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リアクション
■□■5■□■ つぁんだと遺伝子提供
「では、今のうちにじゅせいらん計画を進めましょう☆」
ラズィーヤの提案で、
急いで準備することになった。
緋桜 ケイ(ひおう・けい)は、
つぁんだを説得して、魔導受精の手伝いをすることにした。
「俺には遺伝子を提供するほどの覚悟はないが、それでも未来を救う手伝いはしたい。
乗りかかった船だろ?
最後まで手伝って恩を売っておけば、
静香やラズィーヤだって、きっと無下にはしないはずだ」
「まあ、これで、ヴァイシャリーを勢力下におくことができれば、
シャンバラの地祇(ちぎ)の長になる僕の夢もかなうはずだ。
ふふふふふ」
「そういえば、プロフェッサー・ポシブルは?」
「男の娘も女の子も好きなんだろ?
ケイなんか真っ先に襲われちゃうよ!」
「そんな、まさか、この状況で……」
ケイが、つぁんだに軽い調子で答えたが。
「どんな状況でもプロフェッサーはエロスをあきらめないよ!
イッツ・ポシブル!」
「うわあああああああ!?」
「ぎゃああああああああ」
ケイとつぁんだは2人仲良く襲われた。
★☆★
「あいつ覚えてろよ……ってこれは!」
つぁんだは、床に落ちている札束を発見して反射的に近づく。
「とったにゃー!」
「ギャー!?」
イングリット・ローゼンベルグ(いんぐりっと・ろーぜんべるぐ)が、
網でつぁんだを捕獲し、ロープで簀巻きにする。
秋月 葵(あきづき・あおい)が、逃げられなくなったつぁんだに接近する。
「今、遺伝子提供して
小ラズィーヤちゃんの母親になればお金持ちになれるよ♪
だってラズィーヤさんってヴァイシャリー貴族だよ……。
あとは言わなくても賢いつぁんだちゃんならわかるよね♪」
「な、確かにそうかもしれないけど……」
「うーん、ちょっと魔砲ステッキの調子が悪くて」
「わー、こっちに向けるなああああ!」
「バナナおいしいにゃー」
イングリットが、おやつを食べつつ、葵によるつぁんだの「説得」を見守る。
5分後。
「うう……」
ところどころ焦げているつぁんだが、
葵に連行されて遺伝子提供させられていた。
「【外見特徴:ボーイッシュ】
【性格:狡猾で謀略家だが弄られ属性】の小ラズィーヤちゃんが誕生だね!」
「それって……」
ひきつる小ラズィーヤに、葵が言う。
「大丈夫! 過酷な未来を生き抜くためには、
何より生命力が必要だと思うんだよね。
フルボッコにされても次の瞬間には復活してるつぁんだちゃんなら、
どんな未来でも負けない小ラズィーヤちゃんになるよ!」
「まあ、可能性は多い方がいいからな」
小ラズィーヤが、魔導受精を進める。
「んーとね、面白そうだから〜イングリットもやるにゃー♪」
にぱぁ、と笑ったイングリットが、尻尾の毛を提供する。
かくして、
【外見特徴:セミロング、虎耳と尻尾あり】
【性格:かなり大雑把で飽きっぽい】
という、小ラズィーヤも誕生するのだった。
そうしていると。
「ポシブル、これも入れていいのか?」
「いいよー、イッツ・ポシブル!」
いつのまにか打ち解けているケイとポシブルが、装置を操作する。
「あれ? これって……」
装置のモニターを確認していたケイが、硬直する。
「こ、この髪の色といい、何よりも、この声……ま、まさか……」
「あー、つぁんだちゃんが母の小ラズィーヤちゃん、もう一人生まれてるよ!」
葵も、その様子を確認する。
【外見特徴:見た目は小ラズィーヤのままだが、金髪。静香のように、実は男の娘】
【性格:狡猾で謀略家だが、詰めが甘い。ラズィーヤのように、口調はお嬢様】
という、小ラズィーヤが誕生したのだった。
「って、なんで僕の遺伝子なのに男の娘なんだよ!」
「あー、これって遺伝子提供に実際に関わった人のイメージが、
投影されるかもねー。
想いの力が一番大事だから」
動揺するつぁんだに、ポシブルが平然として言う。
そうしていると、アルバ・フレスカがまたも復活してくる。
「男の娘ですって!? 宦官にしますよ!」
「アルバ・フレスカ、もう、言ってること、わけわからなくなってるにゃー」
そう言ってイングリットが静香を守ろうとするが。
「にゃー!?」
イングリットが自分がポイ捨てしたバナナの皮を踏んで転んだ。
「い、痛たた……ん? この布何かにゃ?」
「え? きゃああああああああああああああああ!?」
イングリットが引っ張ったのは静香のスカートであった。
「静香さんー!」
ロザリンドが復活し、またもや、
イングリットや葵、アルバ・フレスカをぶっ飛ばす。
「遺伝子提供できたし、ぶっ飛ばされても気にしないにゃー!」
「バナナのフラグの回収も確認したし、ぶっ飛ばされても気にしないよ!」
イングリットと葵はお星様になった。
「ぐはっ」
またもアルバ・フレスカが倒れると、ロザリンドもその場で眠り始める。
その横で、ケイがつぁんだに詰め寄られる。
「こうなったら、その世界では一緒に小ラズィーヤを育ててもらうからな!」
「こ、こうなってしまった以上、俺も、男として責任は取るつもりだ」
「じゃあ、十嬢侍になってもらうってことで」
「え? それって……」
ケイはそのパラレルな時間軸では十嬢侍になることになるのだった。
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