとう」
 シャディヤに言葉をかけられた、老ジャファルは声もなく首を振る。
 その姿を見守っていたレオーナの前、老ジャファルは少しずつ色を失っていった。
「あっ、おじいちゃん? 体が消えだしてるよ!?」
 あわてるレオーナの手を老ジャファルのしわだらけの手がそっと握る。
「ありがとう、お嬢ちゃん。シャディヤが解放された姿を見られて、本当にうれしい。ありがとう……」
「おじいちゃん!」
 感謝するようにレオーナの手をぽんぽんとたたきながら、老ジャファルは宙に溶けるように消えていった。
 ジャファルが時空の穴に落ちなかった以上、老ジャファルは存在しない、ということなのだろう。
「おじいちゃん……」
「あの方、レオーナさまに心から感謝していましたわ」
 そっとクレアがレオーナの手をとる。
「物語の結末を自分の目でたしかめることができて、満足して逝かれたのでしょう」
「……うん」
 レオーナはぐいっと熱くなった目元をぬぐうと、笑顔になった。

「オアシスなくなっちゃったし、冒険も終わり!
 みんな、シャンバラへ帰ろ!」




 そして時空の穴に落ちた柊 恭也(ひいらぎ・きょうや)だが。
 彼はだれもいない砂漠の上にまっさかさまに落ちていた。
「いってーな、ちきしょーメ」
 打った背面をさすりさすり身を起こす。
「……で? ここ……は、カナンだろうな、たぶん。問題はいつのカナンかってことなんだが……」
 きょろきょろ辺りを見回すが、それっぽいヒントになりそうな物はない。
 あごに指をあて「んーーー」と考える。
 が、考えたところで名案が浮かぶわけでなし。
「前向きに考えっか」
 つまり、それらしい物が目に入るかどうかして、分かるまで保留、棚上げにしておくのだ。
 ここでいつまでも座っていたってしかたない。
 満点の星空の下、恭也は歩き出した。
 たぶんこっちと勘で見当をつけたシャンバラの方角へ向かって。


 



『東カナンへ行こう! 4  了』

担当マスターより

▼担当マスター

寺岡 志乃

▼マスターコメント

 こんにちは、またははじめまして、寺岡です。

 今回も楽しいアクションをたくさんいただきまして、ありがとうございました。
 わたしのシナリオに入られる方はバトルの方が多いため、塔攻略に偏るのではないかと心配していたりもしたのですが、ふたを開けてみるとちょうどいい配分になっていたのではないかと思います。



 それでは、ここまでご読了いただきまして、ありがとうございました。
 次回はまだ決まっていませんが、そちらでもまたお会いできたらとてもうれしいです。
 もちろん、まだ一度もお会いできていない方ともお会いできたらいいなぁ、と思います。

 それでは。また。


 ※09/24 文言の一部を修正、訂正させていただきました。