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【蒼空に架ける橋】第4話の裏 終末へのアジェンダ

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【蒼空に架ける橋】第4話の裏 終末へのアジェンダ

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第三章 やるべきこと、見るべきところ

――弐ノ島、オミ・ナ達の集落から少し離れた所のとある人気の無い所。
 そこに訪れたウヅ・キと紫月 唯斗(しづき・ゆいと)コア・ハーティオン(こあ・はーてぃおん)ラブ・リトル(らぶ・りとる)忍者超人 オクトパスマン(にんじゃちょうじん・おくとぱすまん)夢宮 ベアード(ゆめみや・べあーど)マルティナ・エイスハンマー(まるてぃな・えいすはんまー)メルキアデス・ベルティ(めるきあです・べるてぃ)フレイア・ヴァナディーズ(ふれいあ・ぶぁなでぃーず)は参ノ島副官の到着を待っていた。
 約束の時刻まであと少し、という時であった。
「……待たせたな」
 少し背の高い、肩から指先までが白銀色の金属でできた左腕が目立つ女性――参ノ島副官メ・イが姿を現す。
「あら、一人?」
 ラブが首を傾げる。副官はもう一人リ・クスがいる。
「ああ、アイツなら別の場所にいる」
 そう言うとメ・イは生身の右手をウヅ・キ達に向ける。
『悪いなー、ウチは声だけの参加や』
 メ・イの右手首にある腕輪からリ・クスの声がする。
『あーウヅ・キ、元気そうやね。もうちょっとの辛抱やで、我慢しとき』
「え、リ・クス副官見てるんですか?」
 ウヅ・キの言葉に代わりにメ・イが頷く。
「アイツは今別の場所でお前らを狙っている。妙な行動を取ろうとしたら即座に頭を撃ち抜けるようにな」
『そうそう。えーっとウヅ・キを除いてひーふー……えっと、八人……でええんかこれ? 人で数えてええかわからんのもおるけど、妙な事は考えん方がええで』
「そういう事だ――さぁ、うちのマスコットを返してもらおうか犯罪者共!」
 そう叫ぶとメ・イが左手の拳を握り臨戦態勢を取る。
「ちょ、落ちついてくださいメ・イ副官! 今回は話し合いで――」
 慌てて止めようとするウヅ・キを、メ・イは生暖かい優しい目で見つめる。
「ウヅ・キ、怖かっただろう……だが我々が来たからにはもう安心だ」
 そして今度はコントラクター達に殺意を隠そうともしない視線を向ける。
「犯罪者共覚悟しろよ、脱獄に監獄島襲撃、更にうちのマスコットに手を出した罪は重――ッ!?」
 咄嗟にメ・イが左腕を頭を庇うように上げると、直後に金属同士がぶつかるような音が響く。
『落ちつかんかい。今回は話し合いやって散々言ったやん』
 リ・クスの呆れた様な声が腕輪から流れる。どうやら一発撃ったらしい。
「ねえ、いつもあんななの?」
「ええ、いつもあんなです」
 ラブの言葉に、仕方ないと言った様子でウヅ・キが答える。
「ウヅ・キが入りゃ冷静に話し合えるかと思ったんだけどなぁ……」
 メルキアデスが呆れた様に呟いた。むしろ入ったせいで冷静さを欠いているようにも見える。もっともウヅ・キが居なければ話し合いにすらならないだろうが。
「……と、とにかく、今回俺達は話し合いで来たんだ。戦う気は一切無い。何だったら隠し持っている物は無いか服を脱いで調べても構わないぜ?」
 唯斗がそう言うとメ・イは「必要ない」と答える。
「そうかい、信用してくれたって事か?」
「勘違いするな。この程度の人数なら武装していようが問題ないという事だ。我々を止めたいならミツ・ハ様を連れてくるんだな」
 そう言って睨み付けるメ・イに、唯斗は「やれやれ」と肩を竦める。
「えっと、まず何から話しましょうか……」
 ウヅ・キは考える仕草を見せながらそう言った。