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リアクション
レオンハルト・ルーヴェンドルフ(れおんはると・るーべんどるふ)は、
パートナーの二人の剣の花嫁、シルヴァ・アンスウェラー(しるば・あんすうぇらー)と、
ルイン・ティルナノーグ(るいん・てぃるなのーぐ)とともに、
飛空挺で、第六天魔衆の制圧した遺跡のある島から脱出した。
眼帯を取りサングラスを着け髪を解く、という変装を外し、
いつもどおりの「教導団のレオンハルト」の姿になる。
レオンハルトは、ツァンダの町から、シャンバラ教導団に連絡をいれる。
第六天魔衆の目的、方針、メンバー、戦力、拠点の位置、武装などを伝達し、
反地球人思想の組織である以上教導団の利益とシャンバラの秩序の為に討伐する必要を進言する。
「剣の花嫁の封じられていた遺跡は、すでに確保する準備が整っています。
早急に回収し、調査する必要があるかと思われます」
また、鏖殺寺院のジャルディニエなる人物が、
天魔衆とタシガン領主アーダルヴェルト卿との間に
協力体制を築こうとしている現状、
これを利用すれば、タシガン領主の弱みを握れる可能性を示唆する。
レオンハルトは、天魔衆の内部調査を行っている緋桜 ケイ(ひおう・けい)については、
その名前を秘匿して報告した。
「私とて軍人です。組織に害を為したとあらば切り捨てられるは当然。
しかし全ては最終的な成果を見てからにして頂きたい。
今までの情報にはその程度の価値は有ったと、自負しておりますが」
教導団上層部は、「その場に待機して、連絡を待つように」指示し、通信を切った。
「残念ながら、ツァンダでも、
地球のインターネットとリアルタイムで接続することはできないみたいですね」
報告の終わったレオンハルトに、シルヴァは言う。
「パラミタにて、第六天魔衆なる空賊にイスラエルの外務大臣が襲撃され、
輸送艇が墜落した件、
及び当件について会談の護衛を行っていた
薔薇の学舎ならびに会談の主催者である、
ジェイダス・観世院(じぇいだす・かんぜいん)の責任がうやむやになっている」
という情報を、親教導団系の中国、
シャンバラに大きな影響力を持つ日本、
事件の当事者であるアラブ諸国の
各ジャーナリストをピックアップして、リークしようとしていたシルヴァであったが、
パラミタと地球はインターネット環境にズレが存在している。
これは、比較的ネット環境のよい、ツァンダ、空京、蒼空学園、空京大学のすべてに共通している。
ツァンダには{SNM9999003#御神楽 環菜}の情報目当てのマスコミ関係者が駐在している。
とはいえ、教導団員であるシルヴァが直接、ジャーナリストに接触して
情報をリークするというのは無理な話である。
また、シャンバラ駐在のマスコミ関係者は、シルヴァが流そうとした情報はすでに入手している可能性が高い。
考えた結果、ジャーナリストに接触したり、
ネット上に匿名で噂話を広めるという作戦はあきらめざるを得なかった。
「まあ、それはいい。
作戦はおおむねうまく行きそうだ」
レオンハルトはシルヴァに言う。
「もうすぐ到着すると思うかな、注意して欲しいんだよ!」
ルインは、知人であるローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)に、
薔薇学への天魔衆襲撃の連絡を行っていた。
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