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リアクション
■□■3■□■ 宮殿・静香への手紙
現在のクリストファー・モーガン(くりすとふぁー・もーがん)は、
未来のクリストファー……身体が入れ替わって、パートナーの精神が戻った相手に、
手紙を渡す。
これは、クリスティー・モーガン、つまり、
過去の身体が入れ替わった状態でのパートナーの書いた手紙である。
「未来の静香校長宛への手紙だよ。
もちろん、中は見てない」
手紙を渡されて、未来・クリストファーは沈黙する。
(内容は知らないけれど、心情に訴えるものに違いない。
実力で勝てない以上は、この手紙で事態が好転することを願うしかないかな)
現在・クリストファーは、そう考えていたが、
未来・クリストファーは、黙ったままで、その場を立ち去った。
(未来静香様が神として君臨し続けるのを選ぶなら、どこまでも付き従う。
ソーセージを食べて男に戻りたいなら、それでも良いと思う。
今でも好きですし、尊敬しています。
……どうやっても結ばれる事はないですが)
未来・クリストファーは、未開封のまま、手紙を静香に渡した。
「静香様のご加護を」
十嬢侍として、神に近づいた静香の、
「女王の加護」に代わる「静香の加護」を、未来・クリストファーは小さくつぶやき、願う。
★☆★
自室で一人きりになった未来・静香は、
クリスティー……つまり、本物のクリストファーからの手紙を読む。
前略
覚えていますでしょうか?
過去でペンフレンドだったクリスティー・モーガンです。
ボクの時代の静香校長はいつも苦労しているように見受けられます。
でも、くじけず前向きで、へこたれない人です。
正直に言います。最初は何も知らず、外見を見てほれました。
でも、接しているうちに、すばらしい人格の持ち主であると
時折、愚痴の1つも言ってくれればと思うこともあります。
ボクでは静香校長の支えになれないのだろうかと、そんな寂しさを……
でもこれからもボクは、
少しでも静香校長の手助けになれば、
手助けできるような人間になれれば、
そう思ってこれからも精進するつもりです。
未来の静香様もボクと文通していた頃の気持ちを思い出していただければ幸いです。
どうかお元気で。
あなたのクリスティー
静香は、手紙を封筒に戻し、机の引き出しに入れて鍵をかけた。
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