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リアクション
■□■2■□■ 小ラズィーヤと、じゅせいらん計画
冬蔦 日奈々(ふゆつた・ひなな)と
冬蔦 千百合(ふゆつた・ちゆり)は、事態を傍観することにしよう、と話し合った。
「傍観って……それで、いいのかなぁ……。
協力とか、してあげた方がいいんじゃ……」
「う〜ん、協力っていっても『どの集団に?』って感じだからな〜。
校長が宦官になってもならなくてもどっちでもいいし、魔導受精も興味ないもんね」
日奈々は優しいなあ。
そう言って、千百合は小柄なパートナーの髪をやさしくなでた。
「はうっ……。
まぁ……確かに……
どの、集団に……協力、するのが……いいのかは……
全然、わからないですけど……」
伴侶の行動に、顔を赤らめながら、日奈々が答える。
「魔導受精であたしと日奈々の子どもが作れるっていうなら別だけど
そういうのじゃなさそうだしなぁ」
「ふぇっ!? 私と、千百合ちゃんの子ども、ですか……」
ますます赤くなるパートナーに、千百合がいたずらっぽく笑う。
「もし子どもが作れたら日奈々は嬉しい?」
「それは……作れたら、うれしいですけど……」
耳まで赤くなって、日奈々がうつむく。
「よし、未来の技術でそういうのがないか小ラズィーヤちゃんに聞いてみよう」
「聞いてみるんですか……?
あれば、うれしいですけど……たぶん、ないんじゃないかなぁ……」
手を取って元気よく歩き出す千百合に、
日奈々が小首を傾げながら続く。
★☆★
「今回の魔導受精では同性同士だけの子どもを作ることはできないぞ」
「なーんだ」
「やっぱり……」
がっかりする2人に、小ラズィーヤは続ける。
「まあ、いずれ、未来の世界ではできるようになるかもしれないがな」
「えっ、じゃあ、あたしと日奈々にも!?」
「千百合ちゃん……!」
2人が手を取りあう。
「未来の可能性は無限大だからな。
あ、だからって、すぐできるようになるとは限らないぞ……って、聞いてないな」
新婚2人は、幸せな未来を夢見て、小ラズィーヤを置いてけぼりにするのだった。
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