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嫉妬にご用心!?

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嫉妬にご用心!?

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うつろな愛美

 蒼空学園では、事件のカギを握るであろう小谷 愛美(こたに・まなみ)に、生徒たちの注目が集まっていた。

 ふぇいと・たかまち(ふぇいと・たかまち)橘 恭司(たちばな・きょうじ)
は、マリエルから愛美の様子がおかしくなったことを聞き、それとなく身辺を探っていたのだ。

 レイナ・ミルトリア(れいな・みるとりあ)は、彼らやアルフォニア・ディーゼ(あるふぉにあ・でぃーぜ)からの情報を聞いて、不思議そうに顔を傾けた。

「おかしいわね。可愛い女の子ばかりが行方不明になっているというのに、あの愛美が全く興味を示さないのは・・・・・・ちょっと解せませんね。愛美の動向をさらに調べてみる必要がありそうね」

 これを聞いたヴァッシュ・ナイトハルト(う゛ぁっしゅ・ないとはると)が、調査に立候補した。

「それじゃあ僕は、気配を殺して遠く隠れた位置から愛美の様子を見ることにするよ。僕は彼女と全く面識が無いから、怪しまれることもないと思うし。幸い今回は、彼女に面識のある人もいるわけだから、励ますやらなんやらは彼らに任せるとしよう」

 しかし、パートナーのレティス・ハワード(れてぃす・はわーど)は、地味な行動に不満のようだ。

「ったく・・・・・・何でこんなコソコソするんだよ。正面きって行けばいいだろ?」

「駄目だよ。僕らは彼女と会ったことないんだし・・・・・・下手にそんなことしたら警戒されるだろう? だから僕らは、こうして何かある時にそなえて待機することも必要なんだよ」

「ぅー・・・・・・つまんないぜ・・・・・・」

※ ※ ※


 愛美を元気づけたいと考える生徒たちもいた。

 松永 亜夢(まつなが・あむ)も、レイナ・ミルトリアと同じく、愛美がこの事件に興味を示さないことに疑問を抱いていた。

「なにか悩みを抱えているのかな? あたしが相談に乗ってあげてもいいんだけど。ねえ、未沙さん、あなた愛美と仲がいいのよね。最近の彼女のこと、どう思う?」

 朝野 未沙(あさの・みさ)ももちろん、普段は友達想いで優しいはずの愛美に、ただならぬ異変を感じていた。

「本当に、愛美さんどうしちゃったんだろうね? ・・・・・・これはあたしが一肌脱いで、愛美さんを人肌の温もりで癒してあげるしかないかな? うん、待ってて愛美さん」

 朝野 未沙はこう言うと、愛美の席に行って話しかけた。

 しかし、笑顔で話しかける未沙の目を、愛美は見ようとしない。

「あたしが愛美さんに新しい世界を見せてあげるからね!」

 しびれを切らした未沙は、こういうと愛美の体に抱き付いた!

「ちょっと、やめてよ!!」

 愛美は怒って席を立ってしまった。

 人肌作戦は、逆効果だったようだ。

※ ※ ※


 酒杜 陽一(さかもり・よういち)も、愛美を心配して声をかけてみたが、取り付く島がなかった。

「今の愛美に正面切っての質問はムリだな。マトモな回答は期待できぬ。ここは密かに彼女の行動を見張るしかないな。あ、そうだ、参考までに、マリエルに雪女の昔話の内容を訊いておこう! 何かの役に立つかもしれないし」

※ ※ ※


 宮坂 尤(みやさか・ゆう) も、絵に描いたような天真爛漫少女の愛美が、最近鬱ぎ込んでいるときいて、気になっていた。

 尤は昼休みに愛美をお茶に誘うと、彼女が鬱いでる理由を聞いてみた。

「愛美さん、最近鬱いでるみたいですけど、何か悩みでもあるの? 今の愛美さんは、初めてお会いした時の愛美さんとはずいぶん違うようですが・・・・・・もしかして運命の人関係ですか?」

「・・・・・・」

「やっぱり、そっちの悩みなんだね?」

「私、可愛くないから・・・・・・」

 愛美はそういうと、プイッと立ち去ってしまった。

「あれ? ちゃんと対話しないうちに行っちゃった。本当なら、放課後に屋上で励ますつもりだったのに、失敗だなぁこりゃ」

※ ※ ※


 霜月 帝人(しもつき・みかど)は、パートナーの鏡 氷雨(かがみ・ひさめ)と一緒に蒼空学園の校舎にいたところ、落ち込んだ様子の女子生徒を見つけた。

「氷雨、あの人元気なさそうだね。ちょっと気になるなあ」

「え、だれだって? あ、あの人は愛美さんじゃないか」

「氷雨の知り合いなの?」

「うん、ちょっと声をかけてくる」

 そういって歩き出す氷雨の後ろを、帝人もくっついていった。

「愛美さん、どうしたの?」

 挨拶する氷雨の横で、帝人はお辞儀をした。

「そういえば愛美さん、冬休みにスキーに行ったんだってね。どうだった?」

「別に・・・・・・普通に滑ってきただけよ」

「確か、その場所は雪女がでるって噂のとこですよね、大丈夫でしたか?」

 帝人が横から心配そうに聞いたが、愛美は
「雪女? そんなの知らないわよ」
と相手にしない。

「はぁ、ダメだったね。何か誘拐事件の手がかりが聞きだせると思ったんだけど・・・・・・」

 このやりとりを見かねたレクス・アルベイル(れくす・あるべいる)も、彼らをフォローするように言った。

「確かに、あの様子じゃ訊き出すのは難しいだろうな。俺も、斜に構える愛美の様子が引っ掛かるぜ」

 霧島 春美(きりしま・はるみ)もこれに同調して言った。

「彼女には、なにか言えないわけがあるのかな? 今はとにかく、彼女のまわりを注意して、彼女が危なくなったら助けてあげられるようにしようよ。もしかしたら、これをきっかけに友達になってくれるかもしれないしね。お互いがんばろう」

 結局、愛美から直接何かを聞き出そうという生徒たちの試みは、あっけなく潰えたのだった。

 こうなったら愛美を追跡するしかない。生徒たちの思惑は一致した。