校長室
【ざんすか内乱】だいこんらんのだいこうや【第2話/全3話】
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第5章 「地祇でも他の種族でもなんでもいいから、遺跡に行って一緒に合体するざんす!」 風森 望(かぜもり・のぞみ)は妄想を繰り広げていた。 (名前も出て来ませんでしたが、『たしがんたん』や 『くうきょうたん』、 『あしはらたん』もきっといるはず! 探し出してきて、第三勢力を作ってしまいましょう!) 「タシガンの地祇なら、 きっとエリート意識のあるお嬢様か御曹司っぽい地祇のはず! プライドをくすぐって味方につけましょう! 空京の地祇なら、 田舎から上京してきて、 ちょっと垢抜けてきた勉学少女ちっくな地祇のはず! 軍師役として是非とも味方に引き入れましょう! 葦原の地祇なら、侍少女かクノイチの地祇のはず! 戦闘面ではきっと頼りになるはず! 『たしがんたん』がリーダー、 『くうきょうたん』が参謀、 『あしはらたん』が戦闘隊長ポジションで行きましょう。 そして、前回作った名簿の地祇たんを掻き集めて一大勢力を作り上げてしまいましょう!」 望は一人で語って笑う。 「ふふふふふふ! 望むのです! なぜなら、私の名は望! 妄想を現実にする! だって、これはクリエイティブRPGなのですから!」 そこに、金髪縦ロールの10歳くらいの少女が現れ、 望を回し蹴りでぶっ飛ばす。 「なぜ、わたくしが含まれていませんの!? あなたの勝手な妄想とはいえ、 シャンバラ地祇を統べる存在たるわたくしが含まれていないのは納得できませんわ!」 「そ、その高飛車な態度! 口調! その外見は! あなたはヴぁいしゃりーたん!?」 「そのとおりよ! 『あしはら』とか入ってるのに、 ヴァイシャリー湖の精であるわたくしが入っていないなんて納得できませんわ! わたくしをリーダーにして設定しなおしなさい!」 その近くで、暗黒ゴスロリ衣装に身をつつんだ9歳くらいの少年が、 白いワンピースの6歳くらいの少女をロープでぐるぐる巻きにして連れていた。 「たしがんちゃん、どこにいくの?」 「フフフフフ、いいところだよ」 「たしがんたんはまさかの女装っ子!? そ、そして、その純真無垢っぽい子がくうきょうたん!?」 「うん、くうきょうはくうきょうー。 とうきょうとはちがう発音なんだよー。 えへー」 そんな状況で、望のパートナーの葦原島にある町の剣術小町風の地祇、 葦原島 華町(あしはらとう・はなまち)は、たしがんとくうきょうの前に土下座する。 「たしがん殿! 女装腐男子で暗黒ゴスロリのカリスマで、是非ともご助力お願いするでござる! くうきょう殿! 空京大学を誘致したそのお知恵を拝借させて頂きたいでござる!」 「ちょっと! なんでわたくしにはお願いされませんの!」 「それは……拙者、あしはらの姉上か兄上用の口上を考えていたので、 ヴぁいしゃりー殿用のは思いつかなかったのでござる!」 「うそおっしゃい! 今、あなたがたしがんを『女装腐男子』とか 『これがすべてです』みたいなキーワードで 言い表したのアドリブでしょう! わたくし用のも考えるべきですわ!」 「私達はヴァカキリーことお嬢様のせいで、 ヴぁいしゃりーたんの属性にはわりと飽きていたんです!」 「ひ、ひどっ!?」 望のパートナーのヴァルキリーノート・シュヴェルトライテ(のーと・しゅう゛るとらいて)は、 ショックを受ける。 「こうなったら、さっき、望にお願いされたことを実行して、 わたくしの実力を思い知らせますわ! あんなわたくしの2Pキャラみたいな地祇、 わたくしの縦ロールの前では敵ではありませんもの!」 「なんですって! ヴァルキリーの小娘なんかに負けませんわ!」 ヴぁいしゃりーが対抗意識を燃やす中、ひらにぃの前に走っていってノートは踊る。 「どりるどりる、どりどりどりる〜♪」 「ドリル、スキ」 「な、なんですって!?」 「お〜ほっほっほ! わたくしの勝ちのようですわね! さあ、ひらにぃさん、 この円錐状のスナック菓子とチョコレート菓子を受け取ってくださいませ!」 「オマエ、スキ」 ノートは、ひらにぃの懐柔に成功する。 「あの御菓子、何か意味があるでござるか?」 「ぱっと見、ドリルっぽいじゃない」 華町と望は言う。 そこに、地祇のタシガン・空峡(たしがん・くうきょう)がひらにぃに襲いかかる。 「地祇大戦とは、わし抜きで何を楽しそうにしてるんだぜぃ! わしも是非加えろ! 先ずはその武器、とうまそうなお菓子、頂いていくぜぃ!」 空賊節を炸裂させ、タシガンはひらにぃのドリルとお菓子を狙う。 