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嫉妬にご用心!?

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嫉妬にご用心!?

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再会

「なっちゃーーん!!」

 カリス・アーリー(かりす・あーりー)は開口一番、こう叫んで、再会したティファナ・シュヴァルツ(てぃふぁな・しゅう゛ぁるつ)を思い切り抱きしめた。

「カリス、あなたなら、必ず来ると思ってたわ」

 カライラ・ルグリア(からいら・るぐりあ)も、思わず涙ぐむ。

「ティファナ、何あっさり捕まってんだよ」

 そう憎まれ口をたたきながらも、カライラは安堵の気持ちに相好を崩しっぱなしだった。


 ふぇいと・たかまち(ふぇいと・たかまち)も、どりーむ・ほしの(どりーむ・ほしの)の胸に抱きついて、泣いていた。

「ふぇいと、あたしを探してくれたの? ありがとう・・・・・・だいじょうぶよ。もうどこにもいかないわ・・・・・・ずっとふぇいとちゃんのそばにいるからね」

 これを聞くと、ふぇいとはどりーむをさらに強く抱きしめた。


 大野木 市井(おおのぎ・いちい)も、マリオン・クーラーズ(まりおん・くーらーず)との再会を果たした。

「ごめんなさい、ごめんなさい・・・・・・」

「泣くなよマリオン。でも無事で良かった・・・・・・本当に」


 リッシュ・アーク(りっしゅ・あーく)も、夏候惇・元譲(かこうとん・げんじょう)の無事な姿を見て、抱き合っていた。

 水橋 エリス(みずばし・えりす)は、微妙な関係になりつつある二人を心配していたが、この様子を見て、ホッと胸をなでおろしたのだった。


 鳳凰院 輝夜(ほうおういん・かぐや)は、駆けつけた神童子 悠(しんどうじ・ゆう)の姿を見ると涙を流した。

「輝夜、探したよ。もう補習なんかで待たせることはしないからね」

 このふたりも、間違いなく絆を深め合った仲である。


 愛美のパートナーであるマリエル・デカトリース(まりえる・でかとりーす)も、小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)の無事な姿を見ると、彼女の手を取って再会を喜んだ。

