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それぞれの想い

 ミリルとルズの感動の再会を目の当たりにして、感化された生徒たちは、それぞれの想いを確認し合っていた。

 渡辺 鋼(わたなべ・こう)はパートナーのセイ・ラウダ(せい・らうだ)と湖の中に入ろうとしていた。

 入る前に、鋼がSPを全て使い果たして放った炎術と雷術は、蛍火のような淡い小さな光をたくさん放ち、湖面を美しく彩ったのだ。

 その光たちが、ふわりふわりと水面を浮かび漂う。ひとつひとつがとても温かい。「蛍火」が動くたびに、光の残像が、生きているかのような錯覚を与えていた。

 セイ・ラウダは、鋼の放った小さな光を見て、しばらくこそこそと調べていたが、鋼の意図するところを察したようだ。

「セイ、見てみい。きれいやろ。」

「うん、きれいだね」

 そして、セイを伴って湖の中央に来た鋼は、小さくつぶやいた。

「泉の精よ もしいるなら この想いを聞き届け給え」

 そして、セイに向き直ると、こういって愛を誓った。

「改めて言わせてな。大好きやで。セイ!」

 何も言われず連れて来られたセイ・ラウダ。だが彼は、鋼の気持ちを薄々感づいていた。

 そして、鋼の愛の誓いを聞き終わると、待ちきれないとばかり、セイは鋼を抱きしめた。

「俺も大好きや。鋼。俺はいつもお前のそばにいるからな。どんなことがあっても!」

 セイの気持ちを聞いた鋼は、うれしそうにセイの胸に片手を当て、パートナーを見つめた。

「いかなることがあろうとも、この愛が形を変えようとも、自分の全てを受け入れたあなたに自分は寄り添い、愛を育み続け、全てのものにこの出会いを感謝し、日々変わることを恐れず歩み続けることをセイ・ラウダに誓います!」

 これを聞くとセイは、体から鋼をゆっくり離し、鋼の目をまっすぐ見つめ返した。

「この命が再び尽きる時はお前のそばにいる。たとえこの身がなくなっても俺の魂はお前のそばに寄り添い続け、支えることを誓う。でもそれ以上に俺はお前と共に今を大事に生き続けることを渡辺 鋼に誓います。
 ・・・・・・ありがとう。鋼。」

 こう言うて、セイは再び鋼を抱きしめた。

 抱きしめ合う行為、これは彼らにとってキスにも近い大事なものなのだ。

 東雲 いちるとギルベルト・アークウェイ(ぎるべると・あーくうぇい)も、湖で同じように思いを通じ合っていた。

 キリエ・フェンリスは、戸隠 梓と湖畔を歩いていた。

「俺は絶対大切な人を5千年も放っておいたりしない。ミリル達の件が片付いたら、梓にそう伝えようと思ってたんだ。少し気障だが、梓、泉に誓うぜ。
 ・・・・・・俺は、梓を独りにはしねぇよ」

「ありがとう」

 ふたりの思いは通じ合ったようだ。


 さて、ルカルカ・ルーは、ボートに乗って、鷹村 真一郎と湖の中央に漕ぎ出していた。

「鷹村さん、見て、奇麗・・・・・・でも、ちょっと悲しい湖ね」

 ルーは、おもむろに水面に手を少し入れて動かしながら、さらにつぶやいた。

「ね。永遠の愛って、信じる? あっ」

 すでに、鷹村 真一郎の両腕が、ルカルカ・ルーの身体を抱きしめていた。

 ルーはうっとりとして目を閉じ、真一郎を確かめるように彼の背中へぎゅっと手を回したのだった。