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リアクション
(・生身戦闘)
激しいイコン同士の戦闘が繰り広げられている中、そこへその身一つで飛び込んでいく者がいた。
ラルク・クローディス(らるく・くろーでぃす)である。
(この前のこともあって、イコンとの戦いを身体に叩き込んでおいてよかったぜ)
学院の教官に挑んで敗れはしたものの、おかげでイコンの特性と攻略への手がかりを掴むことが出来た。あとは、この戦いでその成果を発揮するだけだ。
とはいえ、飛ばない限り高い位置を飛行している敵へ攻撃は届かない。
そのため、プロミネンストリックを使い、空へと飛び上がる。小型飛空挺よりも速いため、それに神速による速度を加えることで、イコンの攻撃を回避出来る程度には立ち回れる。
だが、問題がある。生身の人間はイコンのレーダーに反応しない。そのため、下手をすれば味方の攻撃に巻き込まれる可能性がある。
高度を上げすぎないようにして、ヒロイックアサルトの剛鬼と疾風の覇気も利用し、最大限のスピードをもって敵のイコンへと立ち向かっていく。
その相手は、デッキの近くで基地の防衛を行っているシュバルツ・フリーゲのなかの一機だ。
先の先で相手の動きを読み、機関銃の攻撃を避ける。
(風よりも速く駆け抜けて……やるぜ!)
だが、相手は弾幕を張れる。避けきれないものは龍の波動を飛ばし、相殺する。相手はその場から動かず、ラルクに向かって弾丸を放つだけだ。
機関銃の適性距離よりも踏み込むと、今度は頭部バルカンによってラルクを狙う。だが、目視のみでラルクを追いきれてはいないようだ。
シュバルツ・フリーゲの下を潜り抜け、背後に回りこむ。そこにあるのは、フローターだ。
「神だろうが、イコンだろうが、倒せるものは倒すのみだ!」
推進装置であるそれに向かって、鳳凰の拳を叩き込む。無論、単なる物理攻撃だけではイコンの装甲は破れない。
龍の波動、疾風の覇気、波動の闘気と、全身から発せられる気という気を開放することによって彼自身の拳が直接届いたのである。
フローターを失った機体は、静かに高度を下げていき、
「これで終わりだ!」
渾身の一撃をもって地面へと殴り落とした。その衝撃によって機体は完全に制御を失った。
そのまま彼は次の機体を見据え、地面を勢いよく蹴る。
* * *
そして生身で挑む者がもう一人。
月谷 要(つきたに・かなめ)である。
(どうやら見えてないみたいだねぇ)
レーダーに映らないことを利用し、そこに光学迷彩を併用することで気付かれないようにしている。
上空の戦闘が激しさを増していることもあり、鋼骨機翼によって飛行しながら敵機へと立ち向かっていく。
(今だって生身でイコンを撃破した人がいるんだ。俺だって……)
そう、今まさに拳でイコンに打ち勝った者がいる。自分の身一つで倒せないなんてことはない。
目の前にはやはり基地を守るシュバルツ・フリーゲがいる。機関銃を用いて上空の援護を行っており、要の存在には気づいていない。
決めるならここで一気に。
黒檀の砂時計を使用。周囲の動きが遅く感じられるようになる。
シュバルツ・フリーゲの背後に回り込み、担いでいた機晶ロケットランチャーを構え、装甲を撃ち抜く。
弱点は分かっている。位置を悟られないようにすぐ移動し、二発目、三発目とお見舞いする。
至近距離から対イコンのランチャーを続けざまに受け、敵機は地面へと落下していった。
(なんとか、なるもんだ……)
だが、この程度で満足はしていられない。
あの『白銀』を超えるには、余裕で勝てるようにならなくては。
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