「美羽、私のために危険な目にあわせてごめんね」

「いいのよ、マリエル。これもアイドルとしての使命だからね。マリエルも、愛美が元に戻ってよかったね」

「うん、ありがとう」

 蒼空学園のアイドルは、今日ひときわ輝きを放っていた。


 橘 舞(たちばな・まい)も、パートナーのブリジット・パウエル(ぶりじっと・ぱうえる)を見つけると、駆け寄った。

「ああ、ブリジット。よかった・・・・・・無事で」

「当たり前よ! 私を誰だと思ってるの? 人身売買組織のエージェントは、私のレッドペッパーボムで倒したからもう安心よ!」

 その後、舞たちが、蒼空学園に戻って3時のティータイムを楽しんだことは、言うまでもない。


 広瀬 ファイリア(ひろせ・ふぁいりあ)は、ウィルヘルミーナ・アイヴァンホー(うぃるへるみーな・あいばんほー)を見つけると駆け寄ってきた。

 抱きしめるのかと思いきや、そうではなく、マシンガンのような文句を浴びせかけたのだ。

 ファイリアは、心配のあまり、口を突いて出た悪態を言い尽くすと、今度はウィルをぎゅーっと抱きしめた。

「ウィルちゃん、無事で良かったです。ううう」

 ファイリアの目からは涙があふれ出た。

「すごく心配かけてしまいましたね。ごめんなさい、ファイリアさん」


 エミリア・パージカル(えみりあ・ぱーじかる)も、助けに来てくれると信じていた如月 正悟(きさらぎ・しょうご)を目の前にして、喜びの表情を浮かべていた。

 ふたりの絆は深まったし、それに正悟の株はかなり上がったはずである。


 あちこちで再会を喜ぶ光景が繰り広げられたが、後光 皐月(ごこう・さつき)の姿を見つけた闇咲 阿童(やみさき・あどう)ほど、強烈な反応を示したものもいなかった。

「皐月。もうどこにも行くな。またいっぱい美味い飯を食わせてくれ。いっぱい話をしてくれ。いっぱい抱きついてくれ!!!」

「あー君。トラちゃん。心配かけてごめんね。帰ったら美味しいお料理をいっぱい作るから、たくさん食べてね」


 鬼崎 朔(きざき・さく)の元には、尼崎 里也(あまがさき・りや)ブラッドクロス・カリン(ぶらっどくろす・かりん)を連れてきた。

 里也の銃型HCで、カリンの居場所を突き止めたのだ。

「カリーーーン、無事だったか!!」

 朔は阿童に負けないほど、カリンを強く抱きしめた。

「朔ッチ、ボクも会いたかったよ」


 大洞 剛太郎(おおほら・ごうたろう)は、複雑な気持ちでいた。

 そこここで、再会の抱擁が交わされている。

 しかし、剛太郎のパートナーだけはなぜかいなかった。

 彼が悲痛な面持ちを浮かべていると、なんと、そこにひょっこりコーディリア・ブラウン(こーでぃりあ・ぶらうん)が現れた。

 剛太郎の驚いたことといったら、もう言葉に尽くせない。

 なんでも、コーディリアは、誘拐された訳ではなく、単に人ごみに紛れて迷子になっただけだという。

 それで、蒼空学園の生徒たちから、この場所を聞きつけ、やってきたのだ。

「コーディリア、無事でよかった・・・・・・よかった」

 剛太郎は感激してコーディリアを抱きしめた。

 コーディリアも、パートナーの胸に顔をうずめて、幸せそうだ。

 今回の件は、剛太郎の取り越し苦労という結果だったが、ふたりの絆が深まるといううれしい副産物も、もたらされた。


 天城 一輝(あまぎ・いっき)ローザ・セントレス(ろーざ・せんとれす)と再会して、うれしそうだ。

 彼らが蒼空学園に戻って、コレット・パームラズ(これっと・ぱーむらず)の用意してくれた温かい紅茶を味わったことは、言うまでもないだろう。


 リアトリス・ウィリアムズ(りあとりす・うぃりあむず)モナルダ・ヴェロニカ(もなるだ・べろにか)は、事件が解決したからというので、シスター服を脱ごうとした。

 だが、飛鳥 流奈(あすか・りゅうな)の目配せで、やめたほうがいいという意図を悟った。

 理由はあえて語らず・・・・・・。


 アリア・ブランシュ(ありあ・ぶらんしゅ)は、パートナーに怒られる前にと、急いで帰っていった。

 無事が一番。

 麒麟宮 文貴(きりんぐう・あやき)たちも、事件解決を喜んでいた。

 文貴は、青龍寺 葉桐(せいりゅうじ・はぎり)白虎洞 紗々(びゃっことう・さーしゃ)の活躍を労ったが、ツンデレの紗々は素直でない。

「・・・・・・任務やからな」

 そういうと、ぷいっと横を向いて、照れを隠した。


 さて、正気に戻った愛美だが、雪女に憑依されている間、記憶をなくしていたようだ。

「あれ? ここはどこ? っていうか今日って何月何日?」

 スキー場にいるはずの自分が、別のところにいて、しかも、既に冬休みは終わっているのだ。

 彼女の驚きようはひととおりではなかった。

 宮坂 尤(みやさか・ゆう)が、愛美に事件の経緯を説明した。

「そうだったの・・・・・・」

 愛美は、自分が邪念を起こしたことで、あのような事態を招いたことに、動揺を隠せなかった。

「笑顔の愛美さんが一番素敵だから」

「誰にでも、心の隙はあるよ。気にしないでまたみんなと仲良くしよう」

 宮坂 尤とウィング・ヴォルフリート(うぃんぐ・う゛ぉるふりーと)のフォローに、愛美はニッコリとうなずいた。

 それは、本来の可愛らしい愛美だった。

 松永 亜夢(まつなが・あむ)も、愛美を元気付けている。

 明るい笑顔を見せる愛美を見れば「いっそ、自分が運命の人に立候補するのもありかも知れません」という妄想が浮かぶのも、無理からぬことだった。


 鏡 氷雨(かがみ・ひさめ)霜月 帝人(しもつき・みかど)は、元の明るい愛美に戻った様子を見てうれしそうにしていた。

「雪と言えばカキ氷だよね」

 氷雨はそういうと、持参したアイスポックスから赤い氷を出して、カキ氷を作り始めた。

「氷雨さんまた、着色料使ったんですか?」

 帝人はそう苦笑しつつもかき氷を作りを手伝う。

「愛美さん、はいどうぞ」

 差し出されたカキ氷を、愛美はおいしそうに食べていた。

※ ※ ※


 すべてが終わった後、倉橋 和(くらはし・まどか)はひとり、山に向かっていた。

 愛美に憑依していた雪女が、改心して戻っていった山である。

「雪女のため、この山に祠を建てましょう。きちんとお祭りすれば、荒魂も和魂になりますから・・・・・・」

 そういって、和はそっと手を合わせたのであった。

 おわり

担当マスターより

▼担当マスター

ヴァイオリン弾き

▼マスターコメント

 こんにちは。マスターのヴァイオリン弾きです。

 今回のお話は、冬山で起きた不思議な出来事についてでした。

 人間の心は、考え方次第で清らかになったり、魔物を呼び寄せたりしてしまうのですね。

 でも、みなさんの暖かい気持ちが、愛美を救ったのだと思います。

 季節柄、雪女も出るほどの寒さですが、みなさん、お体には十分お気をつけください。

 また、別のシナリオでお会いできますことを楽しみにしています。