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【裂空の弾丸――ホーティ盗賊団サイド――】綺麗な花には何がある?

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【裂空の弾丸――ホーティ盗賊団サイド――】綺麗な花には何がある?

リアクション

「なに!?」
 ベストタイミングで現れたフリューネたち。
 更にその後方からバルク、ルニ、それを追ってきた契約者たちなどが勢ぞろい。
「あ、姐さああああん!」
「ホーティ」
「あんたら! 無事だったのかい! っというか、何で追われてるんだいこのあんぽんたん!」
 先ほどの心配はどこへやら。
「……明らかに悪いことをしたやつらなんだけど、変に憎めないのよね」
「ふふ、そうね」
「とにかく、ホーティ! ベルの機晶石を返しなさい! そしてネフュラ、貴女は負けを受け入れることね」
「はん! この機晶石は渡せ、ってあれ!? 機晶石がない!」
「……任務完了。後は他の奴等に任せた」
 混乱に乗じてエヴァルトがベルの機晶石を奪還していた。
「……成る程。多勢に無勢、抵抗ができるほどの戦力もないようですわね。
 ……よいでしょう、ひとまずは負けを認めましょう」
「あら、案外あっさりなのね」
「私が負けようと、あの方が負けたわけではありません。……ファナティック様がね」
「ファナティック? 随分と変な名前ね」
「そんな軽口が叩けるのも今のうちよ。直ファナティック様の制裁が下るわ、フフフ」
 不気味に笑い続けるネフュラ。その瞳は何かに魅せられているかのようだった。
「……伝説の方舟にファナティック、ね。胡散臭さ満載だこと」
「フリューネ! あいつら、ホーティたちが!」
 言われたフリューネが振り向くと何とホーティたちが逃げ出しているではありませんか。
 本当に、逃げる技術だけは天下一品だ。
「ついでに人魚を頂いていくよ!」
「そうはさせないわ!」
「……これ以上の面倒ごとはご免被る」
 ニキータと和輝を筆頭に契約者たちが総出でピィチーを守る。が、
「そ、んなに揺らしたらっきゃ!」
 バランスを崩した水槽からピィチーが放り出され、
 その直線状にいたのが。
「お、おれかよぉ!?」
 バルクだった。そのまま人魚を危なげながらもキャッチする。
「よくやった、走りなバルク! ルニもおいで!」
「……」
 ホーティがルニ?を掴み、契約者たちがいない方向へ逃げる。
 バルクもピィチーを抱えたままホーティを追いかける。
「待ちなさい!」
 すぐに追ったフリューネだったが時既に遅し。
 ホーティたちは止まっていた小型船に乗り込んでいたのだ。
「こりゃ墜落したのより立派だね! さあ逃げるよ!」
「姐さん、そのお子さんはだれですかい」
「誰って、ルニに決まって……って誰だい!?」
 ホーティが捕まえていたのはルニではなくタマーラだった。
「……私ルニ」
「……タマーラ」
 波長があったのか何故かいきなり自己紹介を始める二人だった。
「言ってる場合かい! ……ああもう時間がない!」
 ホーティがタマーラを乗せたまま小型船を発進させる。
「いろいろあったけど、とりあえず逃げる! すたこらさっさー、さ!」
 そのまま空へと消えていった。
「……やっぱり憎めないのよね」
 こうして浮遊島、ティブルシーで起こった一連の事件に片がついた。
 ネフュラはファナティックという名前を言ったきり、だんまりを決め込み、何も喋ることはなかった。
 これ以上は無駄だと判断したフリューネと契約者たち一向は、
 取り返した機晶石を持って別行動を取っているベルの所へと帰るのだった。

 その頃のホーティサイド。
「にしても、伝説の方舟、ねぇ。お宝の匂いがぷんぷんするね!」
「あのよぉ、お前さん、平気か?」
「ええ、長時間でなければ平気ですよ」
「ねえあんた、その伝説の方舟の大切な力っての、どこにあるか知ってるかい?」
 ホーティがピィチーに迫り寄る。
 バルクの腕の中でたじろきながらもピィチーは答える。
「えと、私の故郷・ブルニスに大切な力の一つがあるって、言い伝えが……」
「進路決定」
「よーし! ブルニスに向けて出発だー!」
「……というか姐さん、既にこの小型船煙を吹き始めてるんだけど」
 バルクが小型船の異常を訴える、がホーティの横顔はそれを聞いてはいなかった。
「……この子は無事に送り返してあげるのが、いいのかねぇ」
「姐さん?」
「……は! な、なんでもないよ! ……よーし、その大切な力を頂くついでに、他のものも頂くとするよ!」
「無茶」
「無謀」
「それより小型船がぁ!」
「おーっほっほっほっほ!」
「……無事にブルニスまでつけますように」
 高笑うホーティ、虚ろに呆れるルニとタマーラ、おどおどするバルク。
 そして、ピィチーはただただ無事にブルニスへたどり着けることを祈るのだった。

To be continued……

担当マスターより

▼担当マスター

流月和人

▼マスターコメント

その後、ホーティ盗賊団の姿を見たものはいなかった……。
冗談はこれくらいにして、本シナリオへのご参加ありがとうございました。
ゲームマスターを担当した流月和人です。

今回は無事にホーティからベルの機晶石を取り返すことに成功しました。
しかし、いくつか気になる点は残っています。
ブルニスに伝わる、伝説の方舟、その大切な力の言い伝えとは。
ファナティックの正体とは一体。
そして、ホーティ盗賊団の大活躍?は今後どうなるのか。
まだまだ先が読めませんが、個性と面白み溢れるアクションが多かったことに感謝を。
繰り返しにはなりますが、今回は本シナリオにご参加いただきありがとうございました。