「あっはっはっ! 泥棒しようってのに堂々としすぎよぉ!!」 シャンバラ人の瀬良永 梓(せらなが・あずさ)は、 バカ笑いしながら、タシガンにハリセンでツッコミを入れる。 「うおおおおおだぜぃ!」 タシガンはぶっ飛ばされる。 「うわあああ、なんなのだ!」 「お茶会の席に空賊っぽい格好の地祇が突っ込んできやがったざんす!」 しゃんばらだいこうやとざんすかは言う。 「タシガンの奴、どこいったんだ。 めんどくせぇ……」 軍用バイクに乗ったタシガンと梓のパートナーの篠宮 悠(しのみや・ゆう)は、 突っ走るタシガンの後を追って、一歩引いた場所から眺めるつもりだったが、 望をボコっているヴぁいしゃりーを発見する。 「きゃー、外見10歳の高飛車な女の子に関節技……っ! 冷静に考えたところ、充分守備範囲内だということに気づきました!」 「なんで、幸せそうなんだ……?」 望を見て、悠は言う。 「おーほっほっほ! 混乱に乗じてこのヴァイシャリー湖の精ヴぁいしゃりーが、 目覚めたばかりの幼い空京の町の精くうきょうを、さらって、 暗黒ゴスロリ腐男子ショタであるタシガンの町の精たしがんとともに、 生贄にする作戦が実行できますわ! ダークヴァルキリーに汚染されたくうきょうを生贄にすることで、 シャンバラの地祇の長しゃんばらに匹敵する力を得ることができますのよ!」 「フフフフフ、ボクは権力とかどうでもいいけど、 暗黒儀式とか闇魔法とかやりたいからね。 くうきょうくん、楽しみにしていてくれたまえ」 「え、なに、楽しいの?」 ヴぁいしゃりーは高笑いし、たしがんは怪しく笑い、空京は状況がよくわかっていない。 「なんだ、あの説明台詞……。 ていうか、あいつらくうきょうを生贄とか、悪党じゃねえか。 あー、なんでこんなもん発見しちまったんだオレは。 だるい……めんどくせぇ」 悠は言うが、ざんすか達はタシガンとノートを殴っていた。 「うおおおお、おぬしらだけで楽しんでいてずるいぜぃ! わしのドロップキックをくらうぜぃ!」 「ごはっ!?」 「あっ、つぁんだに命中してるざんす! さすが6大都市地祇最弱ざんす! よくわからないお子様理論で無茶言うんじゃないざんす!」 「うぎゃあああああああああだぜぃ」 「あはははは! ざんすかにまでお子様理論とか言われてるじゃない! って、ぎゃああああああああああああああ」 「おーほっほっほっほ! お星様になっても今回はわたくしのヴぁいしゃりーに対する勝利はゆらぎませんわよ!」 ざんすかのラリアットでタシガンと梓とノートは叫んでお星様になった。 「ぐはっそろそろ限界です……」 「主殿……ぐふっ」 望と華町も、ヴぁいしゃりーの関節技に気絶する。 「くっ、なんとなく覚えてらっしゃい! 早く遺跡に向かいますわよ!」 「フフフフフ、これから儀式をやろうというのに捨て台詞とは、 面白いねヴぁいしゃりーくん。 まあ、僕は暗黒だったり闇魔法だったりすればなんでもいいのだけれど」 「え、なになにー?」 ヴぁいしゃりーとたしがんは、くうきょうを抱えて走り去った。 しゃんばらだいこうや達は我に返る。 「いかん、遺跡でくうきょうが生贄にされてしまうのである! 生贄のかわりに、我ら地祇が合体することで、 シャンバラ王国の地祇であるしゃんばらを復活させ、 契約者のパラミタの民もともに合体することで、神子の記憶を呼び覚ますのだ!」 「わかったざんす! この際、地祇でも他の種族でもなんでもいいから、 遺跡に行って一緒に合体するざんす!」 「オマエ、コロス」 「ひらにぃ、なんとなく、ヴぁいしゃりーとたしがんへの怒りなのはわかるけど、 オラに言われてるみたいでおっかないだよ」 「争いはよくないじゃた。 くうきょうを生贄にするのをやめさせたら、 ヴぁいしゃりーとたしがんも一緒に合体して、 しゃんばらを復活させるじゃた」 「儀式だって? ふふふふふ、この状況をうまく利用すれば、 僕がシャンバラの地祇の長に……!」 「聞こえてるざんす! つぁんだは今すぐ生贄にしてやるざんす!」 「うわあああ、冗談だって言ってるじゃないか、 僕達もう全員友達だろ、ざんすかー」
▼担当マスター
森水鷲葉
▼マスターコメント
【ざんすか内乱】第2話、ご参加いただきありがとうございました。 次回、 【ざんすか内乱】ふっかつのしゃんばら【最終話/全3話】 シナリオガイド公開日は、5月21日(金)の予定です。 私信、感想等をくださる皆様、どうもありがとうございます。 個別にお返事することはできませんが、こちらでお礼とさせていただきます。 次回も何卒よろしくお願いいたします。